第五章ー➁
「それよりさ~ 最近また新しい古具仕入れたんだけど・・・見てみる?」
蓮の現状に驚いた後、少しお客さんが来て帰って行った後、黎芭さんがこんなことを言ってきた。
「また仕入れたんですか・・・ この前みたいに偽物じゃないですよね?」
それを聞いた黎芭さんが
「ち、違うよ!!確かにこの前のは騙されたけど・・・ 今回のはメティスにも見てもらって本物のお墨付きだよ!!」
それなら安心だ・・・
「じゃなくて!?本物ってことは、それどんな代物何ですか!?」
それを聞いた黎芭さんは、落ち着いて話し始める。
「まぁ、単純に武器としての古具だね。ほら、覚えてる?ずいぶん前に引き受けたある研究所の護衛の依頼」
「ええ、覚えてますよ。あそこの戦いがあったから、僕たちの古具はもらえたんですから・・・」
そう。まだこの暴走事件が起きる前、ある研究所の護衛の『依頼』を引き受けた。その時はまだ、僕たち二人とも古具を所持しておらず、戦闘はほとんどアルテミスたちに任せていた。
しかし、その時の戦闘で絶体絶命に陥り護衛目標が破壊されそうになった時、古具に選ばれ盛り返し何とか『依頼』を達成することができ、感謝された。
その時から、たびたび付き合いがあり、多分今回の古具もその一環だろう。
入口の前に掛けてある「OPEN」の札を裏返し「CLOSE」にする。
その後、地下に進む階段を下りながら、古具の詳細を聞く。
「今回仕入れた古具は、結構面白いものでね。複数の人が所有者になったんだけど、使用できなかったんだ」
それって「いわくつき」ってことじゃあ・・・
「それで、その研究所におくられて研究対象になったんだけど・・・」
「けど・・ なんです?」
何故か言いよどむ黎芭さん。言いにくいことなのだろうか・・?
「その・・・あそこの研究所でも全容がわからなかったんだって・・・」
声を少し震わせながら答えた。
「それほんとに言ってます?あそこって結構しっかりやってる研究所ですよね?」
「うん、それでも何でか調べきれなかったんだって・・ それでメティスの持つ知識で調べてほしいんだって・・・」
「それは・・・ 確かにそうですね・・・ 多分その古具僕ら所有者になれないですよ」
そう。僕と蓮は既に古具二種類の所有者になっている。三個目の所有者になったら、何が起きるかわからない。
「うん、さすがに君たち二人を所有者にはしないよ。多分、私も所有者になれないから・・・」
そう話していると、件の古具がある部屋の前に着いた。
「ここだよ」
そう言って、黎芭さんは部屋の扉を開く。
「メティス、入るよ」ガチャ
扉を開くとそこには・・・
「おお、翠波よく来たな。それに、黎芭進捗はあまりよくないぞ」
古具の前で、腕を組んでいるメティスさんがいた。
「それで、メティス進捗があまりよくないってどういうこと?」
「そのままの意味じゃ。妾はヘイムダルのような権能を持ってはいないが、『知恵の神』としての知識をもってしても全容を掴むことはできなんだ。しかしこの古具の名前は分かったぞ」
そう言って、古具のある机を指さす。
そこには、弦のない緑銀色の弓があった。
「それが、今回の仕入れた古具ですか?」
「いかにも。名は『フェイルノート・オートクレール』能力はいまだにわからぬ。想像でしかないが、おそらく本家のフェイルノートと同じような能力、もしくはそれをさらに強化した能力を持つのではないかと思っておる」
(メティスさんでも全容がつかむことが出来ない古具・・ やっぱり所有者が現れるまではこの地下に置いておくしかないのかなぁ・・・・)
僕がそんなことを考えていると・・・
「ねぇ、メティスこの古具うちの商品として店頭に並べない?」
黎芭さんが商品として並べることを提案した。
「何を言っておる、黎芭!?言ったであろう、この古具の能力などの全容をいまだに掴んでおらん!!それを並べるということは、客を危険にさらすということじゃぞ!!それがわからぬおぬしではなかろう!!!!」
そう、店頭に並べている古具は全て一度メティスさんとヘイムダルが全容を掴み安全と判断してから、商品として出している。
それは、全容が掴めない古具がどのような要因で暴走し、客に害をもたらすかわからないからだ。
そのことがわかっていながら、商品として売り出すということは・・・
「私の勘なんだけど、多分この古具は真の所有者を待ってる」
「じゃが・・・」
「それにね、私にはわかるんだ。きっとこの古具の真の所有者は悪人じゃない、むしろ善人が持つんじゃないかって私は思う」
真剣な目でメティスさんに語り掛ける。それに観念したのか、メティスさんは下を向いてため息をつき顔をあげる。
「わかった・・・おぬしがそこまで言うなら、この古具を店頭に並べよう」
「ほんとっ!?」「ただし!!」
「真の所有者が現れたとき、お金は払わせない・能力を聞かないこの二つをきっちり守ること。良いな?」
「うん、それで構わないよ!!」
その条件で店頭に出すことが決定した。
古具についての会議が終わった後、黎芭さんは『フェイルノート・オートクレール』を店頭に並べるための準備を始めた。
僕とメティスさんは近くにある椅子に座って話し始めた。
「ほんとによかったんですか、全容の掴めていない古具を店頭に並べるなんて・・・」
「仕方なかろう、あそこまで真剣な眼差しでこちらに訴えられては・・・な。それに黎芭の言っていることもなんとなくじゃがわかるんじゃ・・・」
「確かにあの古具は何かを待っているようなオーラを放っておった。それが妾が全容を掴めなかった原因としては弱いかもしれぬが・・・ 事実じゃ・・・」
「ということは、あの古具は自ら所有者がを選ぶ古具ということですか・・・」
「うむ、じゃがあの古具の所有者となったものはそれ相応の力を得るじゃろう」
あの古具についての率直な評価をメティスさんが述べる。
「それほどまでに強いんですか・・・」
「強い。何しろ妾に全容を掴ませなかった古具じゃ、弱いわけがなかろう」
そう話を締めくくった。
「翠波よ、今日はどうする。もうすぐで夕飯の時間じゃが・・・」
もうそんな時間なのか・・・
「今日は帰ります。家でフレイヤが夕飯を作って待っているので・・・」
「そうか・・ ではまたの」
「ええ、それじゃあまた」
その後黎芭さんにも挨拶をして、僕は家へと帰った。
はいどうも作者です。
投稿が遅くなって申し訳ありません。リアルで色々あったもんで・・・
そんなことは置いといて、新しい古具『フェイルノート・オートクレール』の登場です。まぁ、持たせるキャラは決まっているんですが・・・どういう流れで持たせようかなぁ~と思考中です。
まぁ、相応の強さを持つ古具なのですんなり持たせるのはなぁ~とも思っています。




