表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
254/836

外伝EP02 歌姫×歌女神 その19

 ディアナスの森ってところは、例え方位磁針を所持していても針がグルグルと回り続けて方位が定まらないとか——。


 そのせいで方位がわからず結果、迷子になってしまうかもしれないので、下手に奥へと進まないことをオススメする——とまあ、そんな看板が、あっちこっちに見受けられる場所でもある。


 そんなディアナスの森の周囲には、ラーティアナ教団という連中の宗教施設が、数多く立ち並んでいる。


 どうやら、ここら辺が発祥の地なんだとか——。


 が、そのほとんどが現在じゃ廃墟なんだが……。


 さて、そんな元ラーティアナ教団の宗教施設のひとつに、俺——ヤマダシロウサヒコはやって来る。


 ここに大フレイヤが隠れているっぽいので——。


「あ、いらっしゃい。」


「大フレイヤ? アイツなら図書室にいるぜ。」


 元ラーティアナ教団の教団施設ことアジトは、三階建ての何気に大型の建物である。


 小フレイヤ曰く、聖地アンザスとかいう場所にも繋がっている地下通路もあるとか——。


 ん、白いワンピースの上から桃色のエプロンを羽織った長い黒髪の若い人間が、大量のクッキーが盛られた皿を持った状態で奥の部屋から現れる。


「お、リリスじゃん!」


「わお、ガスマスクの怪人……いえいえ、お姉様!」


 白いワンピースの上から桃色にエプロンを羽織る長い黒髪の若い人間の女とイシュタルは知り合いなのか?


 お姉様って呼んでいるワケだし……ひょっとして妹か何か?


「マーテル王国の家出姫こと余の妹に当たる存在であるリリスだ。」


「マ、マーテル王国の家出姫!? 連れ戻したモノは、多額の賞金と騎士の称号を得られるってウワサの?」


「それは先王である余らの父上が決めたことだ。だが、余が王位に就いたから、騎士の称号のみとした。」


「え、お姉様が現王なの?」


「うん、父上は女帝という神の怒りに触れてな。象になってしまったことを悔いて王位を譲ったのよ。だけど、今だに政治等を牛耳っている。故に、余は表向きの王にすぎないのよ。だから、こうやって好き勝手に行動できるワケ!」


「な、なんか違うような……。」


「その話はいいです! リリスさんですたっけ? 大フレイヤさんがいる図書館へと案内してもらえます?」


 ふーん、マーテル王国の家出姫ことイシュタルの妹のリリスねぇ。


 ちなみにだけど、グラーニアという別名を名乗っているようだ。


 と、それはともかく、大フレイヤがいるという図書室へ案内しろ——と、中フレイヤは詰め寄るのだった。


「ふ、ふえええ、顔が怖いですー!」


「え、そうですかぁ、ウフフフ……。」


 クワッ——と、一瞬だけど、中フレイヤの柔和な如来や菩薩の表情から、不動明王を筆頭とした明王の憤怒の形相に豹変したのを俺は見逃さなかった。


「ちょ、丁度、私は図書室へ行こうと思っていました。そこで出来立てのクッキーを食べようと……い、一緒に来ます?」


「当然! 図書室には大フレイヤさんがいるんでしょう?」


 ふむ、大量のクッキーが盛られた皿を持っていたのは、図書室で食べようと思っていたからのようだ。


 さ、ついて行ってみよう。


 なんだかんだと、大フレイヤは図書室にいるようだし——。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ