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EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その49

「ふえええ、疲れたぁ……三百段は登ったかしら?」


「ああ、間違いない。モグモグ……。」


「しかし、頂上は遠いガウ。モグモグ……。」


「ちょ、アンタ達、階段がいくらビスケットだからって食べながら登るだなんてふざけんじゃないわよー!」


「何言ってんの! あっちゃんもビスケットの階段に生えてた飴だったかグミの草をさっき……。」


 さて、おはぎの山は恐らくは五百メートルはあるだろう。


 で、麓から頂上までを繋ぐビスケットの階段をアフロディーテ、アレス、サキは、道草をしつつ駆けあがる。

 

「はあはあ、疲れたぁ、しばらく休みたいわぁ……。」


「フフフーン、そんな時はジュースを飲むガウ!」


「あ、水筒! それにスキュラが住んでいた緑色の泉に水……メロンソーダー! 私にも飲ませてよ!」


「ダメだガウ! これが私のだガウ!」


「おい、ケンカをするな、お前ら! そんなことより、何か降りてきたぞ……小さなライオン⁉」


 むう、アフロディーテとサキが、サキが持ってきた水筒の中のメロンソーダーをめぐって口論を始める……と、同時にアフロディーテらの行く手を阻むかのように小さなライオンが駆け降りてくる!


「私はアタランテだ! この先に何の用事だ、チビスケ!」


 と、小さなライオンが叫ぶ。


 が、コイツは子ライオンなのでアフロディーテ達をチビスケって言える立場じゃない気がするんだけど……。


「ふむ、あのメイヴってライオンは無理だけど、目の前にいるのは生後三ヶ月かそこらのチビライオンとならタイマン勝負も可能かしら?」


「お、あっちゃん、やる気?」


「ええ、たまには運動しなくちゃね。」


「おい、そこのアヒルとワン公、ゴチャゴチャ言ってないで私と戦え!」


「どうでもいいけど、お前は何者なんだガウ!」


「私はアタランテだ。さっきも名乗ったろう? ――というか、この山は私に縄張りだ。勝手に登ってくるなんてイイ度胸じゃないか!」


「縄張りねぇ……じゃあ、アンタをやっつけないと、頂上にある蜂蜜の木の枝をGETできないワケね。フフフ……美神拳をお見舞いしてやる!」


 生後三ヶ月ほどのライオンとはいえ、甘く見ると痛い目に遭うぞ、アフロディーテ……と、そんな子ライオンはアタランテと名乗る。


 それはともかく、アタランテはこのおはぎの山を縄張りにしている……だと⁉


 なんだかんだと、この先へ進むためには、子ライオンのアタランテが障害物になりそうだな。


「そこをどうしても退ける気がないのなら……美神拳、光羽刃!」


 ん、アフロディーテが先制攻撃を仕掛ける!


 バサァ――と、左右の純白の翼を広げると、その刹那、羽のかたちをした光の刃がアタランテ目掛けてマシンガンの銃口から発射される弾丸のように連続で射出される!


 美神拳とかいう流派の技ってヤツか⁉


「わ、このっ……あんなたくさんの光の刃が仮に当たったら大怪我じゃ済まないだろ!」


「私は最初から最後まで本気よ!」


「ちょ、マジで殺気満々じゃん! こりゃ不味いなぁ……。」


「く、躱すんじゃないわよ、オラァァ!」


「仕方がない月神王流忍術を見せてやる!」


 むう、アフロディーテは最初から最後まで本気らしいけど、確かに本当かもしれない。


 アタランテとかいう子ライオンを殺気満々って感じで攻めているしねぇ……ん、月神流忍術⁉ 


「ぶ、分身ってヤツじゃないのかガウ! あのチビライオンが三頭に増えた……忍者かガウ!」


「忍者って何よ! むう、数で攻めてくるとは生意気ね!」


 ドンッ――と、アタランテの小さな身体が三体に増える!


 忍者が使う分身の術ってところか――。


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