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もふもふ少女に疑問符を
「先輩! この前はすいません!」
春休みも終わって始業式、登校中にかなみさんがいきなり頭を下げた。
「いやいや、大丈夫だって」
電話でも何回も謝ってたのに、律儀だなあ。
時間は少し飛んで、放課後。
「伸二、帰ろうぜ」
「そうだ、この前の話しとくわ」
「ん? ……ああ」
花見の時に電話で言おうとした事か
「何だ?」
「お前このまえ、野代さんが思っていたのと違ったって言ってたよな?」
「ああ、そういや言ったな」
伸二は少し考える素振りをみせて
「おかしな事を言うが……それって野代さんが人間じゃないって事か?」
「なっ……」
ば、バレてる!?
いや、今なら誤魔化せる!
「人間じゃないって……お前わけのわからないことを」
「先輩、この前届けて貰った荷物の中に先輩のハンカチが」
ここでタイミング悪くかなみさん登場。やばい……
伸二はかなみさんを見て
「ちょうどよかった」
「……? なんですか?」
伸二は躊躇うこと無く続ける
「野代さんって、人間じゃないの?」
「えっ?」
ダイレクトに聞きやがった……