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EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その7

 今、俺達がいる周辺の名称は、ロムキア奇岩群というらしい。


 で、ロムキア奇岩群のあっちこっちに見受けられる奇妙なかたちをした岩――(たけのこ)や煙突のようなかたちをした奇岩のあっちこっちには、大小に問わず無数の穴は見受けられる。


 ここら辺に住むモノ達が、筍や煙突のような奇岩を掘っただけの簡素な住居である岩窟住居をつくり、そこに暮らしているからである。


 ああ、当然、商売をしているモノがいたり行政区画もあるので、ロムキア奇岩群は一種の地方公共団体である――要するに村みたいなモノだ。


 ちなみに、ロムキア奇岩群の名物は温泉である。


 そんなワケで温泉を目当てに、ここへやって来るモノも多いって聞く。


 と、それはともかく、鍛冶屋のウルカヌスは、俺達にどんな依頼があるんだろうねぇ。


「オリハルコンの鉱石の採掘をお願いしたいのです。大きさの理想を言えば、そこのお姉さんの手と同じくらいのモノを――。」


「え、俺の手と同じくらいの大きさのオリハルコンの原石を?」


「はい、採掘して持って帰れたら、ちゃんとお金を払います。」


「おい、待てよ、狸! キョウ姐さんの手は小さ目だけど、仮に同じくらいの同じ大きさだと、レア度が高い大きさになるぞ! それでもいいのか?」


「ボ、僕は狸じゃなくてアライグマなんですどぉ……はい、できれば!」


「アライグマって狸に似てる気がするけど……そ、それはともかく、俺の手と同サイズのオリハルコンの鉱石って、そんなにレア度が高いモノなの?」


「ああ、俺が知っている限りだと、見つけるモノの大半が大人の人間の親指の爪ほどの大きさのモノばかりだからな。鉱物の鑑定人でもある俺が言うんだ、間違いない!」


 と、鉱物の鑑定人でもあると自称する大フレイヤが……ふええ、大きさ的に特にレア度が高そうなモノの採掘を依頼されちまったなぁ。


「勝負するには丁度イイかもな!」


「なあ、忘れちゃいないかぁ? 俺達は勝負をするためにオリン山へ行くワケじゃないんだぞ……。」


 まったく、当初の目的をわすれちゃいないか、ソロンの野郎!


「なあ、俺の手の同じくらいのオリハルコンの原石が仮に見つかった場合、どれくらいに値段で取引することができるんだ?」


「そうだな、軽く一千万MGは超えるよ……。」


「な、なんですって!」


「おやぁ、あっちゃんいつの間に!?」


「キャアア、どこに潜んでいたんです、先生!」


「細かいことはいいのよ! それよりオリハルコンの鉱石を私も欲しくなったわ!」


 バアアアンッ――と、小フレイヤが着ている光桜学園の制服のスカートの中から、アヒルのアフロディーテが飛び出してくる!


 おいおい、なんでそんな場所に身を潜めませていたんだ、このアヒルちゃんは……。

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