表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/836

EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その25

 兎天原を支配しているマーテル王国に属す会員数千人を越える大所帯の立魔術師団。


 ファリス・ノーティルスという魔術師が、前述した王立魔術師団より独立し、気づきあげたノーティルス友愛魔術団。


 そして最小であり、そして最弱の魔術師協会と他の魔術師協会に馬鹿にされているポセイディア魔術団という三つに魔術師協会が、ケモニア大陸のど真ん中にある兎天原には存在するって聞く。


 さて、俺達の存在の気づいて近寄って来たモノは、三つの魔術師協会のどこに所属する連中なのやら――。


「クククク……ここへ何をしにやって来たんだ? ハルピュイアイと一緒だが、まさか奴らの仲間なのか?」


「ふえええ、違うよ! 一緒にしないでくれよ!」


「お姉さん、酷い! あたしらを汚物じゃないよ!」


「だ、誰も汚物だなんて……と、とりあえず、俺達はグライアイのところへ行く予定なんだ。」


「グライアイ? ああ、聞いたことがあるぞ。三人一組で常にお菓子を奪い合っているという意地汚い魔女だったな、ソイツらは――。」


 俺達のもとにやって来たのは、背の高い二十代半ばくらいの男だ。


 見た目は眉目秀麗なイケメン君だけど、口許には他人を小馬鹿にしたような嫌味な笑みが浮かんでいるので、俺は思わず苛立ってしまう。


 ん、上着の右胸のところに三日月を模したバッジをつけている。


 所属する魔術師協会の紋章って感じだな。


「ああ、名乗るのを忘れていた。俺はアルフィス。ノーティルス友愛魔術団から派遣された希少鉱石調査団のひとりだ。」


「は、はあ……お、名刺?」


 男はアルフィスと名前のようだ。

へえ、ノーティルス友愛魔術団の一員ねぇ……ん、スッと懐から取り出した名刺を俺に手渡してきたぞ。


「ん、ひょっとして、あそこにいるのはアンタの仲間? で、ここへ何をしに?」


「ん、そりゃもちろん、希少金属のオリハルコンの鉱石を求めて――と、そんなことより、グライアイに逢いに行くんだろう? 俺もつき合わせてくれよ。」


「え、アンタもついて来るってこと?」


「ああ、その通りだ。グライアイは物知りだって聞くし、なんだかんだと知りたいことがあってね。」


「よし、いいわよ!」


「ちょ、あっちゃん、勝手に決めんなよ!」


「フフフ、イイ男じゃない、彼? それにイイ男に悪い奴はいないわ!」


「…………。」


 アフロディーテが、そんなことを……。


 ああ、こりゃイイ男に誘われたらホイホイついて行くタイプだな。


 騙されやすいってヤツだ。


「一緒について来るのはかまわないけど、お仲間はどうするんだよ?」


「ああ、その心配はない。俺の仲間は独自にオリハルコンの鉱石を探すさ。ちなみにだけど、オリハルコンの鉱石は陽光を浴びると赤く光るって聞く……見つけやすいと思わないか?」


「え、そうなの?」


「うん、彼の言う通りだよ。オリハルコンの鉱石は太陽の光を浴びて赤い光を放つんだ。ま、運良く地面から露出しているモノがあればの話だけど――。」


 ふーん、赤い光を放つねぇ……そりゃ見つけやすいかも!


 でも、そうそう、見つからなそうだ。


 何せ、特に希少価値の高い金属らしいし――。


「あ、そうだ。グライアイが住んでいる洞穴はもう少しだよ。ほら、甘い匂いが漂ってきているだろう?」


「あ、確かに……。」


 ん、甘い匂いが漂っているぞ!?


 ハルピュイアイのケライノー曰く、グライアイが住む洞穴に近づいた証拠らしいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ