第五章ー④
アリスの発言から、一週間後僕とアリスは「HEAVEN」に来ていた。
「義兄さん、ここ凄いですね!!いろんな古具がありすぎて目移りしてしまいます!!」
アリスが目をキラキラさせながら、興奮した様子で店内を見て回る。
「あっははは、まさか彼女にあんな一面があるなんてねぇ~」
黎芭さんがからかうように話しかけてくる。
「僕も驚いていますよ・・・ 『あの古具』が混ざる前の古具の名前を言い当てたときは、驚きましたし・・こんなに古具に目を輝かせているアリスなんて見たことないですよ」
いつも家ではクールに振舞っているアリスが、ここまで興奮するなんて・・・ そんなに古具が好きなのかな・・?
「す、すいません義兄さん、黎芭さん・・ つい興奮してしまって・・・」
アリスが頬を赤く染めながら謝罪してくる。
「ううん、別にいいよ。それに面白いものが見られたから、ありがと。というか、古具好きなの?」
黎芭さんがすっごいイイ笑顔で、アリスに話しかける。
「好きですよ・・・ というか、それに何でそんなにイイ笑顔なんですか!?」
「なんでって・・・ねぇ?」
黎芭さんがこっちに目を向けて、同意を求めてくる。
(なんで、こっちに目を向けてくるんですか・・・?)
「いや・・・その・・・」
(そんなの答えられるわけがないでしょ!?)
そんな話を終えて、本題に入る。
「それで?なんで、翠波君はアリスちゃんを『ここ』に作られてきたのかな?」
「私が言ったんです。義兄さんから聞きました、新しい古具が仕入れたって・・・」
アリスが僕から一週間前に聞いた話を、かいつまんで黎芭さんに話す。
「なるほど・・・ というかさっき翠波君から聞いたけど、本当に『あの古具』の混ざる前の名前を当てちゃうなんてねぇ~ それで、もしかしてだけど・・・」
黎芭さんがアリスの考えに気付いたのか、言葉が詰まる。
「はい、私が『フェイルノート・オートクレール』の所有者になれるか、試すために来ました」
アリスが真剣な表情をして、言い放った。
♢♢♢♢♢
「はい、これが『フェイルノート・オートクレール』の所有者になれるかは、第一印象が大事だからね。どう一目見て?」
あの後店頭にあった『フェイルノート・オートクレール』をもって、地下の広い場所に来た。
「凄いきれいな弓だと思いましたけど・・・ それよりも何ですか、この地下の空間は?」
「ここは、ストレス発散場所だね・・・ 主に蓮ちゃんの・・・ね」
アリスは地下の広い空間に驚いて黎芭さんに尋ね、その質問に答える。
「蓮さんのストレス発散場所ですか・・・ それで、この場所で何を行うんですか?」
「アリスちゃんが自分で言ったでしょ、「『フェイルノート・オートクレール』の所有者になれるかどうか試すために来た」って・・・」
「ということは・・ここで試すんですか!?」
黎芭さんの発言に驚いて、彼女を見る。
「うんそうだよ。それにこういう広いとこでやんないと、何が起きるかわからないし、最悪力ずくで止めないといけないから・・・」
黎芭さんがまるで体験したかのように、肩を落とす。
(多分あの時の事思い出しているんだろうなぁ~)
それを見たアリスがいぶかしげに黎芭さんを見るが、それに気づいて気をとりなおす。
「気をとりなおして、それじゃあやろっか!!メティス、一応モニタリングお願いね!!」
『フェイルノート・オートクレール』を空間の中心にある机に置き、別室のメティスさんに通信をつなぐ。
【了解じゃ。それに翠波の妹御よ、そこまで緊張せずともよい。ただあるがままを感じれば、おのずと見えてくるものじゃ】
「メティスさん・・・わかりました!!!」
そう意気込んで、『フェイルノート・オートクレール』の前に立つ。
手をかざし、目を閉じて自らの契約魂を解放し『フェイルノート・オートクレール』にそそぐ。
その光景を見ていると、黎芭さんが話しかけてくる。
「実はあれが本来古具の所有者になる方法なんだよね・・・ けれど君と蓮ちゃんはそれをせずに二つの古具の所有者となった・・ それがどういう意味か分かる?」
「わかりませんよ・・ それに正式な方法をしなかったからって、何か起きるんですか?」
「わからない」
「わからない?どういう意味ですか?」
少し苛ついた感じで聞いてしまったのか、声が荒い感じなってしまった。
それに構わず、黎芭さんは答える。
「う~ん、なんというか翠波君たち古具を使用した後に何か痛みとかを感じたことある?」
バシュウウウウ!!!
そのことを聞いてきたと同時に、アリスがいるところからとてつもない力の奔流を感じる。
何が起こったのか目を向けると、そこには形状が変化し色も変化している『フェイルノート・オートクレール』を持つアリスの姿があった。
「やった・・・・やりました義兄さん!!黎芭さん!!」
アリスが満面の笑みで、『フェイルノート・オートクレール』を持って僕たちに駆け寄ってくる。
「お~おめでとうアリスちゃん、メティス~アリスちゃんの体調は~?」
【すべて正常だ。完全にその古具の所有者になっておる】
メティスさんからアリスの無事が告げられる。
【というか彼女が所有者となったことで、『フェイルノート・オートクレール』の力が形状が変わる前より上がっておる】
(よかった・・・ それにしてもなんか前とは形状が変わっていないか・・・?)
そんなことを考えていると、気になったのか・・・
「ねえ、アリスちゃん。なんか形状と色も変化してない?」
「あ、はい。どうやらこの形状と色が本来の姿みたいで、さっきまでのは封印されている状態だったようです」
(ということは、アリスが所有者となったことで封印が解放された・・・?そんなことがあり得るのか?)
そう思って『フェイルノート・オートクレール』を見ると、形状が普通の弓の形状から、手持ちのハープという楽器の形状になり、弓の時から存在していた弦は四本に増え水晶で作られている。
色も緑銀色から、水色と銀色を混ぜ合わせたような色に変化している。
おそらく、これが本来の姿なのだろう。
「アリスちゃん、アリスちゃんちょいちょい・・・」
黎芭さんが手を「こいこい」して、アリスが黎芭さんに近づいていく。
アリスの耳に顔を近づけて・・・ゴニョゴニョ
それを聞いたアリスが驚きながらも、笑顔になる。
「翠波くーん!!アリスちゃんと模擬戦しよっか!!!!」
「はぁ!?」
この店長兼『執行者』何言ってんの!?
結局断り切れず、模擬戦になることが確定したのだった・・・ なんでぇ・・・
はいどうも作者です。
結局『フェイルノート・オートクレール』の所有者はアリスになりました。まぁ、予想通りだったんじゃないでしょうか?
エイナとかに持たせようと思ったんですけど、黎芭さんとつながりないしなぁ・・・と考えたので結果アリスになりました。
能力などは、全て次話になります。
アリスは実は内心物凄くウッキウッキですよwwwww




