表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/836

EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その16

 登場人物紹介


 ・メルクリウス――宝石屋を営む小妖精。

「やれやれ、面倒くさい奴らがやって来たなぁ……ゴソゴソ。」


「え、男装?」


「フフフン、似あうだろう?」


「あ、ああ、確かに……。」


「僕は普段は男装をしているんだ。女物の服を着て行動していると不味いことになるからね。店の外にやって来た〝アイツら〟のような輩のせいで――。」


「む、むう……。」


 そさくさとカウンターの裏に隠してあって男性用の服を着るメルクリウス……ふーん、普段は男装をしているようだ。


 店の外に出る場合は、その方が無難かもしれないな。


 オリン山大神殿は女性が住みにくい環境が整ってしまっているしね……。


「き、来た!」


「ひゃあ、攻撃的なイメージが湧いてくるドアの叩き方です!」


「あんな激しい叩き方をする輩だしなぁ……。」


 ドアを激しくノックする音が響きわたる。


「なんだよ、いるんじゃないか! なんでドアを開けないんだ!」


「どうでもいいけど、ここに女が入り込んだって聞いたぜ。ホントのことだったら追い出さなくちゃ天罰が下るぞ!」


 そんなメチャクチャなことを言う数人の白を基調とした軍服のような衣装に身を包む武装した男が、俺達がいるメルクリウスの宝石工房内に駆け込んでくる――コ、コイツらがゼウリス親衛隊なのか!?


「ん、そこの男……妙に胸の何を隠しているんだァァァ~~~!」


「あ、ああ、これは……。」


「むうう、まさかとは思うが……。」


 ん、ゼウリス親衛隊のひとりが、クイッと眼鏡を右手の中指を押しあげながら、ギロリと大フレイヤをにらみつける。


 ひょっとして男装しているのがバレたのか!? 


 あ、でも、大フレイヤの場合ありえそうな展開だ。


 あの無駄にでかい胸は男装をしても完全に隠しきれるモノじゃないしなぁ……。


「あの男は胸に菓子を隠しているんだ。きっとメロンパンやアンパンでしょうね!」


「むうう、ありえるな。甘いモノを週に一度しか食べられない俺達を馬鹿にしているのかァァァ~~~!」


「ふ、ふえええ、どうしてそうなるんだぁ!」


 ふう、男装していることはバレなかったようだけど、何故、そんな展開にって感じになってきたな。


 しかし、週に一度しか甘いモノを食べられない……断食等の禁欲的な生活でもしているのか、コイツら!?


「さて、どうやら女はいないようだな。」


「ああ、女みたいな顔をした優男はいるがな。」


「じゃ、戻るとしよう。今日は神歌祭が行われる日だからな。準備等で忙しいことだし――。」


 ホッ……なんとか騙すことができたな。


 大フレイヤの胸のことでちと疑われたけど、俺達にほとんどが男装女子だってことがバレずに済んだようだ。


 ああ、急遽メイヴにはTシャツと半ズボンという格好をさせたので、ゼウリス親衛隊の連中には男のコにしか見えたんだろう。


 ん、今日は神歌祭!? 


 何かしらのイベントがある日なのか?


 故に忙しいというワケで、あっさりと引いたのかな、アイツらは――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ