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EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その48

 固有結界ってヤツは、展開しているモノの心象世界でもある。


 故に、猟奇的な物事が大好きな精神が歪んだモノが、仮に固有結界を展開した場合、超がつくような冒涜的な世界となってしまうんだろうなぁ……。


 さて、俺達が閉じ込められている固有結界を展開しているモノは、甘いお菓子が大好きで仕方がないキルケーって女のコだ。


 そんなキルケーの甘いお菓子が大好きで仕方がない心象が、メルヘンチックなお菓子の世界というかたちで色濃く反映された世界を形成している。


 うう、ここに長くいると、精神が甘いお菓子という名の毒に侵食されそうだぜ。


 すでに一緒に、この甘いお菓子尽くしの世界にやって来た仲間の中に毒されたモノも……。


「あ、あっちゃん、食べ過ぎ!」


「この串に刺さった丸いお餅、美味すぎ!」


「だ、団子は確かに……おっと、なんだかんだと到着したぞ。おはぎの山に――。」


「ふええ、あがれるんですか? 足が埋まりそうですねよぅ!」


「うーん……お、おお、見ろよ。階段がある!」


「あ、この階段はビスケットだ。ガリガリ……。」


 目の前にドーンとそびえ立つ超巨大な餡子の塊――おはぎの山に登るのは至難の業だ。


 何せ、餡子が柔らかすぎて足が埋まってしまう……。


 いや、もっと酷い事態に発展しそうだ。


 下手すりゃ身体全体が埋まって身動きが取れなくなってしまいそうだ。


 と、そんな柔らかい餡子の上にビスケットの階段があるので、なんとか登れそうだけど、危険度は変わらなそうだ。


「お、なんとか登れそうですよ、お姉様!」


「あ、ああ、ホントに大丈夫そうだ。」


「ビスケットの階段が設置させている周りの地盤……いえ、餡子は硬いようですね。」


 ビスケットの階段は全部で何段なんだろう……。


 それはともかく、そんなビスケットの階段があるあたりの餡子の地盤は硬いようだし、これなら登れそうだぞ。


「わ、ヒビが入った! 駆け足であがれませんね、これじゃ……。」


「下手をすると階段を破壊してしまいます!」


「う、うん、慎重にあがろうぜ……慎重に……。」


 うわあ、ビスケットの階段にヒビが!


 こりゃ駆けあげれないなぁ、まったく階段の素材くらいもっと強固なモノにしろってんだ!


「みんな私が先行するわ!」


「よし、ならば私も!」


「私も行くガウ!」


 ん、アヒルのアフロディーテと小型犬に変身できるアレス、それに北極熊の子熊であるサキなら、ビスケットの階段を破壊することなく頂上へ駆けあがることができそうだぞ。


「アンタ達は、そこで待っていなさい。私が蜂蜜の木の枝を持ってくるわ!」


「仮に敵対するような〝何か〟がいた私が齧ってやる!」


「よし、その場合は熊拳法を見せる時が来たガウ!」


「お、おう、じゃあ、頼もうかな。」


 ビスケットの階段は、意外にも脆そうだし、ここは体重の軽いアフロディーテとアレス、それにサキのような小動物に任せた方がいいな……よし、頼むとするか!

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