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メイクアップ! 見知らぬ幼馴染との逆転関係  作者: 長久
1章 嫌いな自分たちに、好きな自分たち
16/64

16話

「オッケー。とは言っても、俺も小遣いに限界があるからな。あんまり高いのは無理だぞ?」 




「え? 伶桜がお金出してくれるの?」




「俺がやってくれって頼んだんだ。当たり前だろ」




 サラッと言ってるけど、伶桜は僕と違ってバイトもしてないはずだ。


 お財布、キツイんじゃないかな?




「……いや、自分の着る分は自分で出すよ」




「別に良いって」




「大丈夫だよ、僕はバイトしてるからね」




「カツアゲされてるのに、平気か?」




 う……。


 痛いところを突いてくる。




「そんな高額を請求されてないから。……癪だけどさ、僕の理想的な格好良い男を伶桜が代わりに見せてくれるのなら、安い代価だと思うよ」




「それは、俺のセリフだよ。……ありがとうな、薫。それなら、俺は自分が男装するのに必要な金を出す」




「え? 良いの?」




「ああ、お互い様だろ。こういう金が絡むもんは、対等でなきゃダメだ」




 暫し2人で見つめ合う。




 僕にとってなりたい理想の男性像は、伶桜だ。


 伶桜が言うには――なりたい理想の女性像は僕。




「俺は、薫みたいに可愛くなりたかった」 




「僕は、伶桜みたいに格好良くなりかったよ」




 幼馴染み2人で、自分の理想を相手で体現している。




 それは端から見ると歪な関係なのかもしれない。


 それでも……2人して億劫な日々を腐りながら過ごすより、よっぽど楽しい日々だと思える。




「……じゃあ、今日はこれで終わりね」




 2人して衣装を脱ぎ、元々着ていた服へ着替えた。


 こうして見ると、見知った幼馴染みなのにな……。




「あ、化粧ってどうすれば取れるの?」




「普通に洗顔フォームで落ちるぞ。またスマホに連絡入れっから」




 その言葉を最後に、伶桜は帰って行った。……と言っても、壁1枚隔てた向こうに居るんだろうけどね。




 それにしても、凄い時間だったなぁ。


 ドキドキした。


 そう思いながら、伶桜のいなくなった部屋を見渡し――。 




「――あ。……ベイクドチーズケーキ、生温くなっちゃってる!? ヤバい!」




 急いで冷蔵庫に入れようとした所で――母さんが帰って来た。




 その夜、僕は母さんにかけられたプロレス技で関節が痛む中、ベッドで呻き続ける羽目となった。




 夜中、何度も『うるせぇ』と伶桜から壁ドンされ……。


 翌朝は2人して寝不足で学校へと行く羽目になった――。



本作をお読みいただきありがとうございます┏○ペコッ


この物語に少しでもご興味を持って頂けたら……どうか!


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また、ブックマークなどもしていただけますと読んで下さる方がいるんだと創作意欲にも繋がります。


どうか、応援とご協力お願いします┏○ペコッ

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