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EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その24

「ふ、ふう、重かったなぁ……あ、私はケライノーと言います。」


「よし、解放したんだ。オリハルコンの鉱石などを探す手伝いをしてもらうぜ!」


「あ、ついでのプロメテウスの草の在り処も――。」


「え、プロメテウスの草? なんです、それは――。」


「そ、その物言いから考えて何も知らないって感じ?」


 むう、知らないだと……うーん、本当に何も知らないって感じも怪訝な表情をハルピュイアイのケライノーはつくりながら。首をかしげているし、こりゃマジかも……。


「あ、そうだ。オリハルコンやアダマスの鉱石を探しながら、グライアイのところへ行ってみませんか?」


「グライアイ?」


「オリン山に住んでいる魔女のことだね。確か物知りで有名だったような……。」


 ふむ、オリハルコンやアダマスの鉱石を探しながら、物知りだというグライアイのところへ行ってみようってか……うーん、それがイイかもなぁ。


 仮にオリン山にプロメテウスの草が生えているなら、その場所がどこか知っているかもしれないし――。


「あ、そんなグライアイならオリン山の中腹にある洞穴に住んでいるっす!」


「ふむ、じゃあ、ケライノー君、そこへ案内したまえ!」


「イエッサー! じゃあ、ついて来るっす!」


「む、むう……。」


 なんだか妙に素直だな。


 裏がありそうな気がしてきたぞ。


 まあ、とにかく、ケライノーの後について行ってみよう。


「そういえば、アンタ達以外にも、この山に入山した連中が今日は多いなぁ……。」


「へえ、そうなんだ。んで、どんな連中なの?」


「確か魔術師協会の連中だよ、お姉さん。アイツらはけっこうな頻度でここへ来るからね。何気に馴染みの連中だったりするんだよ。」


「馴染みの連中ねぇ……宿敵(ライバル)って感じの意味でかな?」


「わ、読まれた! そうだよ、アイツらは私達の巣を荒したからね――だから倒すべき相手だったりする!」


 そういえば、ハルピュイアイ達がオリン山に入山してくる人間を襲う理由のひとつが、山の開拓を名目に自分達に巣をぶっ壊す人間達へと復讐だったな。


 ふむ、なるほどね。


 件の山の開拓を名目にハルピュイアイの巣をぶっ壊している人間達っていうのは、魔術師協会の連中っぽいな。


「お、噂をすれば影ってヤツじゃないか、姐さん!」


「えっ……。」


「ほらほら、あそこにある白い巨石を(のみ)と金槌で削ってる連中がいるけど、アレじゃ魔術師協会の連中だよ。」


「へ、へえ、そうなんだ。確かに噂をすれば影ってヤツだね。」


 ふええ、ウワサをすれば影って(ことわざ)の通りの展開かも……。


 オリン山に入山してから、数分、山道を進んだところにある白い巨石を鑿と金槌で削っている連中がいるんだが、ソイツらはウワサの魔術師協会連中じゃないのかって大フレイヤが言い出したことだし――。


「しかし連中は何をしているんだ?」


「あの巨石は白魔石よ。ポピュラーな魔法薬をつくる際に使うから、きっとその採取をやっているんだと思う。」


「へえ、この山にはそんなモノあるんだぁ!」


「お姉様、連中のひとりがこっちに来ますわ!」


 ムムム、白い巨石――白魔石を削っていた魔術師協会の連中のひとりが、俺達の存在の気づき近づいてきたぞ。



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