EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その35
「多分、アンタ達にゃわからないと思う。」
「ですね、お姉! 何せ、このあたし達に関係する謎かけですし!」
「む、むう、どうでもいいけどさぁ。さっさと謎かけをしてくれよ。俺達はここら辺で探し物をしなくちゃいけないんだよ……。」
まったく、何が目的なんだよ。
いきなり現れて楽しい楽しい謎々だよ~……とか、ふざけんなー!
だけど、俺達はスフィーとクスンの縄張りに張り込んだワケだし、何かされても仕方がない気もするんだよなぁ。
「さて、もしも解いたら、オリハルコンの鉱石とアダマスの鉱石、ついでに宝石の原石もたくさんプレゼントしなちゃうよぉ~!」
「んじゃ、このクスンちゃんが謎かけを――あたし達の年齢当てみてよ!」
「な、なんだと! そんなわかるワケが……。」
うえええ、そんなのわかるワケがないじゃん!
見た目こそ若いけど、実年齢はわからん謎めいた存在だしなぁ……。
うく、まったくメチャクチャだな!
「フフフ、じゃあ、ヒントを――その一、十七歳、その二、十七歳、その三、十七歳! さあ、どれでしょう?」
「うわあ、なんてメチャクチャなーっ!」
「ど、どれも間違っている気がしますね……。」
「その前に三つのヒントの全部が十七歳じゃないですか!」
ぐぬぬぬ、なんてメチャクチャのヒントを……こ、これじゃ、ヒントもクソもないじゃないか!
ふざけんな、正解させる気がない証拠って感じのヒントを出しやがって……。
「なあ、お前達ならわかるよな?」
「わ、わかるワケがないじゃん!」
「そ、そうだよなぁ……。」
むう、ハルピュイアイのケライノは即答する……むう、こればかりはわからないよなぁ。
「私達は永遠の十七歳!」
「うわ、今度を滅茶苦茶なことを言い出した!」
「うーん、キョウ様、なんとなくですが、さっきのヒントでわかったかもしれません。スフィーとクスン……スフィンクスの年齢が!」
「メリッサ、それはマジか!」
「あくまで予想ですけどね。正解しているかはわかりませんよ?」
「それでもかまわない! ぶちまけちゃってくれ、正解を!」
「あ、はい、わかりました、それでは――。」
えええ、さっきの滅茶苦茶なヒントから、正解を導き出したっていうのかよ、メリッサは⁉
当たり外れはともかく、正解を――スフィンクスの年齢をメリッサは口にする!
「七百七十七歳!」
「「――ッ‼」」
「あ、今、喉の奥で悲鳴をあげたな! まさか正解だったのか?」
「私も聞きましたよ、絶対そうですよ!」
七百七十七歳! と、メリッサが口にした直後、ヒィッ――と、スフィーとクスンが喉の奥で悲鳴をあげる。
ハハハ、こりゃ正解かもって感じの反応だな!
「チッ……バレてしまったか!」
「お、お姉、絶対にわからない問題じゃなかったんですか!」
「そ、それをあたしに言われても……。」
「よっしゃ、俺達の勝利だな! 約束は守ってもらうぜ!」
「うううう、まだですよ! 勝負はこれからです!」
「そうそう、勝負はこれから――力ずくで解決っていう勝負は残っているよぉ!」
「ふ、ふえええ、まさか……まぶしいっ!」
おいおい、謎を解いたんだし、もういいじゃん……と、そう易々と物事は進まないようだ。
第二ラウンドに突入――と、言い放ったスフィー、それにクスンの身体が突然、光り出す!
「わあ、巨大な人面ライオンっす!」
ん、俺の足許でヤスが、そう言い放つ――う、まぶしい光が何事もなく消え失せると同時に、スフィーとクスンの姿も消失する。
が、その代わりとばかりに、ドーンと俺達の目の前に巨大な異形のモノが立ちふさがっている。
頭が人間で胴体がライオンという〝俺が知る〟スフィンクスだ! そんなスフィンクスが目の前に立ちはだかっているじゃないか――ッ!




