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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第一章 新たなる神話の始まり
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第一章-➁

僕たちの叫び声が聞こえたのか、目をこすりながらアルテミスが階段を下りてきた。

やっとアルテミスが起きたので、アルテミスの朝食を作って三人で朝食を囲む。普段なら、アリスとホルスさんも一緒だけど、朝に説教があったのと、日直だから仕方がない。


「むぅ~~なんで助けてくれなかったの翠波君?」

「いや、あの状態のアリスには、割って入れないよ。しかも、普段の性格を忘れて説教してるんだよ?無理に決まってるじゃん。それに知ってるだろ?僕はあの状態のアリスに口で勝ったことがないんだ。」


そう、あの状態のアリスは口げんかも強い。というか、いつもクールなアリスは元々口げんかに強いのに、さらにブーストがつくようなものだ。勝てるわけがない。


「そうでしたね。翠波様は口げんか、アリス様には黒星ばかりでしたね。というか、フレイヤあなたまたやったのね。先週の朝も同じことで言われてなかったかしら?」

アルテミスは、呆れたように注意する。


「ん~なんのことだったかしらねぇ。あっもしかして嫉妬しているの?いつも朝遅く起きるせいで翠波君の寝顔知らないものねぇ。さすが月の女神と言ってところかしら。」

それに対してフレイヤは、とぼけたようにアルテミスをからかう。


プツンッ


何かが切れるような音が、アルテミスから聞こえた。すると、アルテミスから蒼銀のオーラが立ち上り、右手には蒼銀の弓、左手には矢が携えられていた。


「フレイヤ・・・死にたいなら、そう言ってくれればよいのに」

アルテミスから、空気が震えるような威圧感を体から出してくる。

あちゃぁ~、アルテミスをからかった・・・


「ちょっ・・・!?武器を使用するのはなしでしょ!?というかあなたのその武器、権能の奴でしょ? 私逃げられない奴じゃない!! ごめんなさい、からかったのは謝るから!!だから、その権能を収めて頂戴!!」

フレイヤは慌てて謝ると、伝わったのかアルテミスは権能と威圧感を収める。


「ふう、わかればいいのです。」

そう言うと、アルテミスはオーラを収めその手にあったものを消して、落ち着く


「危なかった~ もう、冗談が通じないんだから・・・」

あれ、冗談だったんだ・・・ 冗談で神話の戦いを起こそうとしないでほしいな・・・


「もう朝からやめてよね。せっかくの朝食が台無しになってしまうよ。」


「申し訳ありません、翠波様。ですが、こんなにのんびりしていて、良いのですか?」


「うん?何が?」

まだまだ時間あるし、大丈夫だろう。


「もうそろそろ、家を出ないと学校に間に合わないのでは?」


「あっ・・・」

ヤバイ!時間がない!もう今日の準備は終わっているけれど、制服に着替えなければいけないなど、細かい支度がまだ残ってる!だがその前に、朝食をのんびり食べている場合じゃない!


「アルテミス、急いで支度するよ‼」

朝から説教に巻き込まれるのはこりごりだ・・・


「いってらっしゃーい 気を付けてね」

フレイヤは家で、留守番だ。まぁ、いつでも喚ぼうと思えば喚べるので大して場所に意味はないけどね。


「いってくるよ、もし万が一のことがあればフレイヤを喚ぶからその時はお願い」

まぁ、ほとんど学園で呼ぶことはないだろう。


「いってきますね、フレイヤ。家のことお願いしますね」


「まっかせといて。それに、『彼女達』喚ぶから大丈夫だよ」

それはそうだ。フレイヤの権能のひとつはこういう時に強いから、家は安心だ。

そう思って玄関から素早く家を出た。


家から最寄り駅につくと《今日の早朝に、線路が何者かによって一部破壊されたため列車は今朝から運休しております。誠に申し訳ありませんが迂回して目的地へお願いします》と放送されていた。


「はい?そんなの、朝のニュースになかったよね?」

そんな情報があれば、アリスが真っ先に気付いて教えてくれるはずだ。


「それが・・・ フレイヤからご飯中に聞いたのですが、朝のニュースになっていたのですが・・・ どうやらアリス様の説教で見れなかったようですね・・・」

それ、原因フレイヤじゃないか!

「この電車に乗るのを逃すと、30分後にしか電車ないんだよ・・・ しかも、遅刻確定だし・・・」

「仕方ない、アルテミスお願いできる?」

こういう時は、使えるものは何でも使おう。

遅刻はしたくないからね。


駅の構内から離れたところで、アルテミスが地面に手をかざす。

「わかりました。『我は狩猟の女神 汝らは我が眷属 我呼び声に応え今ここに来たれ!狩りの呼び声(サモン・ルーナスト)!!』」

ウォォォン‼


遠吠えと共に、銀色の美しい毛並みをしたオオカミが現れた。

「よく来てくれました。翠波様をあなたの背に乗せて学園に向かいますが、よろしいですか?」

ウォン


「大歓迎だそうです。それじゃあ向かいましょうか」

「わかったよ。お願いね」

そう言って、僕とアルテミスは銀狼の背に乗って学園に向かった。銀狼は二人分の重さを全く気にせず、疾走していく。その風が心地よく、楽しくなってきた。


「もう少し早くできる?」

少し調子にのって聞いてみた。


「いけますよ。コメット最高速で構いませんよ」

えっ、今最高速って言った!?


「ちょっ そこまでは求めてないんだけど…」

だって、絶対速度おかしいじゃん!

それに、神の眷属だから確実に車より速いだろうし・・・・


「いきますよ、私に掴まっていてくださいね!コメットGO!」

そうアルテミスが指示を出すと、コメットはさらに速度を上げた。

次の瞬間、僕たちは銀色の風になって街を駆け抜けていった。

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