表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
221/836

外伝EP01 大空の兎 その29

「アルジュナ、早速、バルロスの塔へ行くぞ。」


「はい! その後は竜騎士団再興を考えましょう!」


「だが、他にも生き延びたモノがいればいいが……。」


「ですねぇ……う、うわああ、ゼフ殿、危ない!」


 魔術師ギムルと黒々とした禍々しい粘液状の生物ショゴスは、真っ黒焦げになって再起不能である。


 人間のギムルはともかく、ショゴスは一時的の活動停止状態になったようなモノだ。


故に、あの化け物が、いつ動き出すかわからない。


 そんなワケで早々に宝物庫から立ち去ろうと、轟々と燃え盛る火炎に包まれた通路へと決死に思いで飛び出したゼフとアルジュナだったが……。


「あの化け物、死んでなかったのか! ゼ、ゼフ殿ォォォ~~~!」


「うわああ、ゼフ! ゼフの身体にショゴスの触手が……突き刺さった!」


「あの化け物、復活するのが早いぞ!」


「む、むう、不死身の化け物め! よくもゼフを!」


 対盗賊用とばかりに仕掛けられた竜騎士団の本拠地こと聖竜城の宝物庫内に仕掛けられた罠――烈光によって対象物を焼却する魔法陣によって主であるギムルとともに全身を焼かれ再起不能となった筈のショゴスが復活する!


 と、そんな復活したショゴスの身体から、黒々とした猫の爪のような鉤状の爪の生えた手が飛び出し、グシャアッ――と、ゼフの背中を引き裂く!


「ゼフ殿ォォォー~~~!」


「大丈夫だ! 俺はまだ死なん! く、俺は後から行く……バルロスの塔で落ち合うぞ、アルジュナ!」


 キッとそう言い放つとゼフは、ショゴスがいる宝物庫へと戻って行く!


 と、それから間もなく宝物庫の中から轟音が響きわり……あ、ああ、宝物庫の入り口が崩れ落ちる!


「ゼフ殿……ゼフ殿ォォォ~~~!」


「アルジュナ、ここにいたのか! ゼフは一緒じゃないのか?」


「アポロ……そ、それが……。」


「とにかく、今はここは脱出だ! これ以上、炎が拡散したら脱出できなくなるぞ!」


 ん、真っ白な鼬がやって来る。


 しかし、この世界の獣は人間のように喋るモノが多いぞ!


 う、その前に今の俺は、喋る二足歩行の兎……兎獣人だったなぁ。


「……うん、ここから脱出しよう、アポロ。」


「お、おい、アルジュナとやら! ゼフを助けなくてもいいのか!」


「レイナ、聞こえないっつうか、俺達は過去の映像を見ているんだ。それを忘れちゃいけない……。」


「む、むう、口惜しいっ!」


「はいはい、みんな~! そろそろ、記憶石に残された過去に映像――竜騎士団の最後編が終わるわよ。」


「え、終わる……わ、急に場面がド田舎に変わった!」


「ド、ド田舎じゃなくてエフェポスの村だな。」


 ムムムム、肝心なところで記憶石に残された過去の映像が途切れる。


 く、アルジュナは無事にバルロスの塔へたどり着けたのか?


 そしてゼフは、どうなったのか?


 まったく、あの後の展開が気になるぜ。


 でも、外から見ると岩のチューリップといった感じの形状だったバルロスの塔の先端――竜騎士団の墓にあった飛竜の像の額に記憶石が埋め込まれていたことだし、アルジュナは無事に炎上する竜騎士団の本拠地こと聖竜城を脱出できた証だろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ