EP3 俺、魔法の薬を作成します。その3
兄貴とヤスがアジトについて説明していなかった気がするので、今から説明しようと思う。
そんなアジトの場所は、兎天原にある村のひとつであるエフェポスの村から東に徒歩で向かうこと数分の場所に広がるディアナスの樹海という人跡未踏の地が数多く残る森の入り口のところにある廃教会を再利用したモノである。
ここら辺は、かつてラーティアナ教という一神教の信徒達が修行の地と定めていた場所らしい。
とはいえ、今じゃ物好きなモノ以外は、滅多にやって来ない寂れた場所となっている。
しかし、何故、こんな場所をアジトにしているのやら……。
そういえば、墓泥棒で生計を立てていたりするからだろうか?
ま、それはともかく。
「よお、遊びに来たぞ。」
「私もいるぞー。」
アジトへやって来たのは、フレイヤだけではないフレイも一緒だ。
ん、初見の時は熊のぬいぐるみを抱いていたけど、今度は白い鼬のぬいぐるみを抱いている。
「お、なんだ、その粉薬は?」
遊びに来た?
別の理由もありそうな気もするが……。
と、そんなフレイヤはアジトの中の入って来た途端、茶の間のテーブルの上に置いてあるインビジブルパウダーに目をつける。
「なあ、これってウワサの痩せ薬ってヤツか?」
「あ、これは!」
「実はさぁ、この間、トロヘの町にある食べ放題の店へ出張った時、ついつい食欲に負けてケーキを三十個も食べちまってさぁ……。」
「「「フレイヤ、食べ過ぎ!」」」
痩せ薬だって!?
おいおい、それはともかく、ケーキを三十個も食べるだなんて食べ過ぎだろう!
「まあ、そんなワケで痩せ薬がないかなぁ~……と、思っていたところなんだ。」
「フレイヤ、おっぱいだけじゃなくて腹も無駄に大きくなるわよ。」
「お、お前が言うな! お前だってケーキを三十個くらい食ってたクセに!」
「私は太らない体質だからOKなのよ。」
「く、食いしん坊だなぁ、ふたりとも……。」
フレイもなんだかんだとフレイヤと同様、食いしん坊のようだ。
しかし、俺はケーキ三十個なんて食べられないぞ。
それにカロリー取りすぎじゃん!
異世界へやって来てまで糖尿病等の成人病にはなりたくないし、食べ物に関しては気をつけなくちゃな!




