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EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その37

「お姉様、しばらく、ここから離れませんか?」


「あ、ああ、そうだな。巨大化できないし、ここを離れた方が無難だな!」


「あ、キョウ様、あそこに洞穴があります。」


「うん、そうだな。あそこに身を潜めておこう!」


 お、洞穴、発見! とりあえず、そこに身を潜めておくか……。


 間違いなく十メートルはあるデカブツだらけになってしまったことだし、洞穴のような場所に身を潜めておくのが無難だな。


「さてと、ここでアフロディーテ達がスフィンクスをやっつけるのを見物しているかな。」


「ですね、お姉様。」


「ん、どうでもいいのですが、この洞穴に誰かがいた形跡がありますね。」


「融合合体し、巨大化する前のスフィーとクスンって双子の寝床なのかもしれませんね。」


「もしかして別の何かが潜んでいたりして……。」


「ヒ、ヒィッ……化け物の類じゃないですよね!」


「それはわからんぞ……ん、足音だ!」


 むう、俺達が身を潜めた洞穴の中には、何者かが暮らしていた形跡がある。


 例えば、鉄鍋、皿、フォーク……お、食べかけの林檎なども見受けられる。


 さて、足音まで聞こえてきたぞ……むう、先客が奥にいたようだな!


「こんにちは、アナタ達もスフィンクスのせいで、ここで足止め状態というヤツですか?」


「ふう、ビックリしたっす! 化け物が出てきたかと思ったっす!」


「あ、ああ、俺もそう思ったが、まさかこんな場所で同族に出逢うとはな!」


「三羽の兎獣人か……でも、なんでここに⁉」


 洞穴の奥から姿を現したのは、大きなリュックサックを背負った三羽の二足歩行の兎――兎獣人である。


「ひょっとしてオリハルコンの鉱石を探しにやって来たのはいいけど、スフィンクスに見つかり、そして追いかけられ、ここに逃げ込んだってヤツ?」


「ま、まあ、そんなところかな? ああ、ちなみに、私達はポース山からやって来た女帝の使いだよ。で、目的はオリハルコンの入手!」


「へえ、俺達と同じく目的じゃん!」


「ん、お姉様、今、兎ちゃんが女帝って言葉を口にしましたよ。」


「ああ、俺も聞いたぞ……ん、その女帝とはポース山に住んでいる嫉妬深い〝あの女神〟のことか⁉」


「ですよー、よくわかりましたね。お兄さん……あ、下手に嫉妬深いって口にしちゃダメですよ! あの御方はトンでもなく地獄耳ですので――。」


「そ、そうか? でも、流石にここにいれば聞こえないだろう?」


 三羽の兎獣人は、ポース山の女帝の使いだって⁉


 そんなポース山の女帝の使いが、オリハルコンの鉱石を求めて、ここへやって来たってヤツだな。


 ん、その前にオリン山の天空姫ゼウリスと仲が悪い女神という話を聞いたような……。


「あ、名乗っていませんでしたね。私はクロートー、後ろにいるのはラケシスとアトロポスです。」


「ん、女帝に仕える巫女のモイライかな?」


「ビンゴ! てか、そういうアナタは……。」


「おっと、そんなことより、この洞穴の奥で冬眠状態だったモノをアトロポスが目覚めさせちゃいました、テヘ~☆」


「まあ、そんなワケで洞穴の奥から逃げ出してきたってワケ!」


「ちょ、何やってんの! わああ、嫌な予感がしてきたぞ!」


 ふむ、ウェスタ曰く、三羽の兎獣人は女帝に仕えるモイライという巫女のようだ。


 それはともかく、俺達が巨大怪獣達の戦いから身を守る潜めるために駆け込んだ洞穴の奥で何かが冬眠していたようだけど、ソイツをアトロポスという名の三羽の兎獣人の一羽が誤って目覚めさせてしまったようだ。

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