第四章ー⑦
【そこまでだ】
【そのことを話すために、今回の報告会を開いたのだ。時間はまだ早いが役者がそろったのでそろそろ始めようじゃないか】
新たに金髪の男性がモニターに映し出された。
「あなたは・・・誰ですか・・・?」
急にモニターに映し出されたので、こちらは少し戦闘準備に入っている。
【そんなに緊張しなくていいよ。僕は君たちの敵ではないからね】
僕らの敵意を画面越しに感じたのか、微笑んでその敵意を流す。
【僕は彼女たちの上司。『機関』の幹部の一人、至天公と覚えてくれたら嬉しいね】
多分その名前は与えられたコードネームだろう。
「なぜ幹部がこの報告会に?」
【なぜ、と言われても・・・ 今回の報告会を提案したのが僕だからさ】
それを聞いて、僕と蓮は驚いた。
まさか、幹部まで出っ張ってくる話になっているとは・・・
【それに日頃からこちらの『依頼』をこなしてくれている君たち執行者に礼を述べたいというのもあってね】
思わぬ答えに、返答できないでいると・・・
「それは不要ですよ、至天公殿。私たちは私たちの仕事をこなすまで、さぁ会議を始めましょうか」
黎芭さんが、僕らの代わりに返答してくれて会議へと進んだ。
【それで、今回の件だがまずはこちらから情報を開示しよう。筆頭監察官】
【承知しました、至天公様。まずはこちらを見てくれ】
そう言うと、モニターに何かのグラフが映し出された。
「これは・・・?」
グラフを見て蓮がつぶやく。
【これは、今回の『依頼』であなたたちに捕獲してもらった契天者、魔使者の契約魂の数値をグラフ化した物よ。右が元々の数値、左が暴走した時の数値。見てもらえばわかるけれど、全員が暴走して直後に数値が元々の倍以上に跳ね上がっているのよ】
それに同調するように統括捕鎖官が
【それだけでなく、彼らの身体能力もしくは五感が普段よりも上がっていることが判明した。契約者本人に付与する権能なら説明はつくが・・・ そのような形跡は一切なかった】
【ありがとう、二人とも。また、私直属の部下に調査させたが彼らはあの暴走を起こした日に始めて出会ったそうだ】
あの日初めて出会ったのらあの計画性のなさも頷ける・・・・
すると蓮が
「ねぇ統括捕鎖官さん、彼らのスマホや連絡アプリとかに指示らしきものは確認できた?」
とそんなことを聞いた。
【いや、まだ確認していないが・・・】
統括捕鎖官が答える。
「だったら、確認してみた方がいいかもしれないね。だいたい初対面の人間がこんなことをやるって絶対どっかのサイトとかで募集者を募って、そのうえで連絡アプリでグループを作って指示出してそうだし」
「それに、その連絡先を辿れば少しは原因の解明にもなるんじゃないかな?」
【ふむ・・・・ しかしそれは、個人情報を見るということになるのだが・・・】
統括捕鎖官は少し迷っているようだ。しかし、そこに至天公さんが・・・
【構わないよ、統括捕鎖官殿。私が許可を出す、この報告会が終わったのち調査に入ってくれ】
【承知しました至天公様】
「それじゃ、次は私たちの方から報告させてもらうね。『月穣』君お願いね?」
「わかりました。それではまずこちらをご覧ください」
そう言ってモニターにさっきのグラフとは違い表を出す。
【これは・・・?】
筆頭監察官が聞いてくる。
「これは、これよりも前の『依頼』私たちが最初に関わった暴走する契天者の契約天使の権能の表です。右が暴走する前、左が暴走した後になります」
【権能を観るだと・・・ そんなことが可能なのか!?】
驚いた様子で、統括捕鎖官が聞いてくる。
それに対して蓮が
「可能ですよ、とは言っても私自身ではなく私の契約している者の権能になりますが・・・」
そう、ヘイムダルの権能「『世界を見張る者』は対象を指定さえすれば、権能を観ることすらできる」と過去に蓮が言っていた。
「表を見て、何か変わったところはないでしょうか?」
【いや・・特に気になったところは・・・】
統括捕鎖官は分からないようだ・・・
【至天公様は何か分かりましたか?】
【いや、僕もどこが違うのかはっきり言って見当つかないよ。それに権能の表を出されても・・・】
「筆頭監察官さんは何か分かったんじゃないですか?」
蓮が意地悪そうに筆頭監察官へ質問する。
顎に手を当て、考えた後に筆頭監察官が口を開く。
【ええ、わかったわよ。暴走した後にはあるものが消えているわね?】
「ご明察。で、そのあるものとは一体何でしょう~か?」
【権能ね?それもその天使を天使たらしめる権能そのものが消えているのね?】
それを聞いた蓮は口元を笑いに歪めて
「大正解です!!そう!!暴走した後は権能が消滅するの、しかも存在などに関わる権能が!!」
それを聞いた統括捕鎖官と至天公さんは驚き叫ぶ。
【そんな馬鹿な!!一度召喚し契約した者の権能はいかなるものであろうと消滅させることが出来ないはずだ!!それに、「存在に関わる権能」がだと!?】
【そんな馬鹿な話僕は聞いたことがない・・・ これはどういうことか説明してくれるかな、『黄昏』殿?】
「それは確かに認められないだろうね・・・けれどこれは事実なんだ・・・ その理由も説明するから・・・」
さっきまでの笑顔をなくし、悲痛な顔になって蓮が語りだす・・・
はいどうも、作者です。
始まりました報告会!!ただの会議ですが・・・
この会議は次の話くらいで終了しますので、もう少しお付き合いを・・・
それが終わり次第学園での生活に戻ります。
今回は学園での戦闘がありますので、お楽しみに!!




