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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第五章 暗き闇が蠢き 天空は狂う
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第五章ー⑮

今回ようやく黎芭の視点になります。

「主人公は!?」と思われる方、大丈夫です!!ほとんど並行して時間は進むので、主人公視点もあります!!

場所は変わって、黎芭の担当する東のポイント・・

「なんか通信でフレイヤさんとメティスが戦闘に入ったって言ってたけど、大丈夫かな・・・?」

「ともあれ、ようやく到着だよ・・・ このポイント『HEAVEN(うち)』から物凄い遠いんだけど・・・」

全体通信でフレイヤとメティスが戦闘に入ることを知ったため、心配している様子だが、彼女は今しがた担当するポイントに到着したため、まだ目ぼしい手掛かりを見つけてはいない。


「とはいっても、何があるかもわからないし・・・ こんなことなら、『機関』に言って被害者に会わせてもらいたかったなぁ・・」

(でも、「流石にそれはやめておこう」って翠波君たちに言われたしな~ まぁ、『機関』からの報告によると結構深手を負わされたみたいだから、トラウマもあるだろうしね・・・)

「でもな~ やっぱり無理してでも聞きに行くべきだったな~!!」

うんうん唸りながら何か手掛かりがないかと、捜索に取り掛かろうとすると、上空からフレイヤの指示を受けたワルキューレ・フィアーが降りてきた。

「あれ?あなたは確かフレイヤさんのワルキューレの内の一人・・・ こっちの援護を命令されたの?」

その問いに対して、フィアーは肯定の意を示すように、頷く。

「なら、お願いしてもいい?私も今このポイントに来たばっかりだから、何も手掛かりがつかめていなくって・・・」

そう言って、フィアーと黎芭はこのポイントを探索し始めた。


♢♢♢♢♢

同時刻、翠波の担当するポイントでは・・・

「フレイヤとメティスさんが戦闘に入ったのか・・・ これ確実に何者かが糸引いてるよね・・・」

すでに翠波は捜索を始めているようだ。しかし、黎芭と同様に目ぼしい手掛かりを見つけることはできていない。

(ただ、フレイヤとメティスさんが戦闘に入ったってことは、どこかに僕たちを監視している存在がいるって考えた方が妥当だよね・・・ 監視している存在にたどり着きたいけど・・・・)

「マジで、どうしようかな・・・」

ここからどうするか考えていると・・・ 上空からワルキューレ・ドライが降りてきた。


「ドライ、どうしてここに?」

〔フレイヤ様の命であなたの援護に。こちらの戦闘は終了しましたので・・・ フレイヤ様含めて全員無事です〕

ドライが、宙に光で文字を書いて状況を伝える。

「なるほど、それじゃあ・・・ っ!?」

これからどうするか、話そうとすると翠波が背中を刺すような気配を感じる。

「なんだ、この気配・・・ ドライ戦闘準備!!何かが来る!!」

すぐさま、ドライに戦闘準備を促し自身も『トリシューラ・ニルヴァーナ』を取り出し、構える。

しかし、気配の正体は現れない。

「気の・・・・・せい?」

自身の杞憂だったのかと思い、警戒を解き『トリシューラ・ニルヴァーナ』をしまおうとすると・・・

ガキィィン!!

自身の背後から、金属音が鳴り響く。

その音を聞いて後ろを振り向くと、そこにはどこからともなく現れた天使の剣戟をドライが双刃剣で防いでいた。

その天使は全身を真っ黒に染めており、自身の正体をわからせないようにしていた。


「いつの間に!?」

(ドライが防いでくれていなければ、確実にやられていた・・・)

『トリシューラ・ニルヴァーナ』を構えなおし、敵の天使に相対する。

天使が急に二人に増え、一人がこちらに攻撃を仕掛けてくる。

「分身!?」

天使の剣戟を受け止め、戦闘開始の火ぶたが落とされた。


♢♢♢♢♢

一方黎芭のポイントでは・・・

「フィアーさん、何か手掛かり見つかった~?」

黎芭は少し離れたフィアーに声をかけ、進捗を確認する。

しかし、何も見つからなかったのか首を振る。

「う~ん、そっちも手掛かりなしか~」

(でも、『機関』にばれずに何人もの被害者を出しているって・・・ もしかして、『裏組織』が動いてる?ただ、そんなことがあるなら『機関』が私たちに『依頼』する前に捕鎖官が動いているよね・・・)

そんなことを考えていると、近くで瓦礫の崩れる音がした。


「なに、誰かいるの?」

黎芭が音のした方に視線を向けるが、そこには誰もいない。

「なんだ、気のせいか~ さすがにこんなところに人はいないよね。フィアーさん、そろそろこの辺から離れて、別のポイントへ向かうよ~」

このあたりには何も手掛かりがないことを感じたのか、黎芭が別のポイントへ向かうように促す。

それに賛成して、フィアーも捜索を切り上げ、その場所を去ろうとした次の瞬間虚空に銃が何丁も現れ、フィアーに向けて弾丸が放たれる。

フィアーはそれに対処が遅れ、土煙の中にその姿を隠した。


銃声が響き渡り、その音を聞いた黎芭が音のした方に向けて駆けだす。

「フィアーさん、無事!?」

駆け付けた黎芭がその銃声の正体を確かめると、そこには全身を真っ黒に染めた天使が自身の周りに銃を浮かばせてこちらに敵意を向けて佇んでいた。

「嘘ぉ!?ここで敵!?このポイントにも現れるか・・・ ということは確実に翠波君の方にも出てくるよね。多分、この状況を『黄昏』たちはすでに確認しているだろうし・・・ それに、被害者も出てるしここで倒すよ。フィアーさん、戦闘態勢!!今は私の指示にしたがって!!」

それを了承したフィアーは煙の中から飛び出し、白銀の鎌を召喚し、羽を広げ空中へと躍り出て、戦闘態勢へと移る。


それを確認した黎芭は、自らの古具を取り出す。

(フィアーさんが接近戦型でよかった。これなら合わせられる)

「久々に行くよ!!大地を象徴せし二重螺旋 空より降り注ぐ星の導き 相容れぬ力を束ね審判を下せ!!『カドゥケウス・エトワール』!!」

詠唱を唱えると、黎芭の左手に杖が携えられる。

その杖の先には、黒い球体がついており球体の中心に無数の星のように輝く光がある。

その球体を守るように、喰らうように二重の蛇の螺旋が絡んでいる。

『カドゥケウス・エトワール』を一振りすると同時に、黎芭の周囲に複数の魔法陣が出現する。

「さぁ、戦闘開始だよ!!」

その言葉と同時に、魔法陣から魔力の奔流が黒い天使に向けて、放たれた。

はいどうも作者です。

今回から始まりました、黎芭と翠波の戦い。二か所で戦いが勃発し、しかも同じような敵・・・

さてさて、二人はどのようにして立ち向かうのか!?

乞うご期待といった感じです。

話は変わりまして、黎芭さんの古具『カドゥケウス・エトワール』登場しました。

詳しい設定はこの章が終わり次第設定集の方に詳しい設定を載せますので、それまでは皆さんが予想しながら楽しんでください。

それでは、この辺で、さらばだー!!

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