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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
237/836

外伝EP02 歌姫×歌女神 その2

「中フレイヤだな。」


「ですね、隊長殿。」


「背丈やスリーサイズなんかは、同じ名前持つおふたり――大フレイヤさんと小フレイヤさんの中間って感じですしね。」


「でも、あのふたりよりも金持ちっすよ。この姫騎士さんは……。」


「愛馬のスレイプニルが金貨がたくさん入ったガマ口を持っていたぜ、隊長。」


「こりゃ、何年も不自由なく暮らせるような大金だぜ、隊長! ま、贅沢な生活を送らなきゃの話ですがね。」


 愛馬である喋る馬スレイプニルの背中から落っこちて後頭部を強打し、気絶している女騎士の名前も〝フレイヤ〟というらしい。


 で、背丈やスリーサイズなどは、大フレイヤと小フレイヤの中間くらいなので、とりあえず俺は〝中フレイヤ〟と呼ぶことにするのだった。


「ところで隊長殿、彼女を病院へ連れてった方がいいと思います。」


「うむ、そうだなぁ、一応、危なっかしいモノは持ってなさそうだし、これで検分は終わりだな。」


 さて、俺と小フレイヤは、気絶している中フレイヤ、それに愛馬のスレイプニルを獣人飛行隊の基地へと連れ込むのだった。


 なんだかんだと、危険物を持っていないか調べておきたいしね。


 とまあ、そんなワケで身に着けていた蒼穹のように青い鎧を脱がすのだった……あ、ああ、あくまで脱がせたのは鎧だけだからな!


 ついでにだけど、中フレイヤの身の上を知る上での重要な手がかりが、愛馬スレイプニルが背負っていた荷物の中には、大量の金貨が詰め込まれたガマ口の財布である。


 獣人飛行隊の隊員のひとりである狐獣人のコジロウ曰く、贅沢な生活さえ送らなきゃ数年は、何不自由なく暮らせるような大金だとか……。


 うーむ、こんな大金を持ち歩いているあたりから、中フレイヤはどこぞの貴族の令嬢に間違いないと思う。


「あうあうあうっ……。」


「あ、お姉さんが目を覚ましたわよ。」


「あうあう、ここはどこです! それに私は誰? うわああ、デカい猫が追いかけてくる!」


「なんか様子が変ですね、隊長。変なことを言い出したワケですし……。」


 む、女騎士が目を覚ます。


 だけど、少し様子が変だ。


 私は誰とか、デカいが猫が追いかけてくるとか、妙なことを言い出したワケだし……。


 むう、ひょっとして寝ボケているのか?


「変な夢を見たとか、或いは記憶喪失になったとか? そんな感じね。」


「あ、イシュタル! アンタまだいたのか!」


「ん、居ちゃ悪い?」


「いや、悪くはないが、アンタはマーテル王国の国王だろう? こんなところで油を売っててもいいのかなって思っただけさ。」


「アハハハ、それには及ばないわ。余は国王とはいえ、〝今〟は飾りにしか過ぎないのよ。実権は未だに先王である父上が握っているしね。」


「は、はあ……。」


「それに、この村には発見次第、連れ戻そうと思っていた家出中の余の妹のひとりが世話になっているようだしね。だが、キョウとかいう魔女と一緒に出掛けているっぽい。」


「マーテル王国の家出姫ことリリス姫のことですね? グラーニアと別名を名乗っているみたいですね。」


 自称、考古学&科学者である素顔をガスマスクで覆い隠す怪人ことイシュタルは、兎天原全域の実権握るマーテル王国の現国王である。


 だけど、あくまで表向きの最高権力者のようだ。


 なんだかんだと、政権はポース山の女帝とかいう女神の聖域に足を踏み入れた罰……いや、呪いによって象の姿に変えられたという先王である彼女の父親が、未だに握っているっぽいしね。


 さて、エフェポスの村には、そんなイシュタルの妹のひとりが世話になっているようだ。


 で、後日、知ったことだけど、通称、マーテル王国の家出姫と呼ばれている連れ戻したモノには、多額の賞金と騎士の称号を与えるという公布が出回っている人物だとか……。

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