もふもふ少女のご招待
翌日……眠い。
昨日の事を理解する為に、そして狸耳の彼女に悶えて昨日は殆ど寝れなかった。
休み時間までウトウトしていると隣の席の親友、伸二が話かけて来た。
「和樹……どうした」
「野代さんが思ってたのと違うかった……」
伸二は俺が野代さんに恋している事を知っている。
「違うって?」
「……それは言えない」
伸二は溜息をつく
「で、お前は嫌いになったのか?」
「いや、ならない」
寧ろ可愛いかった。もう一回言うが昨日は悶えた。
「……恋愛バカめ」
「何とでも言え」
伸二はまた溜息をついて
「何にせよもうすぐ春休み、それが終われば三年生だぞ」
まあ、そうだが
「それが何だよ」
「三年生になれば進路がある、そろそろ決着つけたらどうだ……って事」
今度は俺が溜息をつく
「お前は大人だな……」
モテモテのクール野郎め……
*
「先輩、先輩!」
誰かに揺らされて目を覚ます。
いつの間にか寝ていたのか……五時間目から記憶が無い。
時計を見ると放課後、隣を見ると伸二の鞄は無い。あいつ帰りやがったな……
「……ん?」
じゃあ俺を起こしたのは? 疑問を持ちながら伸びをすると手が思いっきり何かに当たった。
当たった方を見ると……
「先輩……痛いです」
野代さんが額を抑えていた。やってしまった……
「ご、ごめん」
野代さんは額を抑えたまま
「別にいいです……それより目は覚めましたか?」
「ん、おう」
それにしても……何故野代さんがここに? 今まで廊下で話す事はあっても教室に来ることは……あ。
「もしかして今日美化委員だった?」
「違います、先輩に個人的に用事があって来ました」
個人的に用事……何だその嬉しいニュース、どういう事だろう
「先輩、暇ですか?」
「暇だよ」
野代さんの用事とあらば予定があっても暇だ。
「じゃあ先輩、今から私の家に来てください」
「おう……はあ!?」
本当にどういう事だ!