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EP11 俺、死神と出遭う。その2

「ヒイイイ――ッ!」


「おおお、なんで悲鳴をあげるんだよ! あ、わかった、そんなにボクに逢いたかったのかな、ウフフフ……。」


「違いますわ! ととと、とにかく、ふざけるなーっ!」


「ぶ、ぶべらっ! ふえええ、殴ることはないじゃないかァァァ~~~!」


「ま、まあ、落ち着けよ、グラーニア! それはともかく、死神の鎌のメンバーがここにいるってことは、お前らはヴァルムント・ナイアザーをあの世送りにする気なのか!?」


「ビンゴ! 流石はリリス姫そっくりなだけあって利口な女性だ!」


「何故だろう? お前に言われると思わずイラッするぜ……オラァ!」


「ふえええ、君までボクを殴るなんて……。」


 ふ、ふむ、ストーキングフィンことフィンネアの兄フィンソスが属す死神(デス)(サイズ)という組織の目的は、フィンクス達、吸血鬼ハンターと同じっぽいな。


「ところでフィンクス叔父さん達、吸血鬼ハンターはヴァルムント・ナイアザーの居場所を突き止められたのかい?」


「残念ながら、それには至っていないのが悔しいところさ。」


「へえ、そうなんだ? クフフ……だよねぇ、〝アレ〟はエフェポスの村に住む連中の誰にも気づかれることなく五百年の年月を潜み続けているしね。」


「ああ、たまたま読んだ古文書をヒントに嗅ぎつけたのはいいけど、奴の痕跡そのものがなくてね。」


「ハハハ、その点ではボクらの勝ちだな! 何せ、奴が潜んでいそうな場所をふたつほど発見したからね!」


「え、ふたつも? それはどこなんだ?」


「ええとねぇ、この辺でもっとも古い遺跡、それと聖地アンザスかな……あ、しまった! 思わず口にしてしまった!」


 く、口が軽い奴だなぁ、フィンソスは――。


 せっかく、他の組織には内緒というかたちで得たであろう情報をこうも簡単に口にしてしまうなんて……。


「もっとも古い遺跡? ああ、さっきのコが向かった聖ヴァルレーゼって人物が殉教したという円形劇場って感じの遺跡のことかな?」


「ああ、一方の聖地アンザスは、この村の西にあるマーテル王国の立ち入り禁止条例のおかげで長いこと禁足の地になっている〝不思議なモノ〟が定期的に〝増える〟奇妙な現象が起きる場所だって聞きます。」


 聖ヴァルレーゼって人物が殉教したという円形劇場のような遺跡はともかく、聖地アンザスって場所へ行ってみたい気がするぜ。


 定期的に〝不思議なモノ〟が〝増える〟という奇妙な現象が起きると聞いて、俺の胸中で探究心という名の炎が燃えあがったことだしな!

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