表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
238/836

外伝EP02 歌姫×歌女神 その3

「ウイーッス! みんな何やってんの? うわあ、ソイツは!」


「あ、大フレイヤ……ん、知り合いなの?」


「知らないよ! だ、誰だろうなぁ~。」


「「…………。」」


「ジ、ジト目で見るな! マ、マジで知らないよ、うんうん!」


 ん、右手に赤ワインの入った瓶を握る少々、酔いどれ気味の長身でスタイル抜群の金髪碧眼の美女がやって来る――大フレイヤだ。


 と、そんな大フレイヤは、寝ボケているのか、それとも記憶喪失なのか? 


 とにかく、そこらへんがはっきりしない中フレイヤの姿を見た途端、ヒイイッ――と、喉の奥で悲鳴をあげ、狼狽し始める。


 なんだかんだと、知り合いなのか――が、大フレイヤは激しく首を横に振りながら、関係を完全否定する。


 あ、怪しい、実に怪しい……あからさまに何かしらの隠し事をしていることバレバレの仕草だ。


「みゅっ!」


「ひ、ひいぃ!」


 ドギャーッ――と、中フレイヤと視線が合った途端、大フレイヤは勢いよく物陰に身を潜める。


 ハハハ……ありゃ、過去に絶対、何かしらの因縁があった感じだな。


「あ、あのぉ、そこのおっぱいの大きなお姉さん……。」


「わ、お前、どこ見てんだ!」


「あ、気に触りました? その前に、お姉さんの顔、どこかで……うう、思い出せませんねぇ。」


「うむ、思い出せないなら、それでいいじゃん!」


「ですね。思い出せないってことは大したことじゃないと思いますしね。」


「うんうん、そうだ。その通りだよ、君ィィィ~~~!」


 大フレイヤは都合がいいなぁ……。


 しかし、中フレイヤとの間に、一体、何があったのやら……。


「頭を強打したことのよって記憶喪失になってしまったっぽいわね。あの調子だと……。」


「フ、フレイヤ様が記憶喪失ですって! やはり落馬した時に……。」


「なあ、喋るお馬さん。なんかんだと、アンタの主なんだろう? 故に、何故、エフェポスの村の近くにいたのか知っているんじゃないのか?」


 そうだそうだ、中フレイヤの愛馬である喋る馬――スレイプニルなら、何か知っているかもしれないな。


「ん、知りませんなぁ。何分、フレイヤ様は秘密主義でして……。」


「ちょ、即答かよ!」


 うーむ、スレイプニルは何も知らないようだ。


 そんなこんなで何が目的でエフェポスの村に近くにいたのかってことは、中フレイヤが自然に思い出すのを待たなくちゃいけないのかもしれない。


「強制的に思い出させるって手もあるわよ。」


「そ、それはやめろ! 永遠の忘れいる方が幸せなこともあるんだからさぁ!」


「おいおい、思い出されちゃ不味いことでもあるのかよ?」


「だーっ! しつこいぞ。とにかく、余計なことをすんなーってヤツさ!」


 むう、大フレイヤの奴、何をそんなに焦っているんだ?


「あ、少しだけ思い出した……。」


「ビ、ビクッ!」


「私は何かを探していた気がする。だけど、それが思い出せないのが辛いわね。」


 え、何かを探していた?


 ふむ、その何かが大フレイヤとの因縁になっているのかもしれない……って、おいおい、大フレイヤの顔色が真っ青なんだが――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ