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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第三章 豊穣と銀月は輝く
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第三章ー④

ようやく本題に入れました。この会議はそろそろ終わります。

「まず、さっきも言ったように突然のクラスアップは本来あり得ない。ここまではいいね?」

黎芭さんが確認のように聞くと、みんなは「当然」というようにつぶやく。

「だけど、実際それは起こった。しかも、『機関』が捕縛した契天者が・・・ね」


「一つ質問よろしいですか?」

彩先輩が、手を挙げて質問をする。


「いいよ~ どうしたのかな?」


「そのクラスアップした契天者はどんな様子でしたか?」

どうやら、契天者の様子が気になるみたいだ・・・


「どんなっていうのは、正気を保っていたか否かっていうことでいいかな?」


「はい、そうです。本来あり得ないクラスアップをしたならそれ相応のリスクがあると私は見ています」

なるほど、いい考えだ。この人がいると、早く今回の事件の真相にたどり着きそうだ。


「う~ん、私はその現場には行ってないし戦ってもいないから、翠波君に聞くといいよ~」

「翠波君が対峙した時の状況をよく知ってるからね」

黎芭さん!?急に話をこっちに回さないでもらえますか!?


「それでは天華君、お聞きします。その契天者は正気だったんですか?」


「いいえ、正気ではありませんでした。目はどこか虚ろでしたし、契約天使の言葉もどこか片言にいました」

「それだけでなく、契約魂の容量は上がり、相手の権能に込められていた天光も普通の契天者よりも多く籠められていました。なのに相手は、疲れた様子が一つもありませんでした」

そう、あの契天者は正気ではなかった。まるで、自分の力を誇示するかのように、契約天使の権能をふるっていた。


「ということは、そのあり得ないクラスアップは契約者本人だけでなく、契約している奴にも影響があるってことか?」

アザゼルさんは苦虫を潰したような表情をしながら、確認してくる。


「ええ、おそらくは・・・」


「答えてくれて、ありがとうございます」

すいません、質問は以上ですと言って話の先をうながす。


「今翠波君が言ったような状態の契天者を捕縛した後、『機関』に確認したの。「過去にも同じような事例はなかったか」ってね」

そんなことをやっていたのか・・・

「そしたら確認した二日後くらいに連絡が来て、「過去にもこのような事例は一度もなかった。今現在、捕縛した契天者を調査するので、結果を待ってもらいたい」って来てね」

「しかも、「こちらの調査で、何もわからなければ『執行者』の片割れである「黄昏」をこちらに派遣してもらいたい。日時はこちらから指定する、これは正式な『依頼』でもある」とも書いてあってね」

そんな連絡が来ていたのか・・・・


「すまない、「黄昏」とは?」

岡林先輩が聞く。まぁ、僕たちの『執行者』の時の偽名教えていないから仕方ないのか・・・


「あれ、聞いていないの?『執行者』の時の偽名だよ。蓮ちゃんが「黄昏」で、翠波君が「月穣(ディアナ)」だよ」


「なるほど」


「で、話を戻すけどその派遣が昨日の『依頼』だったの。その結果をまとめたものを今から移すね~ メティスお願い」

そうメティスさんに声をかけると、部屋は暗くなり壁に黎芭さんがいつの間にか持ってきていたパソコンの画面が映し出される。


「ありがと、それじゃあ説明するね。まず、真っ先に言うと情報はあまり得られなかったわ。しかも、何故突然クラスアップすることが出来たのか、その根本的なものが・・・ね」


「それは、『機関』でも、草川のヘイムダルでも無理だったってことか?その辺はどうなんだ草川?」

蒼架会長が蓮に話を向ける。


「ええ、そうよ。私は最初その話を聞いた時、何らかの要因特に薬物を疑ったわ。けれど、「観る」ことが出来なかった。いいえ、むしろ全て正常だったのよ」

ヘイムダルの権能のひとつである「世界を見張る者」は過去を観ることが出来る。けれどもそれで「観る」ことが出来なかったということは、明らかに不自然だ。


「なるほどな・・・」


「けれども、何個か情報は持ち帰れたわ。黎芭さん説明をお願いしてもいいですか?」


「うん、構わないよ。みんな、このグラフを見てくれる?」

そういって、壁に映し出されたグラフに目を向ける。


「なんだ、これは?」


「対象の元々の契約魂の容量と突然クラスアップした後の契約魂の容量。蓮ちゃんが「観て」くれた情報のひとつだよ」


「なんですか、この上がり幅は!?本来出来るクラスアップの比ではありません!!」

彩先輩が、見るはずのない上がり幅を見て驚愕する。


「そうなんだよね、本来こんなに上がることはないんだよね・・・ けれど、実際上がってしまった。そうだよね?」


「ええ、そうですね」

蓮が再び話し出す。

「この情報を『機関』の解析文官に伝えたときは、ほとんどの人がさっきの彩先輩と同じ反応をしていたわよ。けれどね、それだけじゃないの。黎芭さん次の情報を・・・」

そう、蓮が次へ促す。


「うん、そうだね」

そういって、次の画面に切り替わる。


「これは・・・なんだ・・・?」

岡林先輩がつぶやく。画面に映っていたのは二つの権能のリストと、悲しみくれる天使の姿だ。

しかし、片方のリストにはある名前が、もう片方のリストには表示されていない。


「捕縛された契約者の契約天使だよ。多分だけど、急なクラスアップの副作用だろうね」

権能を一つ失った契約天使の姿だった。


「どう・・いう・・ことだ・・・」

震える声で、詩菜先生が問う。


「そのままの意味ですよ。正規の手順でクラスアップしなかったから、このようなことが起きた。私たちはそう考えています。これは『機関』の解析文官も同じ意見です。ですが、何故このようなことになったのかはヘイムダルの権能をもってしても「観る」ことが出来ませんでした」

蓮は、ここにいる全員に聞こえるように告げる。


「今のところわかっている情報がこの二つ。『機関』側もこれ以上は分かっていないみたい・・・」

「それで、あなたたちにも聞きたいんだけど・・・ なぜ、急にクラスアップするのかその要因を予想してくれないかな?」


「あんたらはもう予想しているのか?」


「はい、もう予想していますよ」


「わかった、俺らと詩菜先生で考える。少し待っていてもらっても構わねぇか?」


「ええ、構いませんよ」

そう言って、蒼架会長たち五人は相談しながら、考え出した。

はい、どうも作者です。いやぁーいきなりいろんな情報を開示しましたね『執行者』たち。

そして、まさかの『執行者』たちの偽名もここで公開です。まぁ、本名でやってると色々やばいですしね・・・

というわけで、次話かその次でこの会議が終了します。その後、少し日常が入って戦闘勃発です。

色々お楽しみに~

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