第三章ー㉓
はい、『月穣』―翠波視点大詰めです。
さてさて、どうなるでしょう?
ドガアァァァンンン!!!!!
それぞれ吹き飛ばされたところから、瓦礫が宙に舞う。
「くそがアァァ!!なめてんじゃねーぞおぉぉぉぉ!!!!」
悪魔が岩の斧を両手に持ち、正気を失ったような形相をしながらこちらに向かってくる。
「させるわけないじゃない!!!アインス!!」
フレイヤがアインスに攻撃を防ぐように指示を出し、アインスは両手の盾でその攻撃を防ぐ。
しかしアインスが力で盾ごと押され、吹き飛ばされる。
「アインス!!?」
フレイヤが信じられないという声を上げる。
「うおおおぁぁぁぁぁ!!!」
天使と契天者も、氷の弾丸と氷のつぶてを放ちながらこちらに接近してくる。
こちらも正気を失ったような形相をしている。
「いきなり、理性を失った!?いや違う!!これが本当の暴走か!!!」
先ほどまでは、暴走していなかった?でも、それだと力の上がり方がおかしい・・・
でも、理性を失っているのなら勝機は格段に上がる!!
全ての攻撃をかわしながら、通信を繋げる。
「アルテミス、狙える?」
アルテミスに狙撃を出来るかどうかを確認する。
【可能です。どちらを狙えばよろしいですか?】
相変わらず頼もしい限りだ。
「契天者の方をお願い、合図はこちらから出すから。殺さないでよ?」
殺してしまうと、『機関』の解析文官に引き渡せずこの事件の解決が遠のいてしまう。
他にも暴走した契約者はいるけれど、殺してはいけない。
僕たち『執行者』は殺し屋や始末屋ではないのだから・・・
【了解しました。そちらも殺しはしないように】
通信を切り、目の前の暴走している四人に集中する。
「でぇぇぇぇい!!」
魔使者が岩の矢を何本も作り出し、こちらに放つ。
それと同時に悪魔が地面を隆起させ、攻撃を仕掛けてくる。
「ツヴァイ、破壊しなさい!!ドライあなたは破壊と同時に、天使に行きなさい!!」
同時攻撃を躱し、ツヴァイが光弾を連射し全て破壊する。
と同時に、ドライが高速で天使に近づき体を一回転させダブルセイバーを振るう。
しかし、ドライの攻撃はかすっただけですぐさま反撃してくる。
その攻撃を先ほど吹き飛ばされたアインスが復帰し、ドライへの攻撃を全て防ぐ。
「ヌル、今よ!!魔法を最大出力で放ちなさい!!」
フレイヤがヌルに四人に向けて最大出力で魔法を放つように指示を出す。
杖を空中に掲げ、炎弾を何個も生み出し杖を振り下ろすと同時に、炎弾から幾重ものレーザーを放つ。
「当たらねぇよ!!」
「こんなものでぇぇぇぇ!!!!」
魔使者は躱しながら、岩の矢を放つ。
悪魔は、盾を作り防ぎながらこちらに接近してくる。
「なめるなあぁぁぁぁぁ!!!!」
「くっ・・・そっ・・・がぁ!!」
天使は、ところどころ傷を作りながらも躱す。
契天者は氷の壁で防ごうとするが、溶かされ右足を焼かれ、その場に倒れ込む。
「きっさまぁぁぁぁぁぁ!!!よくもぉぉ!!!!」
契天者は氷で義足を作り、その両手に氷のナイフを作りだし途轍もない速度で向かってくる。
(ここだ!!)
「アルテミス、任せた!!」
アルテミスに狙撃の指示を出す。
♢♢♢♢♢
戦闘地域から遠く離れたビルの屋上、アルテミスがスナイパーライフルを構えていた。
そこに、翠波から通信が届く。
【アルテミス、任せた!!】
その通信を聞いたアルテミスは、権能を使う。
「何者も我が弾丸から逃れることは不可能 撃ち抜け銀の弾丸『神弾銀矢』」
その詠唱を終えた瞬間、一発の銀の弾丸が放たれた。
♢♢♢♢♢
バキィィン!
「なん・・・・だとぉ・・・」
契天者の氷の義足が一発の銀の弾丸によって破壊され、体勢を崩す。
(ありがと!!アルテミス!!)
「今よ、ドライ!!」
体勢を崩した契天者をドライの振るったダブルセイバーの一閃が契天者を切り裂く。
「ぐっ・・はぁ・・ なぜ・・だ?なぜこんなことに・・」
契天者は気絶し、崩れ落ちる。
血は出ているが、どうやら死んではいないようだ。
「貴様らぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
天使が自身の契約者を倒された怒りから、今までの比ではないくらいの氷塊を作り出す。
「死ねぇぇぇ!!『氷麗流星』!!!!」
その氷塊が砕け、まるで流星のようにこちらに放たれる。
ひとつひとつが巨大で、くらえばひとたまりもない。
「これは僕が打ち破る。向こうは任せたよフレイヤ」
そう告げると、フレイヤは
「ええ、任せなさい。これで終わらせましょう」
そう言って、悪魔と魔使者の方にワルキューレ四人を従えて相対する。
「さて・・と、やろうか!!」
「真の力を解放しろ!!万物を焼き尽くす業火の槍よ 今ここに顕現せよ!!『トリシューラ・ニルヴァーナ』!!」
詠唱を唱え終えると同時に、槍先に蒼い炎が宿り、刃となる。
ゴウッ!!
槍を振るうと同時に炎が舞い、周囲に熱の暴力を振りまく。
「それがどうしたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
天使はひるむことなく、氷塊から氷の流星を放ち続ける。
そこに、翠波は駆けだす。
「終わらせるっ 舞い上がれ蒼炎!!『炎天葬・紅』!!」
槍を縦横無尽に振るい、炎の刃を放つ。
同時に自身に向かって放たれる氷の流星を全て溶かしつくしていく。
炎の刃は天使に直撃していき、その体を焼き尽くしていく
「がああぁぁぁ!! 熱い、熱いぃぃぃぃぃ!!」
天使は炎に悶えながらも、逃げようとするがそれより早く翠波が一撃を叩きこむ。
天使は熱さと痛みにより声もなく気絶した。
「まだ、俺たちが残っているぜぇぇ!?」
悪魔が、まるで最後の一撃と言わんばかりに巨大な岩の大剣を作り出し攻撃を仕掛けてくる。
「フレイヤ!!」
相対しているフレイヤに恐怖の感情はない。
あるのは、自信だけだ。
「死ねぇぇぇ!!!!『岩剣災禍』!!!」
巨大な岩の大剣をフレイヤに振り下ろす。
それと同時に、魔使者も自身の手に持つ岩の大剣を振るう。
「さぁ、やるわよワルキューレたち!!」
フレイヤの付き従うワルキューレたちが一斉に力を溜め始めた。
「今更何をしようともう遅え!!消えやがれぇぇ!!!」
ドガァン!!
岩の大剣二振りがフレイヤに直撃する。
「へっ、死にやがったか・・・・ なにぃ!?」
しかしフレイヤは無傷だ。
「この子の盾をその程度の力で破れるわけがないでしょう?押し返しなさい、アインス!!」
アインスが大剣を受け止め、盾を輝かせ押し返す。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!くそがぁ!!!」
悪魔はもう一度大剣を振るおうとするが・・
「もう遅いわよ♪決めなさいツヴァイ、ドライ!!」
ドライがダブルセイバーの刀身を輝かせ斬りかかり、一閃する。
その後、ツヴァイが先ほどより太い光線を二人に放ち、吹き飛ばす。
ドゴォォォォン!!
二人は、建物の壁にぶつかり気絶する。
「ヌル、お願い」
ヌルが杖を振るうと、光の縄が悪魔と魔使者を縛り拘束する。
それを確認したフレイヤが
「これにて、今回の『依頼』終了・・・ね?」
こっちを向いて、微笑んでくる。
「ああ、終了だ」
それに僕は微笑み返した。
はい、どうも作者です。
今回でこの章での戦闘は終了です。あとは、『機関』の補鎖官への引き渡しや日常が少し入ってから次の章に進みます。
まぁ、その前に蓮と翠波の持つ古具の説明があるんですけどね・・・




