表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/836

EP12 俺 ライバル宣言されて困ります。その2

「あ、そうだ。さっき話した死霊使い以外にもグラーニアさんを探している方が……。」


「え、私を!? はう、まさか……そ、その人はどんな姿をしていましたか!」


「ええと、背中に大剣を背負った猫獣人だったわ。ディルムって名乗っていたわ。」


「え、ディルム!? でも、猫……あの人と同じ名前の猫ちゃんが、私を探しにやって来るなんて不思議な話ですわね。」


 ディルムというと、確かグラーニアことマーテル王国の家出姫リリスと一緒に駆け落ちをしたネメシス騎士団とやらの元騎士団長だったような?


「ディルム元騎士団長懐かしいですね。」


「元気ならいいのですが……。」


「てか、あの人のせいでネメシス騎士団は……。」


「ん、俺を呼んだか? ああ、お邪魔します。」


「その大剣に見覚えが……猫ちゃん、まさか!?」


 ウワサすれば影ってヤツだろうか!?


 大剣を背負った二足歩行の黒猫――猫獣人が老師ウサエルの家の中にあがり込んでくる。


「俺だよ、リリス……ディルムだ。」


「あ、ああ、やっぱり、ディルムなのねっ!」


「「「な、なんだってー!」」」


「なあ、どうでもいいけど、グラーニア……リリスはそっちだ。俺は容姿がそっくりの別人だよ。」


「え、そうなの?」


「もう、ディルムったらぁ~☆」


 むう、大剣を背負った黒猫は、件のネメシス騎士団の元騎士団長のディルムだって!? 


 と、双子の姉妹のように瓜ふたつの容姿というワケで、俺とグラーニアを間違えるのだった。


「お久し振りです、ディルム殿。」


「ん、全身甲冑を身につけているせいで顔は見えないがアシュトン君かな?」


「はい、アシュトンですよ。ああ、そうだ、アナタにもこれを差しあげます。」


「ん、玉葱のサラダか? 美味そうだな! じゃあ、お言葉に甘えて……。」


「わあ、ダメだー! 猫には毒なんだよ、玉葱は!」


「うお、危なかったぁ!」


「チッ……本当に食べると思ったのになぁ。」


「ア、アシュトン君、俺を恨んでいるだろう!」


「そりゃもちろん! アンタのせいでネメシス騎士団は落ちぶれてしまったし、オマケにアグリッピナ・マウソロスという外道の支配下に置かれてしまったし……。」


 食べ物による復讐方法ってヤツだな。


 獣の上位種に当たる獣人とはいえ、玉葱は〝猫〟にとっては毒となる食べ物のひとつだろうしね。


 しかし、再会して早々、復讐を思いつくとは抜け目ないな、アシュトン君!


「ところでディルム……何故、猫獣人の姿になったワケ!?」


「う、うむ、リリス、君を探しているうちにポース山に足を踏み入れてしまってね……。」


「ポース山? 女帝と呼ばれる女神が住んでいる山でしたっけ?」


「あ、ああ、運悪くな……。」


「で、何故、そのポース山に足を踏み入れたら猫獣人になってしまったんだよ?」


「ふむ、きっと呪いだよ、件の女帝の――。」


「女帝の呪い!?」


 ディルムは女帝と呼ばれる女神が住むポース山に足を踏み入れたことで猫獣人の姿になってしまったと説明する。


 だけど、それだけで猫獣人になってしまった理由にはならないと思うんだよなぁ……え、女帝の呪いだって!?


 と、ウェスタが説明する……ど、どういうことだよ、一体!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ