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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第四章 天嵐が舞い 太陽は輝く
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第四章ー⑭

昨日から、急に雪が降ってきましたね。

雪解け、めんどいなりぃ・・・

ドゴオォォォォン!!!

「「翠波ぁ!?」」

「翠波様ぁ!!」

翠波のいた場所に煙が巻き起こり、翠波の姿を隠す。

そこから一向に、翠波の出てくる気配はない。


「少しやりすぎちまったかな・・・?お~い、死んでねぇだろうな?」

炎を消し、ハヌマーンが翠波を探すために構えを解く。

「ハヌマーン、油断するな!!まだ相手の契約者は倒れていない!!!」

いち早く気づいたのか、ハヌマーンの契約者が警告をする。

「はっ、何言ってんだ?あんだけの炎をもろにくらったんだ、そんなわけ・・・」

そう言って、翠波がいた場所の煙が晴れるとそこには・・・

「なっ!?いないっ!!そんな馬鹿な!!」

「俺の『炎猿烈火・尖煉葬』をもろにくらったんだ!!死にはしなくとも、相当ダメージを受けているはずだ!!」

「ならばどこに行った!?躱したというなら、どこにいる!!」

首を忙しく動かしながら、翠波を探す。


「ここだよ」

上空から、静かにされど強く翠波の声が響く。

ハヌマーンは、翠波の声に気付き上空に目を向ける。

「なにぃ!?」

ドゴォ!!

ハヌマーンの頭に向けて、拳を振るう。


♢♢♢♢♢

ハヌマーンの『炎猿烈火・尖煉葬』を受ける瞬間・・

「これをもろに受けたくはないなぁ・・・ 『神をも縛る鎖 我が拳と共に全てを掌握せよ ヤルングレイブ・エンキドゥ』!!」

詠唱を唱えると、手甲として装備された『ヤルングレイブ・エンキドゥ』が輝く。

手を大気をつかむように動かすことで、見えざる壁を作り出す。

そこに技がぶつかり、爆炎を生み出す。

(よし、このまま!!)

「『神をも縛る鎖 我が脚に纏いて 天を駆ける輝きを ヤルングレイブ・エンキドゥ』!!」

再び詠唱を唱えると、脚甲として装備された『ヤルングレイブ・エンキドゥ』輝く。

脚部に風が纏われ、翠波が天へ駆けだす。

そうして、翠波はハヌマーンの技を受けきり、躱し上空を駆け、ハヌマーンへ反撃した。

「ここだよ」


♢♢♢♢♢

着地と同時に、ハヌマーンへ駆け拳を振るう。

「そこぉ!!」

「ぐうううう・・・なめるなぁ!!」

拳を受けながらも、耐え棍棒を振るう。

「甘い!!このまま押し切る!!」

棍棒を躱し、腹部へ蹴りを放つ。

ドガァ!!!

「動きが最初と違う!!厄介だなぁ!!」

棍棒が、再び炎を纏い、振るってくる。

翠波はその攻撃を躱し、天へ飛び出す。

「なぁっ!?空を駆けている!?」


「くらえぇぇ!!」

上空で一回転して踵落としを叩きこもうとする。

「その程度ぉ!!」

ハヌマーンは、棍棒で踵落としを防ぐ。

ガキィィィン!!

「これで終わらない!!」

棍棒を蹴って、再び上空を駆けだし、飛び蹴りを仕掛ける。

「なめんなぁ!!」

棍棒で、飛び蹴りをはじく。

はじかれた翠波は、宙で回転して着地しアルテミスに念話を送る。

《アルテミス、こっちは大丈夫!!そのまま、自分の敵に集中して!!》

《わかりました!!》


「契約者にしては結構やるじゃねぇか・・・ このまま、続けようかぁ!!」

棍棒に灯された炎がさらに燃え上がらせ、こちらに突っ込んでくる。

(この古具使うの久々だから・・・ けど、久々に前衛での戦闘が長引くのはあまり予想していなかったなぁ・・・)

『ヤルングレイブ・エンキドゥ』には少し特殊な仕様がある。

長く使用し続けると、脚甲と手甲になっている鎖が少しづつ使用者の手と足を縛り始める。

(けど、やるしかないよねぇ・・・・)

「もう、終わらせるよ!!」

翠波が迎え撃つために、構える。


ガキィィィン!!

炎を纏った棍棒が振り下ろされるが、右の手甲ではじく。

「なっ・・・にぃ・・・」

ハヌマーンが表情を笑みから、驚愕の表情に変える。

キィィィン

左手の手甲に音をたてて、輝きが集中する。

(ハヌマーンの体勢はがら空き・・・ ここで勝負をかける!!!)

「もらったああああ!!!」

輝きの集まった左の拳を振るう。

「『光花天拳・装左こうかてんせん・そうは』!!」

ドッゴォォォォ!!!!!

ハヌマーンの腹部に、光の拳が突き刺さり、ハヌマーンが吹き飛ばされる。

「ぐっおおおおおおおおっ!!!!! だが、これぐらいでぇ・・・」

空中で体制を立て直そうとするが、すでに翠波が目の前に迫って足を振り上げていた。

その脚甲は、すでに手甲と同じように輝きが集中していた。

(馬鹿な・・・いつの間に・・)

「『光花天脚・烈牙こうかてんしょう・れいが』!!」

ドッガアァァァン!!!!

蹴りが振り下ろされ、ハヌマーンがクリーンヒットし地面にたたきつけられる。


ハヌマーンは地面にたたきつけられたまま、動かない。

契約者が声を何度もかけるが、ピクリとも動こうとしない。

完全に気を失っている。

「ふぅ~ さすがに神の相手はきつすぎるよ・・・」

僕は、軽く息を吐いて、息を整える。

すると『ヤルングレイブ・エンキドゥ』が締め付けてくる。

「っく・・ さすがに外さないと・・・」

手と足から外すと締め付けてくる痛みがなくなる。

《アルテミス、もうこっちは終わったよ。そっちはどう?》


♢♢♢♢♢

時間は、翠波とアルテミスの念話が切れたところまで遡る。

「フハハハハハ!!甘い、甘いのである!!!」

ヤヌスが盾を振るいながら、アルテミスに向かってくる。

「撃ち込む隙が・・・っ!!」

「逃げてばかりでは、勝てぬぞ!?」

盾を躱しながら、隙をうかがっていると・・・


ドゴオォォォォン!!!

翠波とハヌマーンが戦闘していた方向から轟音が響く。


「翠波様ぁ!!」

轟音がする方に一瞬だけ目を向けてしまった。

「もらったぁ!!!!」

盾から光が発生し、拳を形作り、アルテミスに振るう。

「しまっ・・・」

アルテミスは何とか、自身の持つ双銃を体の前に持ってくるが、防ぎきることが出来ず吹き飛ばされた。

はいどうも、作者です。

翠波視点の戦闘は終わりました。

次話はアルテミスの視点になります。まぁ、次話からアルテミスの狩猟の神らしからぬ動きをします。

お楽しみに!!

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