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もふもふ少女は寝酒泣酒
かなみさんを近くの小さな公園に連れて行き、買ってきた水を渡す。
「ありがとうございますー」
かなみさんは水を飲んで……ペットボトルを落とした。
「あらら……」
水が全て地面に吸収された。また買ってこなければ……
かなみさんが近くの花を見つめている間にもう一本水を買ってくる。
公園に戻るとかなみさんはベンチの上で寝てしまっていた。
寝ている時は噛み癖があるのか尻尾を噛みながら……尻尾?
「……あ」
完全に狸少女になっている!? これはまずい!
「かなみさん、起きて!」
揺すってみるも反応は無い。
「かなみさーん!」
「ふぇ……?」
耳元で大声を出してようやく起きるかなみさん、起きたかなみさんは俺を見つめて
「なんでせんぱいはいつまでも『さん』づけなんですか!」
戻った! 話戻っちゃった!
「ねえねえせんぱい、なんでですかー」
かなみさんに揺らされる。寝酒に絡み酒……さてどうしたものか。
かなみさんの腕を掴んで立ち上がる
「とりあえず家に……」
位置的には俺の家の方が近いか……いやしかし……
「なんでなんですかー、せーんぱーい」
うわー、泣き酒もあるのか……