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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
252/836

外伝EP02 歌姫×歌女神 その17

「残りのふたつは、どんなモノなのかしら?」


「多分、コレかしら?」


「わ、フレイが抱いている熊のぬいぐるみの口の中から黄金の剣が!」


 さて、フレイは刃渡りだけでも確実に一メートルはある黄金の剣を熊のぬいぐるみの口の中に手を突っ込み取り出すのだった。


 お、おいおい、熊のぬいぐるみは鞘みたいなモノなんかもしれないけど、件の黄金の剣よりは小さなモノだ。


 い、一体、どういう原理なんだ……。


「あ、ああ、それは聖剣!」


「聖剣? うおおお、危ない!」


「あ、ゴメンねぇ。使い慣れていないから、ついつい……。」


 抱いている熊のぬいぐるみの口の中から黄金の剣を取り出しのはいいけど、その直後、フレイはバランスを崩してうつ伏せに転倒するのだった——と、危ない、危ない! 後、一歩前にいたら、俺の身体に切っ先が直撃していたところであった!


「この剣は大事なモノその二ってワケね?」


「はい、昔、兎天原で活躍した〝とある王様〟が死ぬまで肌身離さず持っていた剣です。」


「へえ、そうなんだ。」


「伝承では、その剣と鞘がセットの状態で持っていれば、〝絶対〟に怪我をしないとか——。」


「む、そういえば、鞘がなかったわね。」


「私が入手した時には鞘がありませんでしたねぇ。鞘はどこへ行ったんでしょう……。」


「なんだかんだと、ソイツは鞘がセットになってないとタダの剣でしかないのかもしれないね。さて、最後のひとつについても教えてもらいたいもんだ。」


 とある王って誰だよ。


 それに剣と鞘が一緒じゃないと絶対に怪我をしないとかいう夢のような効果が発揮しないんじゃタダの光る剣でしたないようだ。


 ま、それはともかく、大フレイヤとフレイが中フレイヤの居所ハイウェイア城の宝物庫から持ち出した三つのお宝の最後のひとつもどんなモノなのか、それを聞いた見なくちゃな。


不死宝玉(アンデットオーブ)です。悪用されたら大変なことになる代物です!」


「むう、如何にも危険な匂いがするモノだな。んで、どんな効果なんだ?」


死霊使(ネクロマンサー)いじゃなくても死体をゾンビ化させることができるとか、そんな効果でしょう?」


「ビンゴ! 流石は我が子孫……って、アレを真っ先に返してほしいわね。」


「ところでゾンビってなんだ?」


「動き回る死体よ。ま、危険度は個体(モノ)よって違うかなぁ……。」


「う、動き回る死体!? な、なあ、さっさと返還した方が良さそうだな、ソレは……。」


 不死宝珠か、名前からして危険そうなモノだな。


 うーむ、真っ先に中フレイヤに返還した方が良さそうだぞ。


「で、不死宝珠はどこにあるんです?」


「多分、大フレイヤが持ってるはずよ。七色に光る美しい珠だしね。」


「むう、そんな肝心の大フレイヤは、どこへ行ったんだ?」


「ああ、きっと、あそこにいるはずよ。ついて来て!」


 不死宝珠は大フレイヤが持っているのか?


 と、そんな大フレイヤが、どこにいるのか——それを小フレイヤは知っているようだ。


 よし、案内してくれるようだからついて行ってみよう。

 

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