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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
197/836

外伝EP01 大空の兎 その5

「い、因幡の白兎……。」


「ん、なぁにそれ?」


「いや、なんでもない、なんでも……。」


 俺は思わず口走ったけど、日本神話の登場人物である因幡の白兎を連想する。


「お、誰かと思ったけど、シロウサヒコだろ、お前?」


「良かったっす! 飛竜(ワイバーン)に食べられたってウワサがあったから心配していたっす。」


「シ、シロウサヒコ? 飛竜に食べられた?」


 腰に短剣をぶら下げ、頭にバンダナを巻いた二羽の兎獣人がやって来る。


 むう、飛竜に食べられたというウワサが飛び交っているシロウサヒコとかいう人物と勘違いされているぞ。


「アイツはハニエルとヤスだ。この辺じゃ有名なコソ泥だよ。」


「コソ泥だと! 聞き捨てならぬ言葉だな!」


「そうっす! 兄貴はコソ泥かもしれないっすけど、俺はどこにでもいる可愛い兎獣人だ!」


「こ、この野郎!」


「わああ、兄貴、冗談っすよー!」


「おい、くだらんケンカなんかするなよ。あ、そういえば、キョウ姐さんとゾンビ達は一緒じゃないみたいだな。」


「ああ、なんかすげぇ忙しい依頼があり、急遽、マーテル王国へ出張ったぞ。」


「あ、それはともかく、ウミコ様の屋敷に到着したぞ。」


「ウミコ様とやらは、ここに住んでいるのかぁ……。」


 俺のことをシロウサヒコという人物と勘違いしている二羽の兎獣人は、ハニエルとヤスというらしい。


 と、そんな二羽の兎獣人と出逢って間もなくである。


 ドーンと一際、大きな高床式住居が、俺の目の前にそびえ立つ。


 お、俺が小さな兎だから、そう見えるのか……大フレイヤ、小フレイヤがそう見えるように――。


 さて、ここにウミコ様とやらが住んでいるのか――。


「どうでもいいけど、中が騒がしいわね……ほら、大声が聞こえてくる。」


「おお、ラミア姐さん、それに大フレイヤさん、小フレイヤさん!」


「わ、喋る鼠!」


 ん、確かに騒がしい声が聞こえてくる……む、服を着た小さな白い鼠が飛び出してくる。


 鼠獣人ってヤツだろうか? しかし、何があったのやら――。


「ああ、コイツは私の使い魔のネズキチよ。」


「ラミア姐さんの使い魔のネズキチです! そ、そんなことより、クロウサヒコやアカウサヒコが怪我人を運んできました!」


「むう、その怪我人って飛竜(ワイバーン)にやられたのかな?」


「はい、多分、そうです。背中に奴らにモノと思われる爪痕がありますし……。」


 うーん、さっき“飛竜〟という言葉を頻繁に聞く気がする。


 と、状況がよくはわからんけど、飛竜というモノが、エフェポスの村の周辺に出没し、村人や訪れる旅人に危害を加えているっぽいぞ。


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