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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第五章 暗き闇が蠢き 天空は狂う
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第五章ー③

「ただいま~ アルテミス、フレイヤいる?」

バイトを終えて、家に帰り中に入る。


「おかえりなさい、義兄さん」

アリスが廊下に出て、出迎えてくれた。

「ただいま、アリス。アルテミスとフレイヤは?」

「あの二人は、今リビングでゲームしてますよ。なんか、この前の決着をつけるわよってフレイヤさんが意気込んでましたよ・・・」はぁ~

呆れたようにため息をつく。相当長い時間ゲームをしているのだろう。

「あははは・・・」


「それよりも義兄さん、なにかあったんですか?何か疲れたような表情をしていますが・・・」

アリスはよくみているな・・・

「ちょっとめんどくさい事があってね・・・ フレイヤとアルテミスにも話したいから、あとで話すよ」

「それは私も聞いても大丈夫なんですか?」

「大丈夫、『依頼』の話じゃなくて普通にお店の話だから」

そんなことを話していると、リビングのドアの前についた。その向こうからは、フレイヤとアルテミスの声が聞こえてくる。

『ちょ!?何そのコンボ、やめなさい!!やめなさいってば!!!』

『やめると思いますか?それにこの前の依頼で、私の狙撃の腕を馬鹿にしましたよね?その報いを受けなさい』

『それはこの前謝ったでしょ!?だから許し・・・ ああああああああああ!!!!?』

フレイヤの絶叫が響くと同時に、テレビから『K.O!!』の声が聞こえる。

ドアを開けるとそこには、四つん這いになって頭を垂れるフレイヤと、コントローラーを持ちながらガッツポーズをするアルテミスの姿があった。


「何よ、あのコンボ!?あんなの対策仕様がないじゃない!!」

アルテミスから知らないコンボをくらったのか、物凄い勢いでアルテミスに詰め寄ろうとする。

「うまく入って良かったです。何分対人戦で出したのは初めてでしたので・・・」

「私を実験台に使ったの!?サンドバックじゃないのよ!?」

アルテミスの言葉を聞いたフレイヤが、つかみかかろうとするが・・・

「落ち着いてください、フレイヤさん、それ以上喧嘩しようとすると今日の夕飯抜きにしますよ」

「はい・・・」

アリスの一声でフレイヤが落ち着いて元の位置に戻る。

アルテミスは、喧嘩を売っていたがアリスには見逃されたようだ・・・


フレイヤが元の位置に戻ったのを確認したアリスが、さっき僕から聞いたことを話し始める。

「まったく・・・ 義兄さんがお二人に話したいことがあるそうですよ?」

「話したいこと?それってアリスちゃんが聞いても大丈夫な案件?」

「そうです。アリス様が聞いてもいいのですか?我々の正体を知ってはいますが・・・」

そう、アリスは僕と蓮が『執行者』であることを知っている身近な人物だ。家で『依頼内容』を話すことはないが、たびたび夜中に家を空けることを知っており、その理由も知っている。

「うん、大丈夫。むしろ聞いてもらった方がいいかもしれない」

それを聞いたフレイヤが何かに気付いたのか、念話を繋げてきた。

《もしかして、『執行者』関連じゃなくて普通にバイト関連?》

《うん、それも今から詳しく話すから・・・》


フレイヤとの念話を切って、話し始める。

「実は今日、黎芭さんが古具を仕入れて来たんだけど、これが結構なもので・・・」

「結構なものっていうのは、めんどくさいって意味ですか?」

ホルスさんが詳細を聞いてくる。

「ええ、まぁ・・・ ってホルスさんいたんですね・・・」

「リビングにずっといましたよ。それでその古具というのは?」

「まず仕入れ先からめんどくさくて、仕入れたのが僕たちが結構前に護衛の『依頼』を受けた研究所からで、どうやら向こうではその古具が研究できなかったから知識の神であるメティスさんに調査も兼ねて送ってきたらしい」

(実際に調査していたしな・・・ というかお店の地下室結構広かったな・・・)


「それで、その古具がどのようなものかわかったのですか?」

アルテミスが調査結果を聞いてくる。

「それが・・・ 今の段階で分かっていることは、その古具の名前、形状のみなんだ」

「それって・・・」

「うん、ほとんど謎だよ」

アリスがその返答に驚いたのか、目を見開いている。

「あのメティスさんが、何もわからないなんて・・・」

「それで?その古具の名前は何なのかしら?」

フレイヤが聞いてくる。声が震えているのがわかる、表情には出していないが彼女も相当驚いているのだろう。

「名は『フェイルノート・オートクレール』弓がの形状をした古具で、しかも彩副会長の言っていた混合古具に分類される古具だよ」


「その名前から察するに、混じった古具の元は『魔奏弓(まそうきゅう)フェイルノート』と『水晶尖剣オートクレール』ですね?義兄さん」

アリスが混じる前の古具を言い当てる。

「うん、正解。というかよくわかったね?」

「ええ、まぁ・・・ 偶然本でその二つにまつわる物語を読んでいますので・・・」

「とは言っても、さすがに能力は想像がつきませんよ・・」


「それで、めんどくさい事とは一体何ですか?翠波様」

少し脱線したが、アルテミスが軌道修正もかねて先に進めるよう促してくる。

「その古具を黎芭さんが『店頭に並べて、商品として提供しよう!!』って言っちゃんたんだよ!!」

「「「「はぁ!?」」」」

四人が驚いて、叫ぶ。


「あの人は何を考えているの!?能力がわかっていない古具を店頭に並べるなんて、店潰す気なのかしら!?」

フレイヤがわけがわからないといった感じで、叫ぶ。

「本人曰く、『この古具は真の所有者を待っている』って言ってみんな納得しちゃって・・・」

「なんで止めないんですか!!翠波様!!」

「そうですよ、義兄さん!!メティスさんは止めなかったんですか!?」

「止めたよ!!止めたうえで、納得しちゃったんだよ!! けど、条件は付けてもらったから!!」

「条件・・ですか」

「うん。一つ、真の所有者が現れた場合その人からもらうお金はなくて無料で提供する。二つ真の所有者になるということは能力が全てわかるということ。でも、所有者から聞きださない。この二つを条件として店頭に並べたんだ」

その二つの条件を聞いた四人が、『それなら・・』と納得したようだ。それで、話は終わった。


フレイヤとアルテミスが自分の部屋に戻り始めたとき、アリスが話しかけてきた。

「義兄さん、少しいいですか?」

「どうしたの、アリス?」

「私を黎芭さんのお店に連れて行ってください!!」

アリスがとんでもないことを言ってきた。

はいどうも作者です。

三月ですよ、三月!!花粉は消え去れ!!

ということで、毎年花粉症になってしまうので少し恨み言を・・・

そんなことより最後でまさかのアリスの爆弾発言!! 『フェイルノート・オートクレール』の所有者は彼女になるのか?はたして!!

という感じです。まぁ、古具の所有数に限りはないのでもしかしたらということもあるかもしれません。

その辺は今後をお楽しみに!!

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