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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第四章 天嵐が舞い 太陽は輝く
66/202

第四章ー➇

今回で会議もとい報告会は終了です!!

「まず最初にみんなに聞きたいんだけれど、『権能』って何だと思う?」

蓮が今この会議に参加しているみんなに問いかけてくる。

「少し考える時間をあげるね」

その言葉を聞いて、僕らは考え始める。


筆頭監察官が思いついたのか、自分の答えを述べる。

【私は、その神、天使、悪魔の存在の根幹に関わるものだと考えているわ。それと闘う力の二つね】

なるほど、筆頭監察官はそのように考えているのか・・・・

統括捕鎖官もそれに便乗して答える。

【自分も同じように考えている。そして、生きるための力とも考えている。『権能』がなければ彼の者は自我をなくしてしまうのではとも考えている】


「統括補鎖官さんは、そんな風に考えているんだね~ 二人の考えは確かにそうだと思うよ、実際この前の天使は少しだけ自我を失っていたし・・・」

そんなことになっていたのか・・・ 

蓮から少し聞いていたけど、詳しくは聞いたことがなかった。まさか自我を失っていたとは・・・

「それで?そちらの至天公さんはどうお考えなのかな?」


至天公さんは、少し考えると・・・

【僕は、神話での存在の確立。もしくは筆頭監察官も言ったように存在の根幹に関わってくるものだと考えている。神話での存在の確立、つまりその者の生き方を権能によって肯定しているのだと・・】

と答えた。

なるほど、その者の生き方の肯定か・・・・


「ふ~ん、面白い考え方だね。その者の生き方の肯定か・・・ 確かにそれが神話になっているってことはそういうことだもんね・・・」

蓮は至天公さんの言葉に何か思うところがあるのか、その言葉を噛み締めるように納得する。

「それで?『知啓』と『月穣』はさっきから黙ってるけど、どう考えてる?」


「う~ん私はそこまで深くは考えてなくて・・・ 単純に象徴って考えているの」

【象徴とは?】

黎芭さんの言葉を聞いて、統括補鎖官が聞いてきた。

「簡単に言うと、その天使や悪魔、神の代名詞っていうこと。『権能』があることで彼の者たちを示すっていうこと」

「まぁ、その権能を使用することで正体がわからなくても、ある程度わかったちゃうっていうデメリットもあるけれど・・・」


「なるほど、それはそうだね。私の契約している神にも同じような『権能』があるからわかるね。それで、今だに何も言っていない『月穣』はどう考えているのかな?」

まだ、何も言っていない僕に問いかけてくる。


「そうだね・・ 僕は、彼らが築き上げてきた全て。そして、彼らの生き方だと僕は考えているよ」

そう、この考えが僕の持つ『権能』への印象だ。

「それにね、彼らが今この現実にいるっていう確信でもあるんと思うんだ」


「築き上げてきた全てって?」

蓮が、僕の考えを疑問に思ったのか聞いてくる。

蓮だけでなく、他の人たちも疑問に思うのか言葉には出さないが目で訴えてくる。


「うまく説明できないけれど、例えば武神たちならば彼らの持つ武力、武器の使い方。智神なら彼らの持つ知恵の多さ。他にも医神なら彼らの持つ薬への知識、医療技術の高さ。それらが彼らの築き上げてきた全てだと思う」

そう、神話の中で身に着けた彼らの経験が彼らの全てだと考えている。

【それじゃあ、生き方というのは何かしら】

それを聞かれると、答えづらいなぁ・・・

「まぁ、簡単に言いますと彼らの特性と言った方がいいですね。武神なら「戦闘が好き」や智神なら「未知の物への好奇心が高い」などですね」

【なるほど、彼らの持つ特性、生き方・・・・か。確かにそれが無くなるのは確かに自我を失いかけても仕方ないな・・・】

例として、神を引き合いに出しているが、それは悪魔や天使でも変わらない。

特に悪魔は生き方を失われると相当まずいことになるのではないか・・・と僕は考えている。


【それで、『黄昏』はどのように考えている?】

僕たちの意見を聞いた蓮がどのように考えているのかを至天公さんは問う。


「私はね、彼らの命もしくは彼らの物語だと考えているよ。この前の天使の状況を見て思ったよ、『権能』が一つなくなるだけで、彼女は全てに失望したような表情をしていた。まぁ、これもこの前のあなたたちからの依頼で彼女を観た後に思ったことなんだけどね・・・」

少し悲しそうな表情で、蓮が告げる。


【なるほど、命か・・・ 良い考えだと僕は思うよ】

【そうですね、それに今までの意見すべてが間違いではなく正解でもない。一人一人の考えがよく知ることが出来た】

そう言いながら、至天公さんと統括捕鎖官が二人で話し出す。


【それで?それぞれの意見が出たところで、これからどうしていくつもりかしら?】

筆頭監察官がこれからの方針について聞いてくる。


それに対して黎芭さんが

「正直言うと、今回みたいに後手に回ることが多くなるんじゃないかな・・・ いまだに暴走する原因がつかないし、その予兆もわからない。何か暴走の原因でも分かればいいんだけど・・・」

と手詰り感を口にする。

【ならば、こちらでその原因を調査しよう。前回の六人組から血液サンプルなどをとり、あらゆる方面から調査する】

それに対し、筆頭監察官が『機関』での調査を提案する。

「いいのかしら、そのような本格的な調査・・・」

【構わないわ・・・ ただし『黄昏』にも協力してもらうわよ。あなたの契約神の力を借りたいのよ】

それを聞いて、黎芭さんが蓮に視線を送る。

「構わないよ、私もそれを言い出そうとしてたし・・・」

【なら決定ね、詳しいことはこちらから連絡するわ。今日いい会議が出来たわ、さようなら】

そう言って、筆頭監察官との通信は切れた。


至天公さんと統括捕鎖官も、筆頭監察官の通信が切れたことに気付いたのか、一言挨拶残して通信が切れた。


♢♢♢♢♢

報告会が終了した僕たちは一息ついた。

「ふぅ~ やることが増えたね、蓮?」


「まぁ、そうなるんじゃないかって薄々感じてたけどね・・・」

「それよりも、あたしは筆頭監察官に対する黎芭さんの態度に驚いたな~」

今まで、疑問に思っていたのか蓮は黎芭さんに問い詰める。


「それは僕も思ったよ。それにまさかこんな報告会に幹部が出てくるなんて思いもしなかったよ・・・ もしかして黎芭さん、何か『機関』と何かあったんですか・・・・?」

そう、何故こんな報告会に幹部が参加したのか正直意図が読めない・・・

まぁ、考えても仕方がないから黎芭さんを問い詰めることにしよう。


♢♢♢♢♢

「中々面白いものたちだったね、統括捕鎖官?」

ある一室で、男二人が話していた。


「ええ、私の部下たちが彼らを頼るのもお分かりになられたかと・・・」


「彼等との協力関係を築き上げていたのは本当に良かったと思っているよ。それに筆頭監察官もどうやら彼らの一人と協力関係を個人的に築いたみたいだしね・・・」


「それは・・『黄昏』殿と・・・ということでしょうか・・・?」


「確実にそうだろう・・ 彼女は知的好奇心にあふれているからね」

「これからどのように動いていくのか楽しみだよ『執行者』諸君・・・」

二人の内の一人「至天公」は笑顔で呟いた。

はいどうも、作者です。

次回から再び学園での話というか、ここから学園での日常が加速します。

ちなみにネタバレですが、次の章も学園がメインです。

というかようやく学園ものらしくなってきた・・・・

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