第五章ー➈
アリスが『フェイルノート・オートクレール』と契約した翌日、僕はフレイヤとアルテミスを連れて、再び
『HEAVEN』に来ていた。
「こんばんは~ あれ、蓮はまだ来ていないのか・・・」
ドアを開け、入るとメティスさんが出迎えてくれた。
「蓮は少し遅れると連絡があった。今のうちに準備でもしてくるとよい」
「わかりました、行くよアルテミス、フレイヤ」
メティスさんに挨拶をしてから、僕たちは地下の準備室へ向かう。
バンッ!!
『遅れました!!』
ドアを勢いよく開けて、蓮がやってきたようだ。
『ドアを静かに開けんか!! まぁよい、翠波たちは先に来ておる、おぬしも準備をしてくるとよい」
『りょ~かいです、メティスさん。ところで黎芭さんと生徒会の人たちは?』
そういえば、昨日生徒会の人たちに連絡するよう伝えていなかったけど・・・
『今回の『依頼』はあやつら生徒会はなしで行く。さすがに、急な『依頼』じゃからな・・・ それと黎芭じゃったな、あやつは今『機関』から送られてきたデータを解析しておる。行動開始前には、終わると言っておった』
『わかりました、それじゃ着替えてきますね』
僕たちの準備が終わり、黎芭さんのいる通信室兼会議室に向かう途中に準備が終わった蓮と合流する。
「今日は遅かったね、蓮」
「ごめんごめん、つい仮眠していたつもりが寝すぎちゃって・・・」
タハハ・・・と笑って、遅れた理由を説明する蓮。その後ろで、ヘイムダルさんが顔の前で手を合わせて謝ってくる。
(((ああ、絶対ヘイムダル(さん)起こしたけど、拒否られたんだな・・・)))
「蓮、基本情報は頭に入ってる?」
「もち!!」
そんなことを話しながら、通信室兼会議室に到着して、部屋の中に入る。
「黎芭さん、『執行者』二人はいりますよ」
部屋に入ると、黎芭さんがモニターの前で座りながら、キーボードを叩いていた。
「ああああああー!!マジで、敵の情報が少ないの何!?」
訂正しよう・・・ モニターの前で叫んでいた。
「落ち着くんじゃ、黎芭。翠波と蓮が来たぞ、とりあえず今回の『依頼』を詳しく説明せい」
メティスさんになだめられた黎芭さんが、体をこちらに向けて説明し始める。
「なんかごめんね、叫んじゃって・・・ とりあえず今回の『依頼』の説明するね」
「今回の依頼主はこの前と同じ『機関』から。内容もこの前と同じ暴走した契約者の鎮圧だね、ただし今回の標的は学園の生徒数名に被害を出していて、そのうち一人は右肩から斬られて重傷だね」
学園の生徒が狙われたのは、昨日もらった情報で知っていたけど・・・ まさか、ここまで被害が出ているなんて・・・
「黎芭さん、狙われた生徒の共通点は魔使者だったよね?その辺の動機とかもわかっていないの?」
「わかってないよ、というか敵の情報そのものが少なすぎて、その辺は全然わかってない!!」
蓮が動機などを聞こうとするけど、わからないため一切不明みたいだ。
「とりあえず、狙いは魔使者ってことは分かりましたので多分今日も現れる可能性が高いってことですよね?」
「うん、というか確実に現れるね。だからそこを叩く。・・って言いたいんだけど、どこに出るかわからないんだよね・・ 『機関』でも捉え切れなかっただけど、今日は蓮ちゃんがいるから!!」
あっ、もしかして今回の作戦は・・・
「まぁ、わかってたよこうなるって・・・ ヘイムダル、いける?」
「いけるが・・・お前にも負担が大きくならないか?」
「その辺は大丈夫。そのために甘いものを途中で買ってきたんだから!!」
気づくと蓮の手には大量の甘いものがあった。
「ならいいか・・・ 黎芭、今日対象が出現する予測ポイントは?」
観念したのか、ヘイムダルさんは了承し、黎芭さんに予測ポイントについて聞く。
「『機関』曰く被害者は全て、路地裏で発見されたらしいから・・・ それを考慮して探せば行ける、だから・・・」
何個もあるモニターに予測ポイントが映し出される。
「この四つのポイントに現れる、もしくは現れた可能性が高いね」
「それじゃ、私は一人でそのうちの北の方のポイントに向かうわね」
フレイヤがいきなり自分の担当を主張する。
「ひとりで戦えるの?フレイヤさん」
蓮がもっともな疑問を言う。まぁ、蓮はフレイヤが一人で戦っているところ見たことないしね・・・
「もちろん戦えるに決まってるじゃない、それにワルキューレたちがいるもの、そう簡単に負けるわけないじゃない!」
フレイヤが胸を張って、自信満々に答える。
「じゃあ、頼んだよフレイヤ」
「ええ、任せなさい!!」
フレイヤが北のポイントに行くことが決定した。
残りのポイントはフレイヤの主張が皮切りとなってすんなり決まり、結果・・・
・北のポイント フレイヤ
・南のポイント 僕(翠波)
・東のポイント 黎芭さん
・西のポイント メティスさん
が担当することになり、蓮とヘイムダルさん、アルテミスはそれら四つのポイントを見ることが出来る場所から、逐一援護狙撃や情報を送ってくれる。
「この作戦でいい?」
「オペレーターはどうするの?今回は生徒会の人たちは呼んでいないんだよね?」
「今回は、蓮ちゃんに現地からしてもらうことになるね。それに、一応四つのポイントを予測したけど、すべて外れて違うところに出現したってこともあり得るからね。その時は一番近い人が対応ってことで」
最終確認を黎芭さんがして、全員に確認をとり、僕を含めて全員が了承する。
「それじゃ、いくよ!!」
そう言って、全員『依頼』を完遂するために、夜の街を駆けだした。
はいどうも作者です。
さぁこれから『依頼』を始めるぞってところで終了です。
次からまた視点をそれぞれのキャラに変更しながら 話が進みます。
というか、自分で書いてて思ったんですけど、この作戦での蓮とヘイムダルの負担物凄く高いな・・・
まぁ、でも敵の正体が掴めていないので仕方ないよね!!




