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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第四章 天嵐が舞い 太陽は輝く
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第四章ー㉕

「にしても、今回の戦闘は結構苦労したな~」

食堂でご飯を食べていると蓮が振り返るかのように呟いた。

「そうなの?」

意外だ、いつもの『依頼』の時とかはこんなこと言わないのに・・・

「当たり前じゃん!!相手は神様だよ!?しかも、割と戦いに長けている神だったんだよ!?タイマンするなんて、正直やばかったからね!?まぁ、相手の神約者が戦闘経験がないし相手の契約神も現実(こっち)での戦闘経験が少ないことが幸いしたけど・・・」

そう言って、右手のフォークに刺さっているフレンチトーストを食べた。表情がしかめっ面から、笑顔に変わる。よっぽど美味しいのだろう。


「というか、マジな話どう?」

「どうって・・・ 何が?」

「いや単純に、この学園の『契約戦書』に参加している神約者のレベルだよ」

蓮がたった二戦しかしてないけど、神約者のレベルについて聞いてくる。

「う~ん一概には言えないけど・・・ やっぱり戦闘経験の少なさが、如実に出てるよね。まぁ、僕らがおかしいだけだと思うけど・・・とは言っても、エイナさんや楓さんみたいに自分の契約神の権能を完全に把握したうえで工夫してくる人がいるから油断はできないね」

そう、実際他の神約者は戦闘経験が少ない。それでも、権能を把握したうえで工夫して攻撃してくる人は厄介だ。しかも、嵐と光という形をいくらでも変えられる無機物だ。

(正直、今の状態で戦闘はしたくない・・・)


「ま、そんな話は置いといて・・・次の三戦目勝てばアクセス権いいところまで獲得できるけど・・・獲得したうえで何するの?」

「何するのって聞かれても、『あれ』に関して調査を行うつもりだけど・・・」

『あれ』とは最近の『依頼』でよく来る「暴走」の原因だ。僕たち『執行者』の中では、古具と権能を合成させて撒いているのではないかと、推察している。

その推察が本当に正しいのか、本当に暴走させる古具、権能が存在しているのかを確かめるために今回の契約戦書で無限の蔵書(ちしきのほし)のアクセス権を獲得する。

「でも今回の契約戦書で奥深くまでのアクセス権は獲得できないと思うけど・・・」

「なら、アクセスできるところまでで手がかりをつかむだけさ」

そう言って、長話をしてぬるくなったうどんを食べる。

「あっこのうどん美味しい・・・」


♢♢♢♢♢

あの後、僕たちは他の神約者が行っている契約戦書を見るために、グラウンドにある観客席に来ていた。

「他の人たちの戦闘を見るのも中々面白いね」

「面白いって、蓮・・・ ヘイムダルさんの権能のひとつが完全に「観る」専門なんだけど?」

目を細めて、蓮を見ると・・

「そ、そんなこと言われてもな~ それにあたしヘイムダルのその権能使ったことないし・・・」

(嘘でしょ!?)

そう思って、ヘイムダルさんの方に目を向けると・・ フイッ

目を背けて、明後日の方に顔を向けた。

それを見て、翠波は頭を抱えた。


「ご、ごめんて・・・ とりあえずこれもいい機会だから、ヘイムダルの権能使用してこれからの契約戦書を「観る」から・・」

「ならいいけど・・頼むからばれないようにね?」

「りょうーかい、りょうーかい」

そう言って、蓮は権能を発動する。

蓮の左目に金色のモノクルが顕れる。


《良いのですか、翠波様》

アルテミスが念話をつないで聞いてくる。

《むしろ何で今まで使ってこなかったのかが、僕には謎だよ。情報を集めるという点では、ヘイムダルさんのこの権能が今の僕らの中で一番強いというのに・・・》

そう。何で今まで蓮はこの権能を自分で使ってこなかったのか・・・使っていれば、もう少し戦闘も調査も楽になっただろうに・・・

まぁ、今から使い始めるだろうしこれからの『依頼』が少し楽になると思っていいのかな・・?


「にしても、結構凄い戦いになってるね今回の戦い。戦いの素人なのは間違いないんだけど、それを契約神の権能でカバーしてる感じだね。多分契約神が武神、それも戦略に長けた武神がいるね」

「それは権能で観たからわかるの?」

蓮が戦闘を見てそんなことを呟いたので、聞いてみると

「ううん、普通にあたしの経験に基づく勘。というか、観なくてもわかる。だってほら」

そう言ってグラウンドを見るように顎で促されて、そっちに目を向けるとそこには契約神が自らの神約者に何かを教えるように耳打ちをしていた。

「なるほどね」

「それにいくら戦略に長けた武神だろうと、作戦をあそこまで露骨に伝えるのはさすがにまずくないかな?もしかして念話を知らない?」

蓮が訝しむような目を向ける。

「多分知らないんじゃない?もしくはわざとっていうこともあり得るけど・・・」

「それにしてはでしょ・・・」

そんなことを話していると、戦闘が終わった。どうやら武神がいた方が勝ったようだ。


試合を見届けて観客席を出て、帰り道・・・

「中々面白い試合だったね」

「そうだね、神約者が戦闘経験皆無に等しいって言ってもそれをカバーして勝ちに持っていく試合運び、厄介だね。正直的今の状態で敵にはしたくないね、手数と戦略が限られているから多分押し切られるね」

「だよねぇ・・・ でも『執行者』の時の全てを解放したらさすがに支障が出るし、仕方ないんじゃない?」

そうやって蓮が聞いてきたので

「それでも負けるつもりはないんでしょ?」

こっちが聞き返すと・・

「あったりまえじゃん!!!そう簡単に負けてあげるかっての!!」

物凄くイイ笑顔で返してきた、ヘイムダルさんも同感と言わんばかりにイイ笑顔をしている。

(こういうところ、そっくりだなぁ・・・)

はいどうも作者です。

第四章は次話で終わりになります。

戦闘描写はなく、本当にダイジェストになりますのでご容赦を・・・

実は今までの話で蓮本人が『世界を見張る者』を使うことはありませんでした。

一番の理由は本人が使いたがらないからです。他にも理由があるんですが・・・

蓮は頭で考えるより直観的に動いて戦う方が強いんですよ。

ですが、さすがに使わせようと思って使わせました。

次回も使う場面があるかもですね、それではまた次回!!



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