表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そして 宇宙(そら)に向かう船  作者: 鴉野 兄貴
青春編。世界の危機(きき)より天文部の未来(みき)
4/78

部員。残り一名! 「だれも」「入るとは」「申しておりません」

 「だから、星のロマンってのを……星の素晴しさを皆様に知ってほしいのです」

未来は力説するが。

「ブラックホールってどうやってできるの? 」「えっと、星が潰れてどうにかなって」

潤子の問いにしどろもどろになる未来。


「……」


 和代が複雑な数式を唐突に喋りだす。呆気にとられる娘二人。

意味がわかってパチパチと手を叩く潤子。「もしかして」新堀も気がつく。

わからないのは、さっきまで星の素晴しさを説いていた『娘』だけ。

 和代と潤子はこの学校でトップの成績を誇る。

学年ではない。学校全体である。三位は新堀だ。


「どうせ。あたしゃバカっすよ。貧乏だし、親もいないし」

兄貴代わりは交通刑務所送りで友達いないし。


「胸もありませんね」「うっさい」

新堀の反撃により、ブラックホール以上の深淵に囚われる未来。


「でかくても困るだけじゃん」潤子はこともなげに言う。


 反撃の機会を得て赤色巨星なみにテンションの膨れ上がっていた新堀は潤子の余計な一言で超新星爆発を起こして半径5光年分の生物が全滅するほどのショックを食らった。

ちなみに、この一言は未来に対してもトドメとなった。かつて繁栄を極めた恐竜を滅ぼした隕石のごとく。


「何事も程々が一番だな……ですわ」


 あわてて言い直す和代はなにごともなかったように詩集を広げたが。上下逆だった。

蝉の声の下、和代の忍び笑いが肩を落とす娘二人の耳を通り過ぎていく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ