第三章ー㉔
はい、前回の続きで今回が第三章の最後になります。
戦闘が終了し、少しフレイヤと休んだ後に、インカムに手を当てオペレーターつまり彩先輩に通信を送る。
「オペレーター、聞こえますか?こちら『月穣』捕縛対象の無力化に成功」
しかし、通信が返ってこない。
「オペレーター、聞こえますか?彩先輩?」
それでも通信が返ってこない。
「彩先輩!?聞こえますか!?」
三回目でようやく通じたのか、通信が返ってきた。
【すいません。他の『執行者』と通信していまして・・・そちらの捕縛対象の無力化を確認しました】
どうやら、『黄昏』と『知啓』の二人と通信していたみたいだ。
「他のところの状況は?」
【もうすでに、捕縛対象を無力化し『機関』の捕鎖官に引き渡し始めています。そちらにも捕鎖官を送るように伝えましょうか?】
他の二人のところは終わっていたみたいだ・・・ 僕たちのところが一番最後というわけだ。
「お願いします。一応、気絶をさせてはいますがいつ目が覚めるかわからないのでなるべく早く来てもらうようにお願いします」
そう言って、ポッケから『執行者』用のスマホを出して位置情報を「HEAVEN」のオペレーター用のパソコンに送る。
【座標を確認しました。すぐに捕鎖官を向かわせるように、連絡しますので少々お待ちください】
そう言って彩先輩は通信を切った。捕鎖官の隊長に通信をつないだのだろう。
「す~いはっ君!!」
「うわっ!?」
通信が切れると、フレイヤが抱き着いてきた。
「今日は、疲れたわね~ それに久々にこの子たちも召喚できたからご満足よ」
久々にワルキューレさんたちを召喚して戦闘したからなのか物凄くイイ笑顔をしている。
ワルキューレさんたちも、物凄くイイ笑顔をしている。何かストレスでもあったのだろうか・・・・?
「それにしても、こんなにワルキューレさんたちを喚んでもよかったの?まぁ、物凄く助かったけども・・」
そう、ワルキューレさんたちは基本的にいつも表に出ているワルキューレ・ヌルさん以外にワルキューレ・アインス、ツヴァイ、ドライが今回喚び出され戦闘していた。しかも、喚び出す人数が多ければ多いほどフレイヤのワルキューレさんたちへの指示が大雑把になる。
まぁ、全員顔は一緒なので髪型や武器で見分けるしかないので、指示出すのが大雑把でも構わないんだろうけど・・・
「まぁ、大丈夫よ。それに一応ワルキューレの中にも、指示を出す力を持った子や敵の位置情報を捉えるのに特化した子がいるから、これくらいなら・・・ね?」
「話は変わるけれど、今回の捕縛対象何かおかしくなかった? この前の依頼の暴走した契天者よりも理性を持っていたわよ。それに、何故か連携もできていた・・それでも最後には少し理性を失ったようにいきなり叫びだして攻撃の苛烈になったわ・・・」
フレイヤが、僕の質問に答えた後今回の捕縛対象についての疑問をこぼした・・・
それはそうだ。今回の捕縛対象はどこかおかしかった・・・
何故、異常なクラスアップをしていながら理性を保っていたのだろうか・・・
「僕にもその疑問の答えは分からない・・・正直、戦っている途中に気持ち悪いと思ったよ」
「何で、急に理性を失ったのだろうか?何かのスイッチが入って理性を失う理由でもあるのだろうか?」
うん?待てよ・・・もしかして僕たちのところだけでもなく、他の二人のところでもこのようなことが起きていたのではないだろうか?
そんなことを考えていると・・・
「お待たせしました、『月穣』殿、フレイヤ様。今回は突然の依頼申し訳ありませんでした」
捕鎖官たちが来て、そのうちの一人が申し訳なさそうに話しかけてきた。
「いえいえ、大丈夫ですよ。『依頼』を受けて対応するのが『執行者』ですので・・・ それに今回の捕縛対象は仕方ありませんよ・・・」
それに僕は、あまり気にしないように・・・と返答する。
それに便乗するように、フレイヤが捕鎖官に声をかける。
「そうよ、今回の『依頼』は仕方ないわよ。それに、あなたたちは戦闘がメインではなく、捕縛がメイン。それに対して私たちは戦闘系の依頼が多く来るのよ、そこは確実に戦闘経験の差よ」
「まぁ、あなたたちは人間・・・・ まだまだ、成長はできるわよ。これから頑張りなさい・・・ね♪」
そう言って、ウインクをした。
それを見た捕鎖官が、まるで見とれたようにボッーと見ている。
「なにボッーとしているの!!しっかり仕事しなさい!!」
「は、はい!!」
「部隊長ー!!捕縛対象の身柄、連行できます!!そろそろ収容場へ行きますよぉー!!」
「わかった!!今すぐ向かう!!」
顔を部下らしき人たちの方に向けて、声に応えるように返事すると、顔を再びこちらに向けると・・・
「ありがとうございました!! これからも精進し続けます!!『月穣』殿もまた、仕事があればよろしくお願いします!!」
と言って、頭を下げると部下たちの方へ走って行った。
「彼、部隊長だったんだね。それに、中々強そうだよね」
「そうね、もし戦闘に特化させると契約しているのが何かは分からないけれど、確実に強くなるわね」
「それは、戦神としての側面から?」
「ええ、そうね。それにワルキューレたちも強くなるって確信したような感情がこっちに伝わってくるもの」
ワルキューレさんたちは「戦女神」だ。強くなる人物は直観的にわかるのだろう。
「それはそうと、フレイヤ?少しだけあの部隊長を魅了していなかった?」
そう、ウインクした瞬間部隊長の頬が赤らんだのだ。
「な、何の事かしらねぇ~」
目を虚空に向けながら、顔をそらす。
「さ、さぁ帰ろうかしら・・・ ワルキューレたち帰るわよ~」
「フレイヤ・・・?」
「ご、ごめんなさ~い。少しからかっただけなのよぉぉぉ!!」
そう言って、フレイヤは走り出した。
それに続くようにアインス、ツヴァイ、ドライも走り出した。
「あれ?何でヌルさんは走らないんですか」
〔多分というか、確実にアルテミス様が待ち構えていますので・・・〕
ああ・・・
すると、少し先の方でフレイヤの「ちょっ、何でここいるのよアルテミス!?」「見えましたよ、フレイヤ。魅了してしまったようですね・・・依頼の時の悪口も含めてお仕置きです・・・ね?」「い、今ここで?な、何で逃げるの?アインス こっちを見なさいよ!?ツヴァイ!! ドライ!!十字を切らないで!!この薄情戦姫たちぃぃぃぃ!!」
「はいうるさいですよー 静かにしましょうねー」
フレイヤがアルテミスに連れていかれた。
「・・・・・帰りましょうか?」
〔ですね・・・〕
僕とヌルさんは「HEAVEN」への帰路についた。
「いやぁぁぁぁ!!助けてぇぇぇ!!!!」
フレイヤの悲鳴を聞きながら・・・・
どうも作者です、第三章終了です。
次回から第四章に入ります。少しづつ物語は加速し始めます。
まぁ、とは言っても学園内で『依頼』が来たりなどですが・・・
それと、第一章でも言っていたフレイヤの魅了についてですが、ぶっちゃけ権能ではありません。
ゲームでいうパッシブスキルに近いことになっています。まぁ、美と豊穣の女神ですし・・・・
一応オン、オフはできますが基本的にオフになっています。
そして、魅了をしてしまった場合アルテミスからのお仕置きがあります。
今回の最後ですね・・・ ワルキューレたちは助けません。
まぁ、自業自得ですし・・・




