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EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その8

 小フレイヤことフレイヤ・ホワイトは、俺が本来いるべき世界出身者という同じ穴のムジナである。


 で、某国から光桜学園に留学生としてやって来たようだ。


 しかし、聖地アンザスにある次元の塔ってモノが定期的に引き起こす〝次元の悪戯〟に遭い光桜学園ごと、こっちの世界に転移してしまった不幸な学生のひとりでもある。


 と、偶然だろうか?


 大フレイヤの名字もホワイトなんだよなぁ……。


 胸以外の容姿が微妙に似ているし、語らないだけで大フレイヤももしかして俺や小フレイヤと同じ穴のムジナかもしれない。


 ああ、アヒルのアフロディーテがたまたま聖地アンザスにいたおかげで、彼女らは無事にいられたらしい。


 あそこには夜魔屍鬼や何かしらの実験を行っているリッチのヴァルムント・ナイアザーが潜んでいるしね。


「アヒルって美味いそうだガウ。」


「ちょ、私は食べ物じゃないわ! 失礼しちゃうわね、この熊公!」


 そういえば、サキという北極熊(ポーラーベア)の同じ穴のムジナがいたことを思い出す。


 でも、コイツは記憶喪失っぽいしなぁ……。


「あ、ウェヌス!」


「わあ、ウルカヌス!」


「ん、知り合いなの? ウェヌスってアフロディーテのこと?」


「ま、まあね。私の別名みたいな……。」


「あ、僕とウェヌスは……んんんっ!」


「はいはい、それ以上は言わない!」


「むう、それはともかく、アヒルちゃんもオリハルコンの原石が欲しいワケ?」


「もちろん! 今、ちょっとした香水をつくろうと思ってね。その資金を得る絶好の機会がキターって思ってね。」


 ロムキア奇岩群で鍛冶屋を運営しているアライグマの獣人ことウルカヌスとアヒルのアフロデューテは、一体、どんな関係なんだろうねぇ……ひょっとして夫婦とか!?


「おいおい、どんな香水をつくろうとしているんだよ? んで、どんだけ金がかかる代物なんだよ!」


「秘密よ! とにかく、お金がかかる公共事業ってところかしら?」


「公共事業ねぇ……。」


「あ、そうだ。オリン山大神殿へ行くなら、一旦、僕の鍛冶工房を来てくれ! 君達に渡すモノがあるんだ。」


 ――ったく、何が公共事業だよ!


 しかし、アフロディーテはどんだけ金のかかる香水をつくろうとしているんだか……。


 さて、オリン山大神殿へ行く場合、何かしらの必要となるモノがあるんだろう?


 ウルカヌスはそれを渡すから自分の鍛冶工房へ来い――と、俺達を誘うのだった。


「僕の工房は、この喫茶店の隣です。」


「へえ、そりゃ近場だね。」


「じゃあ、早速!」


 へえ、今いる喫茶店の隣が鍛冶工房なワケね。


 さてさて、何をウルカヌスは、俺達に何を渡すつもりなんだろう。


 ま、行ってみてばわかるかなー。

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