第十一章ー⑫
ワルキューレ・ツヴァイ「蓮さん、連れていかれましたけど・・・・」
まぁ、居眠りしていたら妥当かと・・・
ワルキューレ・ツヴァイ「というか、詩菜さん体に雷纏っていましたけど?」
そうですね。
ワルキューレ・ツヴァイ「チョークが雷速で投げられましたけど?」
そうですね。
ワルキューレ・ツヴァイ「あれ、当たり所悪ければ死にますよね?」
はい、死にます。
ワルキューレ・ツヴァイ「ええ・・・ 蓮さん怖ぁ・・・」
蓮と詩菜先生が教室を出ていった後、自習となった教室の中で僕はエイナさんと楓さんと話していた。
「今、蓮さんはどうなっているのでしょうか?」
エイナさんが連れていかれた蓮について何気なく呟く。
「いやそんなのガチでお仕置きになってるんじゃない?秋葉先生おそらくだけど、ガチギレしてたよ。だって体に雷纏ってたし・・・」
楓さんが蓮が詩菜先生に連れていかれたときの事を話す。少し体が震えているのは、見なかったことにしよう・・・
そんなことを考えていると・・・
『いや!!それは!!さすがのあたしでも!!死ぬってぇぇ!!!』
ゴロゴロ・・・ドォーン!!!!
どこからか雷が落ちる音同時に、女性の大声が響いた。
「あのぉ― この声って~ もしかして・・・」
「うん、もしかしなくても・・・」
「だよね~」
『蓮 (ちゃん)だな(ですね)』
♢♢♢♢♢
「ちょっ!?詩菜さん痛い、痛いって!!! 電気ビリビリさせながら首根っこ掴むのはやめてって!!!」
蓮がじたばたしながら、何とか詩菜の手から逃げ出そうとするが・・・
「逃がすわけがないでしょう。今日私の授業で寝たのは二度目でしょ?流石にお灸をすえないと・・・ね?」
そう言って連れて来たのは、空き教室ではなく何故か学園に多くある模擬戦用のグラウンドのひとつだ。
そのままそこに入り、蓮を自分の正面に来るようにグラウンドに放り投げる。
「さぁ、構えなさい。無論契約神ーヘイムダルさんを喚び出してからね」
蓮は詩菜の意図が読めず、混乱した雰囲気で答える。
「はい?何言ってんの?」
「ああ、それともこう言わなきゃわからないかしら?『特別授業』つまり教師とその契約神とのタイマンを今ここで行うって言ってるの」
それを聞いた瞬間、蓮の口元が歪む。
「アッハッハッハ!!!まじで!?そんなことあるんだ!?ヘイムダル、今日は居眠りしてよかったと思える日になったよ!?準備はいい!?」
そう言って両手に『クラウソラス・イミテーション』を出現させ、左半身を後ろに右半身を前に出し、構える。
「はぁ~ 何でそうなるんだよ・・・ まぁ、良い実はおれも一度戦ってみたいと思っていたしな、建御雷!!」
ヘイムダルも呆れながらも、嬉々として右手に光の剣を生み出して構えをとる。
「やっぱり黎芭に蓮の性質を聞いておいて、正解だった。ここに通っている学生のほとんどは教師とのタイマンは嫌がるはずなんだがな・・・」
自分から言っておいて、詩菜は少し面倒そうに眼を細める。
「だが、やるからには全力だ」
そう言って、右手を前に出して構える。
『雷を司りしその刃 天空を切り裂き あまねく敵を討て 建御雷!!!!』
その詠唱と共に、建御雷が現れる。既に両手に刀を構えており、いつでも戦闘出来る様子だ。
「詩菜、俺を詠唱ありで喚び出したということは戦闘だな・・・ って蓮とやんのか!?」
「ええ、そうよ。あの子私の授業、今日だけで二度も居眠りしたからその指導のために教師とのタイマンにしたのだけど・・・」
「それをあいつは喜んで、ウキウキして古具まで出して構えていると・・・ なら納得だ。それにお前も古具を出すのか?」
「流石に出さないとまずいわ。彼女、私たちの後釜よ?出さないと失礼じゃない?そ・れ・に、ここには私たち以外誰も来ないから他の教師にばれる心配もないしね」
「ねぇ~!!もう始めてもいい~!?」
蓮が詩菜が建御雷と話しているのを長く感じて、しびれを切らしたのか聞いてくる。
「ええ、待たせてごめんなさい。それじゃあ始めましょうか!!」
詩菜が「始めましょうか」と言った瞬間に、蓮が地面を蹴り右手を振り上げて突っ込んでくる。
「もらい!!」
詩菜の前に出て、右手を振り下ろすが・・・
ガキィィン!!!
何かに当たったような音が響く。
「マジで!?ってやっぱ持ってるようね~」
そう言う蓮の前には、蒼い刀身を持った刀が見えていた。
『クラウソラス・イミテーション』と蒼い刀が鍔迫り合いを行う。
「ちなみに聞くけど、それって古具だよね?」
「そうよ」
「ちなみに名前は?」
「教えないわよ。知りたければ、私たちに勝ってみなさい!!!」
鍔迫り合いから詩菜が力で押して、蓮を後退させる。
後退した蓮に向けて、建御雷が上から雷を纏った刀を降らせる。
「それは勘弁!!!ヘイムダル!!!」
蓮がヘイムダルの名を呼ぶと同時に、振ってきた刀を狙って光の矢が放たれ刀を弾く。
刀ははじかれ、グラウンドにばらまかれる。
「面白いねぇ~ 流石元『執行者』・・・ いける?ヘイムダル」
「ああ、行くぞ!!」
「行くわよ、建御雷。久々に少しだけ全力で行くわよ」
「おう!!久々に面白くなりそうだ!!」
蓮とヘイムダル、詩菜と建御雷のペアは同時に駆け出し再びグラウンドに鉄がぶつかる音が響いた。
♢♢♢♢♢
「そこォ!!」
二度目の衝突が起き、蓮が左手の『クラウソラス・イミテーション』を振るう。
「甘い!!」
それをわかっていたのか、詩菜は刀身を傾けることで、鍔迫り合いをしていた『クラウソラス・イミテーション』の刀身を滑らせ蓮の体勢を崩す。
「っ!?それは流石に!!」
体勢を崩したため、左手の『クラウソラス・イミテーション』は詩菜の頭上を空振りする。
それと同時に、詩菜が蓮のお腹目掛けて右足で蹴りを放つ。
「・・・ッ!!」
蹴りを受けて、その反動で一度後退するが・・・ それを許さないのが建御雷だ。
「もう一度ぉ!!!」
右手を振るうと同時に先ほど弾いた刀に再び雷が宿り、こちらに飛んでくる。
「それ復活するのぉ!?」
(てことは、もしかして既に結界が設置済みってこと!?いつの間に!?」
「蓮!!」
ヘイムダルが光の矢を放ち、迎撃するがそれでも数が減ることがない。
「まだまだぁ!!!」
さらに建御雷が刀の数を増やしてくる。
それに加えて・・・
「私を忘れないでもらいたいわね!!!」
詩菜が両手で刀を構えて、襲い掛かってくる。
それを何とか躱しながら、建御雷が放つ刀の雨を迎撃する。
「この波状攻撃捌くだけで精一杯なんだけど!?なんか対策ないの!?」
文句を言いながらも蓮は、何とかダメージを受けずに立ち回っている。
それでも徐々に足が止まり始める。
「隙が出たわ、建御雷!!!」
「ああ、墜ちろ雷!!!『堕雷刀・五月雨』!!!」
建御雷が腕を振り上げ、振り下ろすと同時に先ほどの倍以上もある雷を纏った刀が、蓮とヘイムダル目掛けて降り注ぐ。
それを対処することが出来ず、蓮とヘイムダルの姿が土煙に隠れる。
どうも作者です。何故か戦闘シーンに入りました。
ワルキューレ・ツヴァイ「というかこの章で詩菜さんの戦闘シーン、初めてですね?」
そうですよ。というか戦闘能力的には詩菜さんは上の方に入りますよ。
ワルキューレ・ツヴァイ「そうなんですね。って・・もしかして黎芭さんと詩菜さんの二人の『執行者』の時って・・・」
ええ、物凄く敵に同情していましたよ。『機関』の捕鎖官たちが・・・・
ワルキューレ・ツヴァイ「Oh・・・」




