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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
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外伝EP01 大空の兎 その26

「熱くない、熱くない、熱くないっ!」


「ヤマダ、黙っていろ! しかし、この通路の燃え方が、特に酷いぞ!」


「きっと燃える黒い水を巻いたに違いない!」


「うわ、それって原油か!」


「原油? 何かは知らんが、この先の部屋は宝物庫だった筈!」


「へえ、宝物庫ねぇ……じゃあ、財宝を狙った盗賊団が原油をばら撒いて放火したって感じか?」


 聖竜城が炎上している理由は、竜騎士団の財宝を狙う盗賊の仕業なのかも⁉


 ま、とにかく、そんな竜騎士団の財宝が眠る宝物庫が、俺達は向かっている。


「ん、盗賊団が放火したにしても、ソイツらは何を盗みに……。」


「心当たりならあるぞ! きっと、“アレ〟だ……アレだ!」


「“アレ〟ってなんだー!」


「お、ゼフが宝物庫の中に入っていったぞ。後を追うしかないな。」


 レイナの元相棒ゼフが宝物庫の扉を蹴破り、中へ……よ、よし、俺達も追いかけてみよう。


 しかし、“アレ〟ってなんだよ。


 まあ、この先へ進めば、どんなモノなのかわかるはずだ……。


「き、貴様、それを奪ってどうする! トアアアアーッ!」


「ウギャアアアアッ!」


 ん、ゼフという竜騎士の気合に叫び声が響きわたる。


 それと同時に、別の何者かの断末魔の叫び声も……宝物庫内で一体、何が⁉


「よし、中に入るぞ……って、わしより先に入るとは抜け目がないなぁ。」


「宝物庫って聞きゃ是が非でも入りたくなるもんさ!」


「右に同じくよ。さて、どんなお宝があるのかしら……わ、盗賊かもしれないヒゲのオッサンが死んでるー!」


「いや、待て! 別の組織に属すモノかも……。」


 大フレイヤと小フレイヤ、それにメイヴを筆頭とした用心棒達が、すでに宝物庫内に足を踏み入れている――ム、ムムム、確かに盗賊団の一員? 或いは別の組織に属すモノかもしれないヒゲのオッサンが死んでいる!


 死因は日本刀のような刀身の長い刃物による斬撃によるモノだろう。


 件のヒゲのオッサンは、仰向けに倒れており、袈裟懸けに斬撃を受けた証拠が、未だに流血が止まらない生々しい痕跡として見受けられるしね。


「ゼフめ、あの人間を斬ったのか……。」


「まあ、斬られても当然だろう。ここは部外者が入ることができない宝物庫なんだぜ。」


「だけど、そんな宝物庫という割には、何もないぜ。」


「むう、豪奢が家具なんかが見受けられるけど、それらはそのまんまだなぁ」


 盗賊団の一員? 或いは別の組織に属すモノかもしれないヒゲのオッサンを斬殺したのは、やはりレイナの元相棒であるゼフだ。


 その手に片刃の長剣……日本刀のようなモノが握られているしな。


 それはともかく、ここは本当に竜騎士団の財宝が収容されている宝物庫なのか⁉


 豪奢なモノではあるが、家具等の生活用品ばかりだ。


 大事なモノほど、速やかに非難させなくちゃって感じで、すでに持ち出された後なんだろう。


 それか盗まれたか……むう、どっちもありえるなぁ。


「あった……あったぞ! コイツだけは、どこかに隠さなくちゃ!」


「ん、ゼフが壁を壊して何かを取り出したぞ。」


「お、おお、アレは記憶石じゃないかな? 星型だし、オマケの青い石だしね。」


 ん、記憶石だ!


 ゼフという竜騎士が、宝物庫の壁の一部を蹴り壊し、あの記憶石を取り出すのだった。

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