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14.同じ葛藤
ソファに埋もれていた身体を起こし、リモコンをつかみ温度を一℃下げた。
「でも十七歳の子が書いた言葉でしょう。今見たところで、芸術的にすごいと感心する以外で、何か受け取る物はあるのかなあ」
「あるよ。十七でも、二十でも三十でも同じ躓きはないけど、同じ葛藤ならあるから、受け取る物はあるよ」
目を輝かせながら、堰切るように捲し立て、薪さんは残り少なくなったカップをテーブルに置いた。
「葛藤かあ」
それよりも私は、熱くなって話す薪さんを見るのが好きだった。同じ葛藤だって? そんなものどうでもいい。それくらいだったら説明されなくてもわかってる。同じ葛藤だと認められるほどのものを、その十七歳の鎌田洋が作っているのかってことが聞きたくて、知りたかったのだ。本当に? オトナを感動させられるの? 私を感動させられるの? 薪さんは感動させられたのかな……。




