第四章ー⑯
「そこまで!!勝者、天華翠波、草川蓮ペア!!」
詩菜先生が僕たちが勝ったことを宣言すると、グラウンドの観客席から拍手と歓声が聞こえてきた。
「翠波様、お疲れ様です」
双銃を、いつの間にか腰に作っていた二つのホルスターにしまう。
あまり傷はないように見える。
「お疲れ様、アルテミス。怪我はない?」
「それは私が言いたいですよ、翠波様。あなたは、思いっきり神と戦闘していたんですから・・・」
心配しながら、僕の体に傷がついていないかペタペタと触ってくる。
「ダメージはあんまり受けてないけど、さすがにあの古具の代償というか、ちょっとした反動の方が痛いかな・・・」
そう正直、傷はあんまり受けてないようには立ち回っていたけど、『ヤルングレイブ・エンキドゥ』の反動がいまだにズキズキ痛む。
(まぁ、鎖が完全に手甲と脚甲の形しているからだと思うけれど・・・)
「翠波、アルテミスさん無事!?」
「翠波、アルテミス無事か!?」
蓮とヘイムダルさんが、駆け寄ってくる。
「蓮、ヘイムダルさん僕たちは何とか無事だよ。それに、さすがに今回のフォーメーションはミスったかもね・・・」
「それは今言うことじゃないよねぇ!?『依頼』みたいに本気出せないって言ってたよね!?しかも、あっちの方の古具を使っちゃってよかったの!?」
「それに、あの古具『ヤルングレイブ・エンキドゥ』使用したけど、反動大丈夫?それ、そこそこ反動きついよね?」
蓮もこの古具と反動の存在を知っているので、体の無事を聞いてくる。
「さすがに少し痛いね。まぁ、でも使わないと勝てないっていうのは分かったから、学園での戦闘はこっちを使っていくよ」
そんなことを話していると
「天華翠波、草川蓮!!早くこの場所から去れ!!後がつかえているんだ」
詩菜先生が僕たちの早く立ち去るように言ってくる。
「さすがにここからどこうか、蓮」
「オッケーというか、私今回何にもしてないけどね」
そう言って僕たちはグラウンドから立ち去った。
♢♢♢♢♢
僕たちは、グラウンドの裏側にある控室に戻っていた。
「ふぅ~疲れたー」
控室に戻ったとたん、蓮が床に大の字で寝転んだ。
「蓮、それはいくら何でも恥ずかしくないか?」
「いいの、いいの。ここには、見る人いないし・・・」
寝転びながら、手をヒラヒラさせる。
「だからといってな・・・」
ヘイムダルさんが頭を抱えている。そんななか・・・
コンッコンッ ドアをノックする音が聞こえた
「どうぞ~」
「ちょっ、蓮!?」
ガチャっ
「失礼するぜ・・・ってお前なんつう格好してんだよ、草川ァ・・・」
「失礼します・・・なんて格好しているんですか!?草川さん!!」
蒼架会長と彩副会長が僕たちの控室に来た。
まぁ、一名頭を抱えているけれど・・・
「改めて、お疲れ様です。お二人とも」
彩副会長がねぎらいの言葉をかけてくる。
「ありがとうございます」
「どうもどうも」
僕たちはその言葉に対して、感謝を述べる。
「まぁ、それはいいとして・・・ おい天華、お前が使ったあの古具は一体なんだ?」
(聞いてくるよねぇ・・・)
隠しても仕方ないので、ある程度ぼかしながら話す。
「あれは僕が持つもう一つの古具『ヤルングレイブ・エンキドゥ』僕が普段使う古具ですね」
「能力は?」
「明確に答えるのは少し難しいですが、簡単に言うと古具『ヤルングレイブ』と古具『エンキドゥ』がある『依頼』で混じりあって、一つになった古具で、その『依頼』を終えた後に僕の物になったんですよ」
「ということは、『混合古具』ということなんですね。というか、もしかして蓮さんももう一つ古具を所有しているんですか?」
ひゅ~ひゅ~
蓮が口笛を吹きながら、明後日の方向に目線を向ける。
「マジか~」
「それよりも、『混合古具』っていうのは?」
彩副会長に聞いてみる。
「あなたたちの使用している古具の総称ですよ。別々の古具混ざり、新たな古具として存在している物。それが『混合古具』と言われている物です。というか、あなたたち「HEAVEN」で働いていながら知らなかったんですか?」
「お恥ずかしながら・・・その辺は黎芭さんからは聞いていないですね」
「あたしはそもそも聞いた覚えがないです」
実際、黎芭さんからは一度も聞いたことがなく、僕たちも自分の使用している古具に対して、何も気にはしていなかった。
「それともう一つ、あのフォーメーションはなんだ?」
今回の契約戦書で使った、フォーメーションについて聞いてくる。
「あれは、僕とアルテミス『執行者』の時はフレイヤが前衛に出るフォーメーションですね。本来は、『トリシューラ・ニルヴァーナ』で戦闘するんです。今回はフレイヤもいませんし、『トリシューラ・ニルヴァーナ』も使えませんから、『ヤルングレイブ・エンキドゥ』を使用したんですよ」
今回の戦闘について、説明する。
「なるほどなぁ・・・というかお前、しっかりと徒手空拳出来るんだな」
「ええ、まぁ・・この古具を使用するしますから・・・」
(そんなに僕が徒手空拳が出来ることが珍しいかな?)
蓮と彩先輩は二人で、話している。
「なぁ、天華。初めてお前の契約神が戦闘するところを見させてもらったが・・・容赦ねぇな・・ あれ、契約戦書でなければ殺しにいっていたよな?」
「多分・・・ ただこれに関しては、相手が悪いんですよ」
(アルテミスの逆鱗に触れた相手が悪いんですよ・・)
そんな話をしながら、時間が過ぎていった。
はいどうも、作者です。
今回は次の戦いに向けてのインターバル的な話です。
その中で出てきた『混合古具』これについても、後々設定に乗せますのでお待ちください。




