第四章ー⑫
ようやく、戦闘です。ちなみにこの章自体がそこそこ長いです。
どうかお付き合いを・・
詩菜先生の掛け声と同時に走り出した僕とアルテミスは一気に先制攻撃を仕掛ける。
「速攻で片を付けます!!」
両手の銃を構え、トリガーを引き乱射する。
相手は予期していなかったのか、その場で防御の姿勢のまま動かない。
「アルテミス、そのまま乱射お願い!!」
僕はスピードをあげ、さらに相手ペアに接近する。
(相手は防御体制のまま動けない・・・ この勢いのまま流れをこちらに持ち込む!!)
そのスピードのまま、飛び蹴りの体勢に入る。
(もらった!!)
しかし、その飛び蹴りは当たらなかった。
「なぁっ・・・!?」
そしてそのまま、反撃をもらいアルテミスのところまで戻る。
「大丈夫ですか!?翠波様!!」
「うん、大丈夫だけど・・・ アルテミス、うしろぉ!!」
「ッ!!このぉ!!」
僕の声と同時に気付いたアルテミスは、再び銃を乱射する。
しかし、敵は全て防ぎその後ろから、ペアの片割れがアルテミスに棍棒を振るう。
(しまった!!このままでは避けられない!!)
ドゴォォ!!
「ガ八ッ!!」
「アルテミス!!」
アルテミスは棍棒に吹き飛ばされる。その吹き飛ばした勢いのまま、僕にも棍棒を振るってくる。
「翠波!!」
蓮が、作り出した光の剣を何本も投げて、相手ペアを後退させる。
「助かった、蓮!!」
「そんなことより、アルテミスさんは!?」
アルテミスが吹き飛ばされた方を見ると、腹部にダメージを受けたのか手で押さえながらも立ち上がる。
「蓮、ヘイムダルさん『観えた』!?」
「まだ!!というか、観える気配が一向にない!!多分権能か何かで妨害してる!!」
(ヘイムダルさんの権能を妨害する権能持ち、多分防御を担っている方が妨害してるとみていいかな・・・)
「まぁ、考えても仕方ない。攻め続けるよ、アルテミス!!」
そう言って、再び敵ペアの方へ駆けだした。
アルテミスもそれに続くように駆けだす。
♢♢♢♢♢
「さてさてどうしよっか、ヘイムダル?」
正直このフォーメーション結構あたしは暇なのだ。
(アルテミスさん狩猟の女神だからなのか、結構接近戦をやれるんだよねぇ・・・)
「もう一度、翠波の援護をすればよいのではないか?先ほどみたいに・・・」
「それが一番いいかもねぇ・・ とりあえずヘイムダルは敵の観察だけは絶やさないでね」
「了解した。だが、最悪俺も前線に出るぞ」
「それは構わないよ、ただし『戦令の号令』をかけてから行ってね」
そんな会話をしながら、あたしはいつでも二人の援護が出来るように光の剣を作り出していく。
♢♢♢♢♢
チラッと蓮の方に目を向けると、蓮は動かずその場で光の剣を作り出している。
(撃つタイミングは蓮に任せるとして、ヘイムダルさんもまだ動くつもりはないと・・・)
《翠波様、前方!!》
アルテミスから念話が届き、前方を見ると防御を担っていた敵が盾を振るって攻撃してくる。
「盾を振るってくるって何!?」
身体をかがめ、足払いをしようとするが、棍棒を持った方が棍棒を振るってくる。
「翠波様!!」
アルテミスが銃弾を放ち、棍棒をはじき敵の攻撃をそらす。
「厄介ですね・・・ あの盾を持つ者に対して私はあまり有効打を持ちません。眷属を召喚してもよいのですが、あの盾を突破しない限りは・・・」
「だね・・ ただ突破するにしても、要はあの盾を機能させなければいいんだから、防ぎきれない物量で押し切ればいいと思うんだ。まぁ、ただの脳筋戦法なんだけどね・・・」
「多分それがいいでしょうね・・・ 会長からも本気を出すなと言われているのですよね?」
「うん、だからもちろん『トリシューラ・ニルヴァーナ』は出せないからね。まぁ、徒手空拳は苦手ではないからこのままいくよ。行けるよね、アルテミス?」
「無論です!!」
作戦会議をしていると、敵ペアが攻撃を仕掛けてきた。
ガキィン!!
アルテミスが両手の銃をクロスさせ、棍棒を受け止めはじく。
「今です、翠波様!!」
棍棒をはじかれ、体勢を崩す神に回し蹴りを放つ。
しかし、いつの間に来ていたのか盾が回し蹴りを受け止めていた。
「なっ!!いつの間に!?」
「翠波躱して!!」
僕が、盾から飛びのくと同時に蓮からの光の剣が飛んでくる。
それに反応したのか盾をそちらに向け、全てを防ぐ。
(今だ!!)
盾に隠された神の体が見えたので、もう一度蹴りを放つ。
蹴りをもろに受け、吹き飛ぶ。
「このまま一気に押し切ります!!!」
アルテミスは追撃するために、銃を連射する。
撃った瞬間と同時にトップスピードで駆けだす。
「ふっ!!」
盾持ちと分かれた棍棒を持つ神に対して、もう一度蹴りを放つ。
狙いは、腕だ。
敵もそれをわかっていたのか、躱し再び棍棒を振るってくる。
それを躱し、一度距離をとる。
「ほぅ・・ 人間のわりに中々やる」
この契約戦書の中で、初めて言葉を発してきた。
「それは・・・お褒めに預かり光栄・・・とでも言っておきましょうか?」
(話しかけてきた・・・?)
「小僧、名を聞こう」
「天華翠波」
「我が名はハヌマーン!!天華翠波よ、勝負!!」
(ハヌマーン!?棍棒を持っている逸話は聞いたことがないけど・・・多分召喚されてから、鍛錬したのか)
「けど、売られた勝負は買わなきゃね・・・ いいよ、やろうか!!」
僕と敵の棍棒を持つ神-ハヌマーンは同時に駆けだし、拳と棍棒がぶつかった。
♢♢♢♢♢
(翠波様はどうなっているのでしょうか・・・?)
ブォォン!!
私の頭上を、勢いよく振られた盾が通り過ぎる。
躱してから、左手に持つ拳銃から弾丸を放つ。
「きかぬぅ!!!」
弾丸が肩や首に当たるも、痛がる様子もなく再び盾を振るってくる。
「弾丸が当たったのに、効いていない!?」
(ならば、もう少し弾丸に込める力を増やすしかないですね・・・)
「よいではないかぁ、麗しき女神よ!!我が名は守護の神ヤヌス!!さぁ、再び戦りあおうぞ!!」
「少し、うるさいですよ。あなた・・・」
私は、顔をしかめ両手の銃を再び構えた。
はいどうも、作者です。
さあさあ始まりました戦闘回。基本的に翠波たち視点でお送りします。
ちなみに少し補足を相手の神ハヌマーンが持つ棍棒はファンタジーに出てくるゴブリンなどが持つ棍棒ではなく、中国の武術にある「棍」が元です。ややこしくて申し訳ないです。
ちなみに翠波君、そこそこ徒手空拳が強いです。ただし、蹴りが主ですが・・・




