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EP12 俺、ライバル宣言されて困ります。その3

 登場人物紹介


 ・ディルム――リリス姫の駆け落ち相手。女帝という女神の呪いで黒猫の姿に。

 女帝と呼ばれる女神が住まうポース山とは、天空姫という女神が住まうと言われるオリン山と並び称される兎天原にある二大高山のひとつである。


 さて、そんなポース山に足を踏み入れたディルムが、何故、猫獣人になってしまったのか――と、その理由はウェスタ曰く、女帝の呪いのようだ。


「私にも詳しいことはわからない。タダ、あの山の女神は男が嫌いだってことだけは有名よ。ポース山の周辺にある集落まで、その影響で男性の立ち入りを禁じているはずだしね。」


「そ、そうなのか……。」


 お、男嫌いの女神!?


 それがポース山の女帝なのか?


 むう、故にポース山に足を踏み入れたディルムは呪い――神罰を受けて猫獣人になってしまったということなのかな!?


「あ、ああ、ディルム……アナタを元に戻す方法はないのかしら!」


「ウェスタ、アンタなら何か知っているんだろう?」


「いや、知らない。」


「ふええ、即答かよ……。」


「無駄に長生きしているクセに、何も知らないのかよ、ババア! ぐ、ぐぼべらっ!」


「知らんものは知らん。」


「ハハハ、吸血鬼の私も無駄に長生きをしているが、ポース山の女帝の呪いを解く方法を知らないぞ!」


「グリーネ、アンタもかよ……。」


 し、知らないだって!? 


 ウェスタは首を横に振る……ア、アンタが知らないんじゃどうしようもないな。


 ついでに、七百年以上、生きている古の賢者という面も持ち合わせる吸血鬼のグリーネであっても呪いを解く知らんとはなぁ……。


「話は聞いた。オリン山へ行けばなんとかなるかもしれないぞ!」


 ん、そんな声が聞こえてくる――と、同時にバタンと勢いよく俺達がいる老師ウサエルの家の出入り口の扉が開くのだった。


「ん、ソロンか!」


「ソロン?」


「ディルム、誰ですの、この方は?」


「ああ、彼はソロン、リリスとはぐれた後、ポース山で猫の姿になってしまい兎天原のあっちこっちを彷徨っていた時に出逢ったんだ。で、一時的に一緒に旅をしたことがあるんだ。」


「なるほど、道理で私が知らないはずですわ。」


「ん、その前に、この男じゃないのか? 自分の宿敵となる死霊使いを探しに来たっつう野郎は?」


「フレイさんが言っていた喪服のような黒い服を着ているますしね、お姉様。」


 俺達の話を盗み聞きしていたな!


 まあ、それはともかく、老師ウサエルの家にやって来たディルムに続く闖入者の名はソロンというそうだ。


 で、自分の宿敵となる死霊使いを探しにやって来た輩というのは、恐らくこの男だ。


 フレイが言っていた通りの喪服のような黒い服を着ているし、眉目秀麗の長身のイケメン君だしね。


「姐さん、アンタは死霊使いだろう? そっちのチビも――。」


「ふ、ふええ、チビって言われた!」


「お、おう、よくわかったな!」


「フン、当然だ。俺を誰だと思っている――と、それは後回しだ。ディルムが人間の姿に戻る方法に心当たりがあるぞ。」


「オリン山へ行けばいいって、さっき言っていたな。」


 同じ穴のムジナ特有に匂いってヤツがあるのかな?


 さて、オリン山へ行けばなんとなる――と、ソロンの男が言っていたけど、その詳細を聞いてみなくちゃな。

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