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神と人の契約戦書 ~神話と共に人は生きる~  作者: 氷室莱那
第十一章 風は涼み 天は広がる
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第十一章ー⑭

ワルキューレ・ツヴァイ「詩菜さんってもしかして戦闘狂なのでは・・・?」

何でそう思うんです?

ワルキューレ・ツヴァイ「割と蓮ちゃんに似たような動きなどをしていたので、つい」

全然違いますよ。むしろ戦闘はあまり好きではないですよ、元『執行者』というのは戦闘狂には官益ないですからね?

ワルキューレ・ツヴァイ「あらそうなんですね・・・」

「この技を放ったのだから、少しはおとなしくなってほしいものだけど・・・」

詩菜は刀を腰にある鞘に納めて、少し息を吐く。

(まぁこの程度で終わるのなら、『執行者』として有名になっていないわね・・・ッ!!)

何かに感づいたのか、詩菜は鞘から刀を抜いて背後に向けて振るう。

刀が何かにぶつかったような音がする。

「やっぱこの程度の不意打ちじゃあ、気づくよねぇ・・・」

そこには両手の『クラウソラス・イミテーション』の形状を双大剣からダガーに変え、右手の方を振るっている蓮がいた。


「あら、形状を変えたのね。というかそんなにコロコロ形状を変えることが出来るのね」

「まぁね。所詮は『イミテーション』、それに光を操るから刀身の形状をいくらでも変えられるんだよねぇ~ ほら『光』だからっ!!!」

蓮が右手を振り抜くが、詩菜は微動だにせずそれでも蓮は両手を使って連撃を行う。

右肩、左肩などを狙ってひたすら『クラウソラス・イミテーション』ダガーを振り続ける。

「流石に刀一本じゃきついわね!!」

何とか刀を振るい、ダガーの連撃を何とかいなす。

「誰も、ダガーだけの連撃なんて・・・ 言ってないよ!!!」

詩菜が刀を振るって、蓮を弾き飛ばす。

その勢いを使って、後退する。と同時に左手のダガーを詩菜に向けて投げる。

それを弾いて、ダガーはどこかへ回転しながら飛んでいく。


「隙あり・・・ってね!!」

いつの間にか蓮が詩菜の近くに来ていた。

そのままダガーだけでなく、蹴りや拳の徒手空拳を使ってさらに攻め立てる。

(ダガーじゃ流石に決め手は薄いけど、それにあんまり使ったことないし・・・ それでもこのまま一気に攻め立てる!!!)

蓮の連撃の密度に、流石に刀一本じゃ対応しきれなくなったきたのか、徐々に詩菜が後退していく。

「そこォ!!『晄拳閃脚(こうけんせんきゃく)裂創陣(れっそうじん)』!!!」

大振りになった瞬間に、拳、蹴り、ダガーによるほぼ同時攻撃を繰り出し詩菜を壁まで吹き飛ばす。


「よしっ!!これであとは建御雷の方を何とかすれ・・・ば?」

詩菜が壁に吹き飛ばされたのを確認して、ヘイムダルの方を援護しようとするが何故か蓮の足が動かない。

「はい?」

よく見ると雷で作られた縄が蓮の足首に巻き付いている。

「いやいやいや・・・ いつの間に?」

縄を目で追ってみると、その先に最初の方ではじき飛ばして地面に突き刺さっている刀がある。

「あっ・・・ そう言うこと。ってことはもしかして・・・」

「ええ、そのもしかしてよ」

声がする方に目を向けると、詩菜が立っていた。

「あなたはおびき寄せられていたの。最初から、ね。『依頼』もこういうことがあるから気をつけなさい?」

「は、は~い。あはは・・・・」

「いい返事ね。それじゃあお仕置きの時間よ、蓮さん」

そう言うと刀を振りあげる。同時に刀身に雷を落とす。

それはグラウンド全てを飲み込むほどの勢いとなって、暴れ狂うかのように轟音を鳴らす。

「いや!!それは!!さすがのあたしでも!!死ぬってぇぇ!!!」

「反省しなさい!!!」

刀は振り下ろされ、グラウンド全てを飲み込んだ。無論建御雷とヘイムダルもだ。


♢♢♢♢♢

プスプス・・・ グラウンドから煙が上がる。

そこには雷をもろに受けて、体から煙が上がっている三人がいた。

「ふぅ、スッキリしたわね。黎芭から「蓮ちゃんと翠波君は『執行者』だから、内容知っている詩菜ちゃんがフォローしてね」って言われていたけれど、ついやってしまったわ。まぁ、手加減したから大丈夫なはず・・・ それに今日の夜にある『依頼」にも支障はないはず・・・よね?」

『いや、死ぬわーーーー!!!!』

「ねぇあたしが何とか『クラウソラス・イミテーション』の形状を盾に変えてなかったら、死んでたんだけど!?」

「というか、狙いは蓮だったんだろ!?何で俺と建御雷まで巻き込まれてんだよ!?というか建御雷に関してはしれっと自分だけダメージを最低限まで減らすな!!俺も守れよ!!」

「何故だ?お主は敵、守る必要はないだろう?」

「くっそ・・・ 正論だから言い返せねぇ・・・」


「まぁ、死んでいないからいいとして・・・」

(((よくねぇよ!!)))

「これで少しは頭がすっきりしたかしら?蓮さん」

「うん、おかげさまで。これで今日の『依頼』も何とかできそうだよ。それで、ここに呼んだのは補修するためだけじゃないでしょ?詩菜さん?」

蓮がそう言った瞬間、空気が変わる。

「ご名答、流石は現役の『執行者』私たちの後輩ね」

「お褒めの言葉をどうも。それで早く本題を出してよ」

蓮は気になったのか、詩菜を急かす。


「少し落ち着いて、単刀直入に言うわ。あなた何に気を張っているのかしら?それは翠波君も同じだけど・・・ あなたはより一層」

「う~ん、やっぱ気づくよねぇ。しかもぶっこむねぇ~。まぁ教えてもいいかな・・・」

「ここには今は誰も入れないわ、何を言っても大丈夫よ」

「りょーかい。じゃあ言っちゃうけど・・・ 確実に学園に『組織』への内通者がいるね。それも複数、じゃなきゃ学園に侵入者や「暴走」した神なんて現れないよ」

「そう・・・ それは分かったけれど、人数とかはわかっているのかしら?」

「流石にまだ詳細は・・・ けど内通者がいるって言うのだけは分かる、それにそろそろ他の科の契約戦書にも・・・」

うわああああああ!!!!

蓮がこれからの危惧を言い始めた瞬間、悲鳴が響く。それと同時に何かが膨れ上がるような感覚になる。


「これって・・・ 詩菜さん、今日どこか契約戦書を行っているところは!?」

「確か魔使科・・・ ってまさか!?」

「そのまさかだよ!!! 詩菜さん、私は行く!!ヘイムダル、仮面とマントは!?」

「ここにあるぞ!!」

「オッケー!!詩菜さん私たちは、『執行者』として対処する!!翠波にも連絡を!!!」

「わかったわ。後は任せるわ」

そう言って、蓮と詩菜はそれぞれの役割に向けてグラウンドを飛び出して走り出した。

ワルキューレ・ツヴァイ「なんであの雷を受けて、蓮ちゃん死んでないんですか・・・」

まぁ、何とか『クラウソラス・イミテーション』の形状を盾に変えてましたから、死ぬような攻撃になるなら、詩菜の雷の威力はこれのさらに三倍以上の威力を持っていますから

ワルキューレ・ツヴァイ「あれいじょう・・・ですか?」

ええ、本気なら学園のグラウンドは普通に崩壊していますからね?

ワルキューレ・ツヴァイ「それって仮に「本契約」した『トリシューラ・ニルヴァーナ』とどちらが上ですか?」

それは・・・ 秘密です。

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