表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
214/836

外伝EP01 大空の兎 その22

「ウホッ! イイ眺め!」


「おわああ、イシュタル女史、危ないですよ! 身を乗り出しちゃダメですってば!」


「うっさいわね! 空を飛ぶ飛竜の背中に乗るなんて行為は滅多に起きない事例ないんだし、ハイテンションにもなるわぁ~★」


「ま、まあ、そうですが……。」


「どうでもいいが、エフェポスの村へそろそろ到着するぞ。」


 飛竜王女――レイナの真っ黒い鱗に覆われた蛇のような長い身体は、空を裂くような猛スピードで空中を飛行しながら、エフェポスの村のど真ん中までやって来ると、ギャワアアと勢いよく急降下する。


「うわああああ、飛竜が襲来してきたァァァ~~~!」


「うおー! 食べられる!」


「食べられる前に食べてやるぞ!」


「ど、どうでもいいけど、逃げろー!」


 エフェポスの村のど真ん中に飛来するレイナの姿は、なんだかんだと衝撃的である。


 その姿を見たエフェポスの村の住人達――大半が獣人族の中でも一、二を争う最弱の獣人である兎獣人というワケで、太刀打ちする手立てを持つモノが極端の少ない故に、レイナの姿を見た途端、恐慌に陥って逃げまどっている。


 でも、その一方で村の用心棒であるライオンのメイヴを筆頭とした猛獣型獣人などが立ち向かおうと、身の毛の弥立つような咆哮を張りあげている!


「私は竜殺しの異名を持っているんだ、ガオオオオッ!」


「え、ホントか、アタランテ? お前は同じライオンでも子ライオンじゃないか?」


「五月蠅い、私は強いんだぞ! 見ていろぉ!」


「ハハハ、虚言癖があるみたいだなぁ。まあいい、私も相手になろう、ガオオオオッ!」


 むう、竜殺しの異名を持っている――と、虚言を言っているように聞こえる小さな子ライオンなども猛獣型獣人達の中に混じっている。


「待て待て、この飛竜は飛竜王女レイナと言って……ともかく、敵ではないと、わらわが断言しておく。」


「あ、ウミコ様だ! ウミコ様が飛竜に乗っておられるぞ!」


「じゃあ、敵じゃないかもね。」


「うむ、そうだな。」


「どうでもいいが、お前達は竜操石をつかって何をするんだ? それに匂いでわかりぞ……飛竜神の像の額に埋め込まれていたま記憶石を取っただろう!」


 ボンッ――と、軽い爆発音とともにレイナは人間の少女の姿に変身する。


 で、ギロリと威圧的な視線を俺達に向ける。


「まあいい、許そう。竜騎士団はすでに滅んで久しい。アレの持ち主はもういないしな。」


「そ、そうかぁ……さて、兎竜の祭壇へ向かうぞ。」


 そうだ、兎竜の祭壇とやらへ行かねば!


 そんな兎竜の祭壇に竜操石を捧げれば、一連の飛竜による襲撃事件も終わるはずだ。


 魔術師ギムルと名乗る禍々しい怪物ショゴスによって操られた竜哭山に巣食う飛竜達の狂気とおう名の呪縛から解いてやらなくちゃな!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ