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そして 宇宙(そら)に向かう船  作者: 鴉野 兄貴
友情編。瞬間(とき)も永きも夢幻の未来(みき)

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現実に負けるな

「おーえすッ! おーえすっ! 」綱を引く男たち。女学院時代と違い、男手は何かと重宝することを悟った未来。早くも人をコキつかう才能に目覚めはじめている。


 男子生徒たちが引く綱の先には、謎の気球が。

「また。変なものを学校に持ち込んで」文芸部顧問のみならず生活指導も兼ねる若き美貌の古文教師、『麻生美佳』がため息。

部活動などを含む学校内活動に扱うものは持ち込んでいい。確かに校則上はそうなってはいるが。

合併の所為で旧来の校則と生徒や職員たちの意識に、新しい校則や規則はまだ馴染んでいない。


「去年、某強精ドリンクの会社が主催した、気球に乗って成層圏に行き、そのままダイブの偉業は知られている! 」

壇上に立った未来は叫ぶ。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!! 」

少年たちが盛り上がっているのに対して、お嬢様方はドン引き。男そのものになれていないのだ。無理も無い。


 未来は勢いよく叫ぶ。パンツ見えているけどテニス用の見せるやつだ。問題ない。

「我等新生・神楽坂高校も、後を追うようでアレだがこの人類の偉業に挑戦する!

私の会社『こすもす』の出資だ! 初回はタダとする! 」

未来が何か謎の事を言い出した。そろそろ止めたほうがいいと判断した麻生教諭は走る。



「現実に負けるなッ! 現状に負けるなッ! 夢を追うものをわたしは応援する!

輝ける『成層圏からダイブ観光』商業化ツアー客、第一号になりたいやつはこの壇上にあがれっ! 」


 麻生教諭の足が。止まった。

「……」「……」期待に燃える可愛い生徒にして一番の問題児。ハルカナル未来の瞳。

その瞳と目が合った麻生教諭の額からダラダラと冷や汗。

壇上の上には、麻生美佳二五歳と、未来だけ。


 壇上にダッシュしようとした男子生徒、および一部の女生徒たち、

思わず駆け寄りかけて首を振って自らを律するお嬢様達が壇上の麻生美佳に一斉に瞳を向けた。


「あそちゃん。やってくれるんだ」

壇に抱きつき、身を悶えながら悔しがる男子生徒。

悔しそうに「先生ッ! 酷いッ 」とか言ってる女生徒。

そして舌打ちしながらも手を叩いてみせる可愛い生徒にしてお嬢様方(スポンサー軍団)


 ふるふるふる。

麻生は必死で首を振ろうとしたが、恐怖で体がまったく動かなかった。

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