第四章ー㉒
蓮とアッティラの戦闘が激化していたころ・・・
ヘイムダルとアレスのぶつかり合いは、さらに激しくなっていた。
ヘイムダルが剣を振るえば、アレスが躱しながら剣を振るってくる。
それを躱すと同時に、アレスが右手に持つ斧を振り下ろす。
ガキィィィンン!!
それを受け止めるが、じりじりと押される。
「流石は戦神・・・ すごい力だな・・・」
少しづつ、剣が斧に押される。ヘイムダルが両手で剣を持っているのに対して、アレスは片手で斧を振り下ろしている。
にもかかわらず、ヘイムダルは押されているのだ。
「片腕しか使っていないとは言え・・・ 俺の攻撃を防ぐとはな・・・ だが斧だけに集中していてもいいのか!?」
アレスが左手に持つ剣を、ヘイムダルの右肩を狙って振り下ろす。
(しまった!!失念していた!!)
振り下ろされる剣を躱そうとするが、斧を受け止めているため身動きが出来ない。
ヘイムダルの右腕を切り落とそうとするが・・・
カキィン!!
何か当たる音が響いたかと思うと、アレスの右手に持っていた剣があらぬ方向へ飛ばされていた。
「なにッ!?」
アレスが驚き、斧にかかる力が弱くなる。
(ここだっ!!!)
弱まったのを感じたヘイムダルが剣に力を込め、斧を押しのけ一度後退する。
「何とか間に合いましたね、ヘイムダル」
アルテミスと翠波が合流する。
「蓮は?」
蓮の様子を確認する。
「ああ、無事・・・というか、あそこでめっちゃ暴れているよ」
と言って翠波が指を指すと、そこには・・・
もう一柱の神と思いっきり暴れている蓮がいた。
しかも、めったに使わない古具『クラウソラス・イミテーション』を使っている。
「ああ・・ 『依頼』の時とそんなに変わらない蓮だな・・・」
ヘイムダルが呆れたような表情をする。
「それで翠波、アルテミス状況は分かるな?」
ヘイムダルが状況を確認する。
「まぁ・・ね。苦戦してるんでしょ?さっき、蓮から援護をよろしくって言われたし・・・」
「ええ、そうですね。それにあなたの相手、憶測ですが戦神なのでしょう?」
「ああそうだ、しかもとびっきりやばめだ。奴の名は戦神アレス、あらゆる武器を使用できる生粋の戦神だ」
それを聞くと、翠波とアルテミスが驚愕の表情を見せる。
(まぁ、そんな顔になるわなぁ・・・ 『依頼』でも一度もこの類と戦闘はしたことねぇしな・・・)
そこにアレスからの矢が大量に飛んでくる。
「弓まで使えるのか、何でもありかよ!!?」
上空から矢の雨が降ってくる。
ヘイムダルは、剣で振ってくる矢を切り落としながらアレスに突っ込む。
アルテミスと翠波は、大きく後退しながら態勢を整える。
翠波は、最初の戦闘で使用した『ヤルングレイブ・エンキドゥ』を装着しヘイムダルの援護に向かう。
アルテミスは両手に持つ双銃を連結させ、一つの長銃へと姿を変え、いつでも狙撃が出来るように構える。
「せぇぇぇぇあああああ!!!」
ヘイムダルが剣を下から左斜め上に斬りかかる。
「あまいぞ!!!」
アレスがその攻撃をいつの間にか持っていた盾で防ぐ。
「だけど、これはくらうでしょ!!!」
いつの間にか近づいていた翠波が、その盾めがけて蹴りを放つ。
ドッガアアア!!! 轟音がし、アレスを盾の上から吹っ飛ばす。
「追撃するよ!!」
翠波とヘイムダルが、アレスに追撃を仕掛ける。
「来るがいい!!ヘイムダル、そして神約者よ!!!!」
アレスが態勢を整え盾を消し、右手に大剣左手に槍を装備し、こちらの追撃を迎え撃つ。
翠波が蹴りを放ち、ヘイムダルが剣を振るう。
アレスが蹴りを大剣の刀身で受け止め、槍で剣と斬りあう。
「フハハハハハ!!良い攻撃だ、だが俺にはまだ届かん!!」
翠波が刀身を蹴って、空中に躍り出て再び蹴りを放つ。
しかし再び刀身に受け止められる。
ヘイムダルは切りあいながら、あることを考えていた。
(何故やつはあらゆる武器をすぐさま取り出すことが出来る?いくら武器のあつかいに優れた戦神だからと言って、それほど多くの武器を持ってはいないはずだ・・・ なのに何故・・・)
「ヘイムダル!!!!」
翠波の声が聞こえる。何事かと思って、斬りあいの方に集中すると目の前に槍の切っ先が迫っていた。
それ何とか躱すが、態勢が崩れ隙を晒してしまう。
「もらったぁ!!!『戦嵐槍・焔狼』!!!」
槍から狼の形をした炎が放たれ、ヘイムダルへ襲い掛かる。
「しまっ・・・・」
ヘイムダルは何とか剣を体の前にかざして、盾にするが勢いが強く吹き飛ばされる。
ドッカアァァァァン!!!!
壁にぶつかり、ヘイムダルが瓦礫に埋もれる。
「まずは一柱・・・ 次は貴様の番だ!!神約者!!!」
翠波を大剣ではじき、槍と大剣を振りかざして突貫した。
「痛ぅ~ さすがに戦神の一撃は効くな・・・権能を使っていないとはいえ、さすがは戦神ここまでやるか・・・ なら、相手は戦闘経験が少ないとか言っている場合じゃなさそうだ」
瓦礫から出てきたヘイムダルが、翠波に攻撃を仕掛けているアレスに駆けだそうとするが・・・
「マジか、剣折れてやがる・・・」
手もとが軽く感じたので、見てみると剣の刀身がぽっきりと折れていた。
「だったら使うか」
「万物を切り裂く光 今こそ我が手に宿りて 剣と化せ!!『金鋭烈剣』!!」
両手を頭上に掲げ、詠唱を唱えるとその手に光の剣が二振り握られる。
「さぁ、第二ラウンド開始と行こうか!!!」
「フハハハハハ!!! 神約者にしては中々耐えるではないか、それに後ろにいる女神の援護も良いタイミングで撃ってくる、戦いがあるぞ!!!」
翠波たちが休む暇もなく攻撃を仕掛けるが、アレスはかすり傷を負うだけでピンピンしている。
「さすがに・・・ きついね・・・これは・・・」
翠波は息が絶え絶えになりながら、アルテミスと話す。
「ええ、さすがは戦神アレスです。相手にしたくない気持ちがわかりますよ」
「だが、おしゃべりもこれまでだ。くらうがいい!!『戦嵐剣・・・ なにッ!?」
翠波たちに向けて技を放とうとしたとき、アレスに向けて光の剣が振り下ろされ、技を中断し受け止める。
「よう、アレス。第二ラウンドと行こうぜ」
両手の光の剣をアレスに振り下ろしているヘイムダルがいた。
はい、どうも作者です。
ヘイムダルとアレスの戦いです。
ポテンシャルというか、普通の強さ的にはアレスのが強いんですよ。
戦神、これが示す通り戦いにおいては物凄く強いんですよ。
これに対して頭や能力で戦う。これこそ、バトル物の醍醐味ですよね!!
ということで、次で戦闘が終了します。
アレスにどうやって勝つのか、お楽しみに!!




