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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第十一章 風は涼み 天は広がる
202/202

第十一章ー⑯

ワルキューレ・ドライ「あの~ 学園内で「暴走」って・・・」

まぁ確実に置きますよね。というか『敵』からしたら絶好の的ですから。

ワルキューレ・ドライ「そうなんですね?」

考えてもみてください、力をつけようと頑張る契約者がたくさんいるんですよ?狙い目じゃないですか。

ワルキューレ・ドライ「そう考えるとそうですね。でもまぁ悪魔ですし見下している訳ではないですが・・・ あの五人なら余裕では?」

まぁその辺はノーコメントで

走りながら僕らに向かって放たれる弾丸を、直撃しそうなものだけはじいていく。

後ろからフレイヤとヘイムダル、ワルキューレ・ツヴァイが援護してくれているが、流石に連射性では敵わない。

「神の権能よりも速い連射性能って何!?」

「それは相手に言うか、自分で観てよ!!」

「今の状況で詠唱する時間はな・・・いって!!」

そう言いながら弾丸をはじく。というか何で悪魔が古具みたいな武器を持っているのか・・・


何とか悪魔に近づいて、同時に『ティルフィング・クーゲル』と『トリシューラ・ニルヴァーナ』を振るう。

それを躱すことなく魔力障壁を三人分重ねて僕らの古具の一撃を受け止める。

「マジィ!?人間の力とはいえ、古具(混合古具)だよ!?」

さらに連撃を加えようとするが、障壁からさっきと同じように炎や氷、風三つの属性が混ざり合って放たれる。

「下がって!!二人とも!!」

フレイヤとヘイムダルが木の矢と光の矢が放たれ、さらに障壁を崩しにかかるが三つの属性により防がれる。

その間に僕ら二人は一度距離をとりつつ、二手に分かれて周囲に展開して、障壁を張りながらも放たれる弾丸を受けないように足を止めずに、駆けまわる。


♢♢♢♢♢

駆けながら、蓮がヘイムダルに念話を繋ぐ。

《ヘイムダル、権能使える余裕ある?》

《あるにはあるが、『世界を見張る者』か? それとも『戦令の号令』か?》

《後者。さすがにあたしらであの四体の悪魔を同時に相手はキツイ。それに奥の四人目の動きがないのがなんかキモイ。だからこっちの有利に持っていきたい》

《了解、フレイヤにも伝えておく》

《任せた。それとそれが終わり次第こっちに来てくれる?》

《わかっている》


♢♢♢♢♢

「はあああ!!!」

「しっ!!」

二方向から僕と蓮が攻撃を仕掛ける。

それに反応して、三人の悪魔の内氷の障壁を張った悪魔が僕の攻撃を、風の障壁を張った悪魔が蓮の攻撃を受け止める。

(氷は僕にとって、好都合・・・ 蓮そっちは任せるよ!!)

蓮に目配せをして、そのまま氷の悪魔と戦闘に入る。


氷の障壁を張っている状態を維持している悪魔に、穂先に炎を灯して一気に攻めたてる。

氷がみるみるうちに『トリシューラ・ニルヴァーナ』の炎によって溶かされていく。

それを嫌ったのか魔力弾を放ってくる。

「けどそんな至近距離なら・・・」

何とか避けて、一度距離をとりながら『トリシューラ・ニルヴァーナ』を振るい炎の刃を放つ。


(さてどうしようかな・・・ こっちは溶かすことができるが、相手は無限に生み出せる。相性がいいとはいえほとんどジリ貧だ・・・)

どう攻めるか考えていると、グラウンドの奥の方から角笛の音が鳴り響く。

(これはヘイムダルさんの権能・・・ ということは蓮の指示・・・!!)

その音を聞くと、体の内から力があふれる。

(これならいくら無限に氷が埋めれようと・・・ 押し切れる!!!)


「ふぅぅぅ・・・ 行くぞ!!!」

さっきよりも速くなった足で一気に駆け出し、接近する。悪魔はこのスピードに反応するが・・・

「遅い!!」

炎を纏った『トリシューラ・ニルヴァーナ』を振るい、悪魔を吹き飛ばす!!

吹き飛んだ悪魔は何とか着地するが、流石に炎はきつそうだ。少し足元がふらついている。

「このまま押し切る!!!」

『トリシューラ・ニルヴァーナ』を構えて、一気に終わらせるために駆けだす。

「いくら「暴走」して強くなろうが・・・・ 何も考えてないのなら、何も怖くない!!!」

近づけさせないために魔力弾をさらに放ち、氷の棘を無数に地面から話してくるが、全て『トリシューラ・ニルヴァーナ』で切り払い溶かしていく。

そして悪魔の懐に入る。

「これで終わり!!!」

渾身の力を込めて、『トリシューラ・ニルヴァーナ』を振るい吹き飛ばす。

壁にぶち当たりそのまま悪魔は意識を失う。それに伴い生み出されていた氷も、それを溶かして出来た水も消える。

「『黄昏』の方は・・って心配はいらなそうだね」

蓮の方を見ると、風を操る悪魔を切り伏せていた。ちゃんと殺してはいないようだ。

残るは炎と何故かいまだにまともに戦闘に参加していない悪魔、その二体だ。


「あと二体残ってる・・・ というかまさか乱入してこないは逆に不気味でいや」

「確かに、ちなみに気絶させた二体は既に捕縛しているよ。『美姫』が」

「さっすが~ 仕事速いよね、彼女」

「こういう時は・・・ね」(言えない、普段はほとんど何もしてないなんて言えない・・・)

二体の悪魔を観察しながら、少し話す。

「んで、どうする?まだヘイムダルの権能は続いてるよ。このまま攻めきって終わらせる?」

蓮が軽い感じで聞いてくるけど、相手が「暴走」しているのにサラッとしていて少し笑みが浮かぶ。

「じゃあそれで。「暴走」は長引くとやばいんでしょ?契約者にも、その契約している方にも」

「だよね。『月穣』なら言ってくれると思ったよ。それじゃ行こうか!!」

蓮が叫ぶと同時に、『ティルフィング・クーゲル』をから弾丸を放つ!!!


その弾丸は全て炎の障壁で防がれる。

「まぁ防ぐよね!!」

蓮は弾丸を放った瞬間、既に接近していた。

そのまま『ティルフィング・クーゲル』で障壁を切り裂く。

よく見ると刀身が黒銀色に鈍く輝いている。そうなると、生半可な障壁はもはや意味を成さない。

障壁を破り、蹴りを鳩尾に叩き込み炎の悪魔を蹴り飛ばす。

それでも意識は保っているようだ。それを見た蓮は追撃のかかと落としを叩き込む。

グラウンドに頭から埋まり、そのまま意識を失う。

「はい、残り一人っと。さっさと片づけよっか」

『ティルフィング・クーゲル』の刀身を残り一人の悪魔に向け、睨みつける。

ワルキューレ・ドライ「いや、一気に倒しすぎでは?」

まぁあの五人は修羅場くぐってはいますから・・・

ワルキューレ・ドライ「それでも四体目の悪魔が不気味すぎでは・・・?何も動きがないですし・・・」

そこは次の話から動きがあるのでわかりますよ。

ワルキューレ・ドライ「あっ、そこは次の話なんですね・・・」

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