EP11 俺、死神と出遭う。その10
「うお、これはクロスボウの矢!?」
「ど、どこから……キャアッ! また矢が!」
「むう、ハニエルとヤスが捕まったぞ! なんだ、アイツら!」
俺の足許の突き刺さっているモノ――それはクロスボウの矢だ!
むう、気づけば、クロスボウを持った眼鏡の少女を筆頭とした数人の少年少女が、俺達を取り囲んでいる!
オマケに兄貴とヤスが、謎の少年少女に捕まってしまっている!
「た、助けてくれェェェ~~~!」
「ななな、何者なんすか、アンタ達は!」
「ん、コイツらは学生じゃないのか!? あ、可愛い制服だなぁ!」
「お、デュオニス君の好みなのかな~☆」
「うっせぇ! タダそう思っただけさ!」
「ま、そういうことにしておきましょうかねぇ……っと、それはともかく、アナタ達は何者! 返答によってはタダじゃ済まないわよ!」
俺達を取り囲んでいる連中は学生だろうか!?
クロスボウを持っている眼鏡の少女は、赤いブレザーとチェック柄のスカートという格好をしている。
一方で一緒にいる男子達は、赤いブレザーとチェック柄のスラックスという格好だ。
ちなみに、デュオニスも近い格好をしている――ああ、そういや、どこかの学校に通ってなかっけ?
それはともかく。
「お姉さん達、大人しく私達について来てもらえるかな?」
「な、何ィ!」
「まあ、悪いようにしないつもりさ。」
「ああ、抵抗したら、この二羽の兎ちゃんがどうなっても知らないぞ!」
「ヒイイイッー!」
「うう、スタンガン! そんなモノまで、ここには……。」
むう、クロスボウをたずさえた眼鏡の少女もそうだけど、スタンガンを持った物騒な奴もいるな……ちょ、アレもここに召喚されたモノなの!?
とにかく、スタンガンを持った少年は捕らえてある兄貴のを盾に、俺達を脅してくる。
く、ここは素直に従うしかないのか……。
「むう、わかった。お前達に従おう。だから、その兎ちゃんを――兄貴とヤスを解放してやってくれ!」
「うん、それでいいわ。じゃあ、私達と一緒について来て――少し調べさせてもらいたいことがあるからね。」
「し、調べたいこと!? う、イタタタッ……右腕を引っ張んなっ!」
まったく、強引だな。
俺は何もしないよ、兄貴とヤスを人質にされているようなもんだしな。
「おっと、自動人形達は周りにいないようだよ。さっさと、そのお姉さん達を学校へ連れて行こう!」
「あ、あれ、悪魔と天使って感じも妖精さんを連れていたコがいなくなっているぞ!」
あ、ホントだ!
カロン、デュスノミアー、エウノミアーがいなくなっている。
逃げ出したのが、それとも底なし穴ことナラカに中――壁面に見受けられる洞窟の中に空を飛んで移動したのか!?
「さ、行きますよ。あ、ちなみに私達の本拠地――〝学校〟は、すぐ近くにあります。到着したら即、夜魔屍食鬼か確認させてもらいます。」




