表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
229/836

外伝EP01 大空の兎 その37

 世界魔物辞典――小フレイヤの愛読書らしいけど、その本に載っていたんだろうか?


 変幻自在の禍々しい真っ黒な粘液状の生物ショゴスの弱点が――。


 まあ、とにかく、今はコイツを――ドロドロした真っ黒な粘液を滴らせる飛竜の姿に変化したショゴスを竜哭山の火口に引きつけなくちゃいけない!


「こっちだ、こっち! さあ、来い……化け物っ!」


「カモーン、わしはこっちだぁー! この汚物野郎!」


 俺とレイナはドラゴンショゴスに対し、挑発的な言葉を言い放つ。


「テケリテケリ、テケリッ! テケリィィィ~~~!」


「う、俺達の言葉をちゃ~んと理解してやがるな。」


 お、おお、上手く挑発に乗ったぞ!


 ショゴスは巨大なアメーバのような原始的な生物に見えなくもない姿ではあるが、それに反し、知能が高い生物だ。


 当然、俺やレイナが自分を馬鹿にしていることを理解できる知能を持ち合わせている。


 あ、ああ、そういえば、バルロスの塔で遭遇した時は、生死不明の元主こと魔術師ギムルに化けていたな。


 で、今は無き竜騎士団にのみ伝わっていた秘密の言葉を口走り、バルロスの塔の先端――岩のチューリップこと竜騎士の墓に鎮座していた飛竜像の額に埋め込まれていた記憶石を取り外したワケだし……。


 なんだかんだと、侮ってはいけない生物なんだよぁ。 


『ヤマダ、ショゴスは誘導しながら、アンタも火口に突っ込むのよ! そして“あの機能〟を――。』


「お、おい、あの機能を使う前に俺が溶けてしまう!」


『安心しろ、ヤマダ! お前が融合合体した玩具のゼロ戦は、摂氏千二百度の高熱にまでなら耐えられるように魔術で耐性が施されているぞ!』


「え、本当に!? だけど、トンでもない勇気がいるぞ! だが、俺は特攻隊の一員だったんだ……そのことを思い出せ、俺!」


 そうだ、俺は特攻隊員だったんだ!


 お国のため、この命を投げ出す覚悟を決めた男だ!


 そのことを忘れちゃいけない……故に、俺なら竜哭山の格好に突っ込むくらいの朝飯前である!


「う、うおおおおーっ! こっちだぁ、化け物ォォォ~~~!」


「ヤ、ヤマダ!」


「レイナ、お前は来るな……俺は“すぐに戻る〟! だから、お前は仲間の飛竜と一緒に火口の上空で攻撃準備を――。」


 一緒に来るつもりだったレイナに対し、『来るな』と言うと、俺は意を決し、ショゴスを誘導するかたちで竜哭山の火口へと飛び込むのだった!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ