表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/83

もふもふ少女は絡み酒

「先輩、おはようございます」

「……おお、おはよう」

 かなみさんの声で気づく。危ない、寝かけていた。

 横を見るといつの間にか帰ってきていた伸二……完全に寝てやがる。

 かなみさんと話していると伸二の彼女、由美さんがやってきた。

「何寝てるのシンちゃん!」

 由美さんの鉄拳で伸二は目を覚ました。因みに由美さんは一つ上で、もうすぐ大学生だ。

 さて、とりあえず全員揃ったな

「じゃあ俺買い出し行ってくる、何がいい?」

 俺が聞くとかなみさんが

「先輩……私、これ!」

 と大きな弁当を取り出した。

「すっごーい、これかなみっちが作ったの?」

 最初に声を上げたのは由美さん。因みにかなみさんと由美さんは初対面である。

 それにしても手作り弁当……企画して良かった!



 少ししてトイレから帰ってくるといつの間にか伸二の姉さん、明里さんのグループが合流していた。

「よー、和樹! 飲んでるかー!」

 ああ、明里さん酔ってる。

 明里の絡みを苦笑いで受け流しながら座る。

「せんぱい、どうぞー」

 かなみさんがコップを渡してくれる

「ありがと、かなみさん」

「それです!」

 かなみさんがいきなり大声を出した。……それって何が?

「なんでせんぱいはいつまでも『さん』づけなんですか!」

「いや、別に……」

「べつにじゃないです!」

 何? かなみさんどうしたの?

「こう……あだなとかよびすてとかー……むー」

 ……まさか

 俺は渡された飲み物を少し飲む。

 うわ、酒だ。

「かなみさん……酔ってる?」

「よってませんよー」

 完全に酔ってるよ。かなみさんが自ら飲んだとは思えないし、やはりこれは……

 明里さんを見る、俺の視線に気づいた明里さんは俺とかなみさんを交互に見て

「てへぺろ!」

 舌を出した。てへぺろじゃねぇよ!

 てか伸二も由美さん放ったらかして寝るなよ……うわ、由美さんも酔ってるじゃねぇか。


 とりあえずかなみさん、体調は悪くしてないみたいだけど……

「かなみさん大丈夫?」

「だいじょーぶですよー」

 そう言ってユラユラと揺れるかなみさん。黒と茶色の髪も左右に揺れて……茶色?

 立ち上がってかなみさんの頭を上から見る。

「……やば」

 狸耳が出てるよ、かなみさん。

 酒の影響からか耳は閉じており、殆ど髪の毛に隠れてまだバレていない。

 俺はかなみさんに耳打ちする。

 ……この場合どっちの耳に? とりあえず人間の耳に耳うちする。

「耳出てるよ」

「そりゃあミミはありますよー」

 ダメだ、聞いちゃいねぇ。……仕方ない。

「ちょっとかなみさん」

 かなみさんの手を掴んで立ち上がる

「何処行くんだ?」

「ちょっと買い出し」

「ふーん」

 伸二疑いの眼差しを受けながら俺はかなみさんを引っ張って行った

 ……てか伸二の野郎いつの間に起きたんだよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ